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観た映画の感想 #116『ツイスターズ』

『ツイスターズ』を観ました。

監督:リー・アイザック・チョン
脚本:マーク・L・スミス
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル、アンソニー・ラモス、ブランドン・ペレア、モーラ・ティアニー、サッシャ・レイン、ハリー・ハデン=ペイトン、デヴィッド・コレンスウェット、トゥンデ・アデビンペ、ケイティ・オブライアン、ダリル・マコーマック、ニック・ドダーニ、キーナン・シプカ、デヴィッド・ボーン、他

ニューヨークで自然災害を予測して被害を防ぐ仕事をしている気象学の天才ケイトは、故郷オクラホマで史上最大規模の巨大竜巻が連続発生していることを知る。彼女は竜巻に関して悲しい過去を抱えていたが、学生時代の友人ハビから必死に頼まれ、竜巻への対策のため故郷へ戻ることに。ケイトはハビや新たに出会ったストームチェイサー兼映像クリエイターのタイラーらとともに、前代未聞の計画で巨大竜巻に挑む。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/101637/

「ん~今どきディザスタームービー?」って感じで正直舐めてかかってたんですが、ところがどっこいエンタメ映画としては今年ベスト級かってほど楽しめました。いやほんとに面白かったんですよ。

ディザスタームービーにまず必要な圧倒的な破壊の描写も日中、夜間、大嵐の中とバリエーション豊富かつそれぞれに大迫力で良かったし、竜巻を巨大なモンスターに見立てた主人公の『白鯨』的なトラウマ克服記としても観たいものを過不足なく見られました。あとはやっぱりねー、グレン・パウエルが良いんですわ。なんか自分の良さ、生かしどころを完璧に分かってる演技をしてるんですよね、最近の彼。具体的には好感度最低から始まって「あれ、ひょっとしてこいつ良い奴なのか……?」になっていく二枚目の役。ああいう感じの役どころが超絶似合う。特にちょっと嫌味な台詞を言ったあとにニカッと置き笑いを残して去っていく仕草、あれが今ハリウッドで一番似合う。

この口角ね

こういうセルフプロデュースの上手さに関してはきっと『トップガン マーヴェリック』で共演したトム・クルーズの薫陶を大いに受けてると思うんですけど、このままいくと冗談じゃなく未来のトム・クルーズ級の大スターになっちゃうかもしれないなあ。

この手の男が活きるのは勿論相手との掛け合いがあってのことなんで、ケイト役のデイジー・エドガー=ジョーンズの演技も良かったのは言うまでもなく。この映画全体的に90年代あたりのディザスタームービーの空気感を現代ナイズしたうえでとてもうまく残してるんですけど、グレン演じるタイラーといい雰囲気になりつつも決定的に恋愛にまでは(少なくとも映画の時間上では)至らない、同じものを追う戦友くらいの距離感にとどまってるのも良かった。

で、エンタメ映画として大満足の一作であったのと同時に、災害を扱った映画として観るとエンタメ一本調子ではない真面目な部分もあって。竜巻っていうと日本人としてはあまり馴染みがないけれど、これを「地震と津波」に置き換えると映画の中で起きてることって一気に身近なことになるんですよね。予測が難しくて、一度発生すると止めることもできなくて、通り道には甚大な被害を残していき、そこには災害で家や財産や家族を失った人がいて、そんな人たちに寄り添う人もいれば弱った人を更にカモにするような奴もいて……特に竜巻が過ぎ去った後のめちゃくちゃに破壊された街の描写がすごくリアルで、そこだけはエンタメ映画だってことを忘れて息を飲んでしまいましたね……

その点で言うと、ケイトの”元同僚”であるハビの存在感もものすごく良かった。かつてはケイトと同じものを追いかけていて、ケイトと同じトラウマも抱えていて、竜巻を解明したい・竜巻の被害を抑えたいという思いは同じだけどやり方が違っていてすれ違いがあって……という。難しい役どころだったと思うんですけど、演者のアンソニー・ラモスさんがまたすごく良い演技をしていて。彼もこれからもっといろんな映画で活躍を見てみたい俳優ですねえ。


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