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観た映画の感想 #51『プー あくまのくまさん』

『プー あくまのくまさん』を観ました。

監督、脚本:リース・フレイク=ウォーターフィールド
出演:マリア・テイラー、ニコライ・レオン、ナターシャ・ローズ・ミルズ、クレイグ・デイヴィッド・ドーセット、他

楽しい冒険に満ち溢れていた日々は終わりを迎え、青年になったクリストファー・ロビンは、大学進学のためプーとピグレットを森に残して旅立っていった。時が経ち、婚約者のメアリーとともに100エーカーの森に戻ってきたロビンは、そこで血に飢え野生化してしまったプーとピグレットの異様な姿を目の当たりにする。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/99202/

パブリックドメインになるとこんな無茶もできるようになるんだなあ……

「原作の著作権が切れた」って聞いた時に「えっ、あのディズニーに著作権切れなんて概念あるんですか!?」って思ったくらい、原作が絵本だって知識もなければディズニーアニメ版への強い思い入れがあるわけでもなく、正直に言ってしまえば「こんな映画が映画館でかかってる時に観に行かないで一体いつ観るんだ!」という面白がり方をして行ったわけです。まあ、あまり褒められた面白がり方と言われればぐうの音も出ない……

ちなみに、地元のシネコンでは予算の規模とかジャンルにしては結構な回数が上映されていて、僕が観た回は(比較的小さいほうのスクリーンとはいえ)かなり席が埋まっており、客層も若い人達が多数派でカップルで来ている女性客なんかも多かった印象。これもディズニーの影響力なんですかね?

で、内容に関してはまあよくあるB級スラッシャーだなあ……ということに尽きるんですけど、やりたいことはちゃんと伝わるし、思ってたよりもずっと真面目に作ってたのも分かる。少なくともあとしまつよりは全然まとも。
(あとしまつと比べたら大抵の映画はまともになってしまうという問題はあるけども)

勿論ツッコミどころはいくつもあるんですけど、最大の問題はプー(とピグレットも)がヒトにしか見えないところだと思うんですよね。単純に予算の問題もあるだろうし、あとはディズニー版の『くまのプーさん』を想起させるような内容にしてはいけないっていう権利上の問題もあったみたいで、

Q.ディズニーへの配慮はありましたか?
A.はい。1926年に出版された本からインスピレーションを得たものだけを使用し、それ以降に作られたものは使用しないようにしなければなりませんでした。ディズニーの解釈とは、アニメの中のプーさんの行動や態度、声のトーン、赤いシャツなど、ディズニーが解釈したプーの作品で生み出されたものをすべて含みます。

劇場パンフレットの監督インタビューから引用

それにしたって体形も人間だし、野生化したって割には人の殺し方もやけに手が凝ってるし、クリストファー・ロビンを人間がやるような拷問にかけてるし……顔の被り物っぽさとかも含めてプーさんのコスプレをしたシリアルキラーにしか見えないんだよなあ……っていうのはずっとついて回る。そうなると当然の流れとしてこれプーさんでやる必要あったか……? って気持ちも芽生えてくるわけで、こう考える自分といや、これをプーさんでやり切ったことを褒めるべきなんだ……! っていう自分が光と闇の果てしないバトルを繰り広げている状態。

でもやりきったことを褒めるべきだとは思う。結構本気で。
あとは今後増えるであろう、この手の映画を観る時のスタンスを決められたのも良かったかなと思う。プーさんも早速続編が決まってるし、バンビのホラー映画も作る予定らしいし、シンデレラのホラー映画化のニュースなんかも最近あったばかりだし、

実はちょっと楽しみにしてる『マッド・ハイジ』とかもあるし。

こういう映画を面白がれるうちは心に余裕がある。たぶん。

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