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観た映画の感想 #77『ザ・キラー』

Netflixで『ザ・キラー』を観ました。

監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
出演:マイケル・ファスベンダー、ティルダ・スウィントン、アーリス・ハワード、チャールズ・パーネル、ガブリエル・ポランコ、ケリー・オマリー、エミリアーノ・ペルニア、サラ・ベイカー、他

ある任務失敗により、雇い主と戦うことになった暗殺者。世界中で追跡劇を繰り広げる彼は、それがかたき討ちであっても目的遂行に個人的な感情を持ち込まないよう自分自身と闘い続ける。
(Netflixより)

https://www.netflix.com/jp/title/80234448

マイケル・ファスベンダー、好きな俳優なんですけど、特に輝く役どころっていうのが2種類あると個人的には思っていて。
まず一つは酷い目に遭ったり深刻な悩みを抱えていたりして苦しんでる役。これは『シェイム』とか『悪の法則』とか、あとは『X-MEN ファースト・ジェネレーション』の前半あたりでやってるような役。
もう一つは感情が読めない、というか何を考えているのかよく分からない役。これはもう『プロメテウス』『エイリアン コヴェナント』が絶品。

で、今作は基本的には後者のファスベンダーなんですけど、ところどころで前半のファスベンダーもチラ見えする場面があって、一粒で二度おいしいお得感があって非常に楽しかったです。
ずっとモノローグで仕事論を語ってて、その間はできる仕事人みたいな雰囲気を出してるんですけど、良く見たらそこまで一流でもないんですよね、この主人公。最初に暗殺仕事を失敗して、現場から逃げる間のめちゃくちゃ動揺してる様子とかすごくバタバタしてて格好悪い(笑)

編集のおしゃれさとテンポの良さも観ていて心地良かった。
ファスベンダーが車で隠れ家に向かうくだり、車が街中→田舎道→街中→田舎道って走っていくのを無造作に切り替えていくカットがあるんですけど、ともすると雑に見えかねないそういう編集も物語のテンポを勢いよく進めていくのに役立ってたりしててやっぱり上手いなーと思ったり。
ただこの映画でほぼ唯一のアクションシーンになってる、自分に向けられた追っ手との格闘シーンがほぼ真っ暗だったのはちょっと残念だったかなあ。数少ない動的な見せ場だし、やるならもう少しちゃんと見せて欲しかった気がします。

決して派手な映画じゃないんですけど、しみじみと上手いなーって感じる一作でした。あとThe Smithsの音楽もふんだんに使われててイイ!

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