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『チェンソーマン』は極上のパンク漫画である


先月、TVアニメのかっちょいいティザーPVが公開された『チェンソーマン』。

なんだか期待しか持てないティザーだったので、今から放送が待ち遠しい。

単細胞な僕はこういうものを見るとすぐに原作を読み返したくなり、真夜中に一気読みしてしまった。
読んでいて、やはりこれはパンク漫画だと確信した。
サイバーパンクではなく、パンクロックの方。

頭空っぽにして楽しめるけど、"おバカ"やってるだけじゃない。
見た目も態度も曲調もはちゃめちゃだけど、芯が通ってる。


そんな愛すべきパンクロック要素が、この作品からは感じ取れる。
また、そこがそのままこの漫画の魅力に繋がっているため、ここで少し紹介したい。

チェンソーマン/藤本タツキ

あらすじ
"悪魔のポチタと共にデビルハンターとして借金取りにこき使われる超貧乏な少年・デンジ。ド底辺の日々は、残忍な裏切りで一変する!! 悪魔をその身に宿し、悪魔を狩る、新時代ダークヒーローアクション、開幕!"
(Amazon説明文より引用)

1.圧倒的熱量

読んでいてまず感じるのが作品の持つ熱量のすごさ。
熱量といっても熱血系の熱さではない。
描写や展開、全てにおいて爆発力というかエネルギーが感じられる。
とくに、主人公デンジ(チェンソーマン)の戦闘シーンなんかは実にダイナミックに描かれており、建物をぶっ壊しながら血肉を撒き散らし戦う様は、抜群の構図も相まって映画さながらである。

あと戦闘面でもう一つ、敵の倒し方の着眼点が面白く、各エピソードに沿った粋な倒し方や、予想斜め上の戦法も見どころである。(個人的に"永久機関"の場面は度肝を抜かれた)

2.テンポの良さ


原作単行本は全11巻。
第一部完という状態ではあるが内容的には綺麗に着地し、ひと段落している。
この11巻、ぶっ通しで読めてしまうのでこれからの人は騙されたと思って全巻一気買いして欲しい。
何せ、テンポが良すぎるのだから。
どれほどの名作であっても必ず作中のどこかに、(読み手の)休憩ポイントが存在する。
つまり緩急がしっかり付いているという事だが、中弛みしてしまうケースも少なくない。
しかし、この漫画は決して休ませてくれない。
所謂、戦闘シーンに対する"日常パート"的なものは存在するが、一貫して内容がぶっ飛んでいる為全く弛まない。(けど楽しい)

30分のライブで持ち曲全部出し尽くすかの如く怒涛の勢いにのせられ、一気に読めてしまう。まさしくパンク!

3.ぶっ飛んだキャラクター

本作の登場人物はみんなどこかがおかしい。
基本頭のネジがぶっ飛んでいる。
また、そこが最大の魅力でもある。
出てくる女の子はみんな可愛い。
可愛いが、全員主人公の事を殺そうとしてくる。(作中で本人も言及している)

バンドマンにも、この人音楽やってなかったらどうなってたんだ…と思うような人達がたくさんいるが、チェンソーマンのキャラクターもこの作品でしか成立しない唯一無二の個性を持っている。

ポイントを絞って紹介したつもりだが、なんだか奇をてらっただけの作品と思われてしまってはかなわないので最後に一つだけ。

この作品、作風こそ尖ってはいるが、とても誠実な漫画だと思う。
主人公はもちろんキャラクターそれぞれに過去や思想、願いや夢があり、作中でも丁寧に描写されている。そして、終盤にはきっちりとそれらに決着をつけてくれる。(最終巻では思わず涙ぐんでしまった)

以上、チェンソーマン未読の方は是非。
書いてて薄々気づいたけど、パンク関係なくね?
でもでも、この作品には絶対パンクが合うと思うの!!

MAPPAさん、アニメの主題歌はどうかパンクな曲で頼みます。


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