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de:code 2019に初参加して思ったこと 後編

前編からお付き合い頂いている方、ありがとうございます。
後編からクリックしてくれた方、もしよろしければ前編もどうぞ。
今回はde:code 2019の二日目についてお話ししていきます。

改めて二日目のマイスケジュールです。

<day2>
・開発者も非開発者もPowerApps + Flowを使って50分で爆速アプリ作成!
・業務ボットの対話フロー設計!Azure Bot Service + Graph APIで開発するTeamsボット
・深層学習モデルの実験のための<ちょっとした>心構えとテクニック
・最前線でのMicrosoft Teamsの実践的活用を学ぶ〜医療現場から
・人、テクノロジー、パックマン。バンダイナムコ研究所が考える、Azure Spatial Anchorsがつなぐ新たな遊び場の主役とは?
・エンジニアの人生設計〜どのようにキャリアを描いていけばよいのか〜

途中で2時間ほど時間が空いたのでEXPO(展示会ですね)を覗くつもりだったのですが、EXPO会場前に設営されていた技術書販売のスペースで半分以上の時間を費やしてしまいました。
技術書って、書店側からすると読む人が限られるため回転数も悪く、更には高額商品のため返品がきかないことも多く、数を揃えて扱うのが少し難しいジャンルだったりします。
そんな技術書がズラリ、しかもいつからあるんだこれ・・と不安に思うような情報の古いもの、装丁の痛んでいるものでなく、新品ピカピカの注目本が並んでいれば、つい小一時間ほど読み漁るし買ってしまうというものです。
閑話休題。

開発者も非開発者もPowerApps + Flowを使って50分で爆速アプリ作成!

吉田 大貴さん  (マイクロソフト コーポレーション)

・Power Platform
「PowerApps」「PowerBI」「Microsoft Flow」の3製品の総称。
世界で唯一データの収集から解析予測まで、ノンコーディング・ローコーディングで実現可能なプラットフォーム。

Power Platformの中でも、PowerAppsとMicrosoft Flowを用いて、セッション時間内にアプリを作り、その操作性の良さや速さ(まさに爆速)を知るセッションでした。

作成アプリは受付台アプリで、スマートスピーカーを使った会話による受付、タブレットを使った画面操作による受付の2種類の受付方法を可能とするものです。

PowerAppsとFlowを用いることで、各種MSサービス(MSサービス以外にもSelesforce, Webex Teamsなど230種類以上のサービス、データとの連携が可能!)への連携をAPIの仕様を気にすることなく、ほぼノンプログラミングでできたりと凄かったのですが、個人的に印象的だったのが…

データベース作成が簡単すぎてビビる
これです。サクッとご紹介します。

①PowerAppsのホーム画面からEntitiesを選択
②Entities画面上部のNew entityを選択
③必須項目を入力してCreateを選択

これでエンティティ(テーブル)の作成が終わりです。

④Entitiesの画面にて先ほど作ったエンティティ名を選択し、続いてAdd fieldを選択
⑤必須項目を入力してDoneを選択

これでフィールド(カラム)の作成も終わりです。嘘でしょ・・
みんな大好きSQL文が登場しないのです。
直感的にわかるこの操作性、よくないですか?私も即座に触ってみたくなり、技術書を立ち読みしに行きました。(まだ買ってない)

完成したアプリは、Amazon Alexaと会話する(お名前は?会社名は?担当者名は?と自然な会話のやり取り)だけで、担当者へMS Teamsにて通知が飛ぶものでしたが、このデモを見て自社の条件でやってみたくなった方も多いと思います。
そんな時に、フットワーク軽く試してみることができ、動く様をすぐに確認できることが、1番の魅力なのかなと個人的には感じました。

Office365の契約があれば、アプリ共有機能は制限されますが無料かつ無期限で個人の開発環境が使えるので、ちょっと触ってみるができるのも良いです。ぜひ。

なお、爆速ぶりを伝えるべく、EXPOブースにて
即興アプリ開発デモ その場で仕様をお聞きします!」という、20分でアプリを作り上げるとんでもないデモもやっていらっしゃいました。20分て。

業務ボットの対話フロー設計!Azure Bot Service + Graph APIで開発するTeamsボット

白石 康司さん(TIS 株式会社)

・なぜ業務でボットが今求められるのか?
→市場の期待が高まっていること、ボットプラットフォームとしてのチャットツールが増えたこと、またボットが出来ることがより高度になってきたから。

ボットのプラットフォーム、ボットが出来ることの高度化で思い出したのですが、この前初めてヤマトのLINEボットを利用しました。やー便利さに驚きました!
ボタンを選択する・簡単なワードを入力する、この二つだけで配送時間の変更が出来てしまうのですね。
従来のwebでの入力や電話で対応頂くのと比べて、利用者にとってもヤマトさんにとってもコストダウンしたと思います。

