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軍隊は男色のロマンに溢れていたりする【軍隊と男色】

お硬いように見える軍隊の中にも、男色はあったんだなってことが知れる雑誌って貴重だと思うの。
しかもそれが戦後の日本で。
ノンケ雑誌の中にゲイ向けの記事が一緒に掲載されてるって、今ではあまりないんじゃないかしら。
しかも自分の体験を赤裸々に語る記事があって、内容もかなり濃いものが載せられたりしてたなんて、なかなか信じられない。

でも意外と日本って男色の文化は昔からあったらしいから、当時としては異色だとしてもそこまで珍しいものじゃなかったのかしら? なんて思ったわ。
戦国時代から師弟関係とかで男色はあったなんて聞くし、江戸時代には男娼がいたり、男色に耽ってる画が見つかったりしているらしいし。
日本って意外と性に対してオープンというか、淫乱だったりするのかもしれない。
それが戦後、西洋の思想や価値観がなだれ込んできて、男色は罪みたいな雰囲気ができて、ある意味古き良き日本の文化が途絶えてしまったのかもしれない。
もしそうならキリスト教も罪よね。

軍隊の中の男色は、ノンケがノンケに対して性欲のはけ口として迫っていたのかもしれないし、全部が全部ゲイだとは言えない気がする。
封建的な文化の中で、周りが男子ばっかりの状況で、先輩後輩、上司部下という縦の関係が絶対だった社会の中で、上官の命令に逆らうことはできない。
脱げと言われれば脱ぐしかなく、攻められても抵抗できない。
そういう中での男色はあまり気持ちのいいものではないけれど、それでも誰かと誰かがヤってると聞いたら絶対気になっちゃう。
可愛くてお気に入りの新人が入ってきたら目をつけて夜這いしに行くなんて、かなり積極的じゃない?

その人たちも昔はやられたから、今度は自分たちがやる番、みたいなサイクルの一環でしかないだろうけど、それでも夜這いで若い男子を襲えるなんてなんて羨ましい光景だろう。
当時も生粋のゲイはいたようで、そんな彼らからすれば軍隊の中はもうパラダイスだったに違いない。
自分が偉くなったら可愛い部下を世話焼き係において、夜は一緒にお楽しみできるなんて羨ましすぎる。

そんなゲイの中でも、権力とお金に物をいわせて好みの男子を囲い、援助交際みたいな手に出る男もいたみたい。
でも相手からすれば女の代わりとして一時的に近寄っていただけのようだし、そこに愛はなかったらしいし。
やっぱりそこはノンケであって、衆道という上下関係として割り切っていたのであって、ノンケをゲイにはできなかった。
悲しくともそれは昔も今も変わらないらしい。
ただ上下関係だとお互い割り切って、楽しむだけの相手として関係を続けられれば、かなり良い軍隊生活を送った人もいるようだ。
ただ軍隊である以上、シゴキというのもあるようで、それは軍隊の負の面だなと思う。

それにしても一般の人の性体験にの、しかも軍隊という閉鎖的空間で起きた内容を赤裸々に語り、雑誌に載って流通していたということに驚き。
残念なのは、この本の著者のツッコミがウザかったことかしら。

軍隊と男色 / 叶誠人

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