僕の夏。君との夏。

幾つもの楽器の音が鳴り響く中、君のホルンの音が耳に残る
校舎の窓から顔を出す君に体育館から手を振る
体育館にはバッシュが擦れるキュッとした音が響く
小窓から入る風が心地よい
汗だくになりながら今日も練習が終わる
部活が終わると君と合流
みんなで他愛もない話をする
君の隣だけは譲れない目が離せない

君と並び自転車を漕いで同じ家に帰る
部屋に行くと真っ先にエアコンをつける
シーブリーズとエアコンの匂いが部屋に混ざる
いつの間にか2人隣で寝てしまう

夕方になり外に出ると
少し空気が涼しくなり夏の匂いがする
君を家まで送り
家の前で「帰りたくないね」と話す
家に帰りWiFiが入ったのを確認し真っ先に君にLINE
「ただいま!」

もう5年も経った
もう二十歳になる
大人になる

ふと考えてしまう
もし君が隣にいたらと。

今年も君のいない夏が来る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?