・ボット導入にあたって見えてきた現場の課題
→ボットに何を任せるのかの選定、導入の手間、選択肢型or自由発言型かの選定、会話フロー設計、と決めるべきことが多数。

中でも、複雑化する顧客の要望を実現するために重要となってくるのが、ボットの会話フローの実現方法。
一口にボットといっても、会話フローをパターン化すると5つに分けられるそうです。

①QA一問一答
→ 多数QAの中から目的のAを自然言語で問い合わせられる
②フォーム型
→ ユーザ発言から必要パラメータを抽出、分離できる
 (漏れなく必要な情報を収集することができる)
③複合メニュー
→ 複数スキルをボットが持つ時、ユーザが求めているものを提示できる
④マルチターン会話
→ 逐次的な情報取得が出来るため、初めてのユーザにとって使いやすい
⑤プッシュ型会話
→ ボットがお知らせしてくれるため、能動的に定期確認する必要がなくなる

各種デモがあったのですが、フォーム型の名刺発注デモがわかりやすかったです。
例えば「社内の名刺発注を簡単に手早くしたい」という課題があるとします。
名刺発注のために必要な情報が、氏名・枚数・印刷方法の3点だった場合に、フォーム型ではまず発注者がボットへ、
「名刺を100枚発注して!」
と投げかけます。
対してボットは発注者の発言から、氏名=発注者・枚数=100枚という情報を抜き出した上で、
「印刷方法は片面、両面のどちらにしますか?」
と、不足している情報を取りに行くことができ、これに発注者が答えるだけで発注が終わります。
もちろん最初の呼びかけの時点で
「名刺を両面印刷で100枚発注して」
と全ての必要情報が揃うようにすれば、これで発注が終わりです。楽ちん。

一方、このケースではマルチターン会話のフロー設計も考えられます。
発注者はまず、ボットへ
「名刺発注お願い」
と投げかけます。対してボットは、
「枚数は何枚ですか?」
と返し、発注者は
「100枚で」
と返します。すると再度ボットが
「印刷方法は片面、両面のどちらにしますか?」
と聞き返すので発注者は
「両面がいいな」
と返し、これで発注が終了です。

言わずもがなですが…少々煩わしいです。
必要情報が増えれば増えるほど、やり取りが増え煩わしさも増加します。
どちらがこの「名刺発注を簡単に手早くしたい」という課題に合う会話フローかおわかり頂けるかと思います。

ただし、マルチターン会話には初めて使う人にもわかりやすいというメリットもあります。
解決したい課題が、「あまりに名刺発注の頻度が少なくフローが覚えられない・調べるのが手間」なのであればマルチターン会話も選択肢として出てくるでしょう。

こういった申請系って申請出す側もマニュアル読んで対応するのが大変(しかも情報が抜ける)ですし、申請受ける側も大変(マニュアル作成・情報の抜けに対しての確認作業・そもそもの発注作業)だと思います。
そこでボットが有用なのはなんとなく理解していましたが、会話フローの設計次第で便利にも余計に煩雑にもなり得るんだな、と知見を得ました。

まとめ

2日間に渡るde:codeでしたが、いや、興味深いセッションばかりで本当に楽しかったです。

マイクラがなぜ教育現場に採用されるのか、なぜただ言葉を返すボットが生産性を上げるとかって話になるのか、など初歩レベルの知識すらない私でした。
そんな状態なので当然、セッション内で知らない単語も多くありましたが、そ奴らも少なくとも「知らない」から「名前は知っている」に格上げされました。
自己学習でもそれって出来るんですけど、早さとか量とか質とか段違いです。そりゃあその道のマスターのお話ですもんね。当然です。

中には本当に1ミリも付いていけないセッションもあったのですが、全部が全部そうではない(なにかしら理解ができ、知見を得ることができるものが大半)ので、知らないからこそ躊躇せずどんどん参加するべきだと考えを改めました。
知らないものは知らないのです。
知る機会を増やすのに、技術イベントは最適で、なんだかよく知らないからこそ参加してみよう!多分まずはこれで良いということを身をもって実感できた2日間でした。今後はいろんなイベントに行ってみよう。

レポートは以上です。ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
(願わくば、いずれこの量の文字量を技術のことで埋められるようになりたい。先は長いですね)

蛇足。

先日同僚にお声をかけて頂いたので、今度はこちらにお邪魔しようかと思っています。

CREATIVE X night #2 「UXキャリア夜会」
〜ビジネスに活かすユーザー体験とUXデザイナーのキャリア〜
https://creative-x-night-2.peatix.com/

ちなみにUXもちんぷんかん(*1)です。だからこそ、第一線でUXデザイナーとして活躍されている方々に、UXデザイナーとしてキャリアを積み上げるってどういうことなのか、お聞きしてこようと思います。楽しみ!

(*1) ちんぷんかんぷんの語源。最後のぷんはリズムカルさを求めて付いたらしい。普通に使ってたらツッコミをもらったのでググりました。蛇足中の蛇足。

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