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観た映画の感想 #22『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』を観ました。

組織からの依頼で殺しを請け負っている、ちさととまひろの2人は、ジムの会費、保険のプラン変更など、日々のお金に頭を悩ませ、いつものように途方に暮れていた。一方、殺し屋協会アルバイトの兄・ゆうりと弟・まことの兄弟もまた、お金の悩みを抱えていた。上からの指令ミスでバイト代はもらえず、正社員ではないため働いても満足した生活ができない。そんな現実を前に、お金が欲しい兄弟は、「ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、ちさととまひろの前にたちはだかる。
(映画.comより)

https://eiga.com/movie/98259/

あらすじの「日々のお金に頭を悩ませ~」の部分は前作の『ベイビーわるきゅーれ』でいきさつが描かれているので、そちらをご参照。前作を知らなくても比較的問題なく観れるタイプの映画ではありますが、観るとキャラクターへの愛着がより強く湧く映画でもあるので視聴をオススメします。
(これを書いてる時点ではアマゾンプライムで400円でレンタル視聴可)

で、今作を観てまずはっきりと感じたことが一つ。予算増えてる!(笑)
カメラのカット割りも長回しが減っていろんな映し方に挑戦してたり、単純に画質もリッチになってたり。僕は前作も好きですが演出等の面で少し観づらいな~と感じた部分も正直あって、しかしそういったある種の甘さみたいなものは今作でかなりブラッシュアップされていたと思います。

逆に、前作で良かった部分はより良く、濃度高い仕上がりなのも好印象。主役二人はもちろんのこと、水石亜斗夢さんの演技が前作よりも遥かにノリにノリまくっている田坂さんや須佐野さんをはじめとするサブキャラ、前作にもいた、若い子にピントのズレたコミュニケーションをとるおじさんとか、登場人物みんな見てて楽しいしどこかに愛着が湧く。

でも今回、個人的なMVPは前作からのキャラではなく、丞威さんと濱田龍臣くんが演じるアルバイトの殺し屋コンビ。彼らがほんっっとうに良かったんだ……

「普通の社会に上手く適合できない人間がそれしかできないから殺し屋やってる」みたいな構図って前作からちさととまひろが担ってたわけですけど、そうは言っても彼女らは言うほど切羽詰まってなかったと思うんですよね。
バイトしなきゃやってらんないよー! と言う割に本当に金に困って首が回らなくなるみたいな状況にはなってなかったし(むしろ結構悠々自適に暮らしてた方だと思う)、総合的には殺し屋ライフをエンジョイしてました。

そういう「どっこい生きてる」感というか、本当にどん底にいる人間の先の見えなさを担ってるのがバイト兄弟で、彼らの「正規の殺し屋になってもっと良い暮らしがしたい!」って彼らにとってはすごくポジティブな願望なんですよね。今回どっちかというと主人公よりもこっち側を応援したくなっちゃったくらい。
クライマックスの殺し合いのシーンは本気の殺し合いだけど、同時にスポーツの真剣勝負のような爽やかさもあって、普通の若者らしい生活を送ってこれなかった4人の遅い青春といった趣きで壮絶だけど泣けるんです……

アクションシーンも前作に続いて見事で、殺陣の組み立て方がカッコイイのは勿論、視点を不自然に揺らさないでアクションをたっぷり見せるカメラワークも良い。ここまでリアルに殺気が伝わってくるアクションシーンを撮れる邦画ってなかなかないんじゃないでしょうか。

オススメ!!


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