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0→1フェーズ好きの事業開発がオススメする漂流小説(SF含む)6選

人生を過ごすにおいて、自分の好みや趣味を言語化するのは重要だなーと最近よく考えています。

そんな中、趣味の方向性が合うママ友と「おしゃれなアウトドアよりサバイバルだよね」という話で盛り上がり、そういえば自分の原点は「無人島漂流もの」だったのではないかと思い至りました。

人絡みで怒られたり、嫉妬したりした時に、よく「本気で戦ったら俺の方が強い」と思う男子は多いと思いますが、「無人島でなら絶対お前より長生きできるのに」と幼少期より現在まで考えてるのって、嗜好性が強く出てるんだろうなと。

ちなみに妻にはこの話をすると、「眼鏡かけている時点で遭難したら死ぬだろ」と言われています。これは半数が目が悪い現代社会人にとってまったく夢がないですよね……

そういえば自分も漂流ものにピンとくるぞ!と思ったマニアックな方向けに、僕の人格形成にも影響を与えたオススメの漂流本を紹介します。

ちなみに漂流ジャンルの中でも、島にたどり着くまでや、水の確保、極限状態のサバイバルなど、0→1フェーズが好きです。なのでDASH島は初期好きで、反射炉を作り始めたあたりから興味ないです。

①十五少年漂流記

夏休みを、ニュージーランドの港で帆船に乗って遊んでいた少年たち。だが、舫綱がほどけ、船は外洋へと流れ出してしまった。嵐に遭いながらも、南太平洋を漂流した一行は、やがて見知らぬ島に流れ着く。十五人の少年たちを待ちかまえるさまざまな冒険の数々。勇気と情熱への熱い想いを若者たちに伝えるメッセージとして描いた、巨匠ヴェルヌ不朽の名作。

小学生の時読んで、僕の方向性を早くも決定づけた本。この本読んだ後、自分のクラス全員が漂流して殺しあう、というギャク調の不謹慎な小説を書いて、学校で回し読みされてました。この時の喜びが新聞記者だったりメディアに憧れるきっかけになりました。

ゴードン、ドノヴァンといった個性的なキャラクターが、時に対立し、協力し合い、といったサバイバルだけじゃなく政治模様を描いた小説でもあるのですが、一番印象に残っているのは、亀をとっ捕まえて解体して食べたり、アザラシを大量虐殺して油作ったりというシーン。8から13歳の少年にしては逞しすぎる描写に憧れ、いつかは亀を自分で解体して食べるんだと心に誓いました。

②蝿の王

原爆戦争勃発!イギリスから疎開する少年たちを乗せた航空機が、南太平洋の孤島に不時着した。戦争をよそに豊富な食糧に恵まれた無人島は大人のいない楽園にみえたのだが…。内部抗争から凄惨な闘争へ、漂流する少年たちは心の底にひそむ野性にめざめ、無益な殺戮をくり返す。極限状況のもとで獲得した新しい秩序とその崩壊をとおして、人間と社会のあり方を諷刺的に描く衝撃の名作。

「人間なんて蓋を開ければ動物と一緒だぜ」という偽悪的な思想に憧れていた、中学生の時に読んで印象に残った本。

正直、サバイバルでワクワクしたイメージはないんですが、「蝿の王」というこれまた厨二的タイトルと、邪悪版十五少年漂流記という触れ込みが、反抗期だった僕にはキュンと来ました。

③漂流

江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説。

30代になってから読んだ本。吉村さんは他にも戦前の黒部での超絶悲惨なトンネル工事を描いた高熱隧道や、北海道の三毛別熊事件をモデルにした熊嵐など、資料を基にしたリアルな、それでいてエンタメとして面白いドキュメンタリー小説が多いです。

上二つと違って、まあリアルです。蝿の王のリアルは作り話だよね、という感じ。

仲間の死因が食べ物の偏りによる病気だったり、運動不足だったり。最終的には神仏に頼り精神崩壊を防ぐなど、食事・健康・メンタルヘルスという、中年のおっさんに大切な三種の神器を改めて教えてくれる名著です。

僕も無人島行ったら適度に運動するようにしよう。

④タウ・ゼロ

50人の男女を乗せ、32光年彼方のおとめ座ベータ星第三惑星をめざして飛びたった恒星船。だが不測の事態が発生する。生まれたばかりの小星雲と衝突し、その衝撃でバサード・エンジンの減速システムが破壊されたのだ。亜光速の船を止めることもできず、彼らはもはや大宇宙を果てしなく飛び続けるしかないのだろうか…?現代SF史上に一時代を画したハードSFの金字塔登場。

ここからSFゾーン。中学の時から、ハヤカワSF文庫の水色背表紙と創元SF文庫の紫色背表紙を本屋で探すのが癖です。ファンタジー系はまた色違うんですよね。

漂流ものは、漂流している最中と辿り着いた先の話、基本2部構成になっていると思うんですが、この話は漂流メイン。というか、宇宙船がブレーキ壊れて減速できず、もう逆にスピード上げるしかねえ!という覚悟の決まった選択をとり、光の速度超えて周りの時間は一瞬で過去になるわ、宇宙の膨張のスピード追い越しちゃったりと、スケールが訳のわからないことに。

その間、船内での人間模様などあった気がしますが、全く記憶にない。

最終的に辿り着いた先、もはやこれは神話。

あんまり深みはないですが、ワンアイデアでここまで行くのが、SFのいいとこだなーと。

⑤ディアスポラ

30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。“コニシ”ポリスでソフトウェアから生まれた孤児ヤチマの驚くべき冒険譚をはじめ、人類を襲う未曾有の危機や、人類がくわだてる壮大な宇宙進出計画“ディアスポラ”などを描いた、究極のハードSF。

高校時代に読んだ、漂流ものというよりかノアの箱舟ものかも。人類がソフトウェア生命体になって自分たちをコピーし、地球亡びちゃったから、ちっさなたくさんの宇宙船で宇宙の果てやら高次元やらを旅するハードSF版マクロス。

用語や描写含め、キチンと数学的に裏付けがある理論が裏側にあるらしいんですが、もはや詩的にも感じられる地の文が呪文。解説が堂々と「わからないところがあったら気にせず飛ばしちゃうのが楽しむコツだよ」と教えてくれます。

タウ・ゼロをさらに超えたスケールとアイデア、そして読むドラッグ的な文の雰囲気で、飛ばし飛ばしでもどんどん頭が麻痺してきて、なんか中本を食べているかのように、楽しくなってきます。

ゴリゴリの数学系ハードSFですが、考えるより感じろ系

⑥火星の人

有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の赤い惑星に一人残された彼は限られた物資、自らの知識を駆使して生き延びていく。宇宙開発新時代の傑作ハードSF

マット・デイモンの映画の原作。

取り残されちゃった場所が火星。このマークがホント精神的にも強いやつで、前向きにもの直したり、ジャガイモ農業したり、よく言われますが火星版DASH村です。

その中で一番活躍するのがダクトテープ。ガムテープみたいなもので、住居の空気漏れ直したり、宇宙船修理したりともう超万能。

これに影響されて、今まで使い捨て消費主義だった僕ですが、靴を直したりSUPやインフレータブルカヤックが壊れても、ダクトテープで修理したりと、やっぱモノを直しながら使うって大切だよな、と一皮剥けました。



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