災害の時に思う事。

この国は “想定外”に メチャ弱い


ここ数日TVで繰り返される氾濫した川、冠水した道路、浸水した家の映像。
そりゃTV局からしたら“おいしい”画かもしれないけれど、
それを見る側にもなってもらいたい。
被災者がそれを見たらどう思うだろうか。
ストレスのたまる生活に、どのチャンネルをつけても同じニュースを延々と見させられるという更なるストレスを考えないのだろうか。
ましてや街や避難所に上がり込んでカメラを回す土足で踏み荒らすような行為はどうなんだろうか。普段は人吉・球磨なんて撮らないくせに。

被災地に行った事があるアピールをして、“政府にはしっかり対策をしてもらいたいですねー”と自分は椅子に座って言うコメンテーター、ニュース番組の司会者。
「命を守る行動を」と繰り返すけれど、それすら難しい高齢者や身体の不自由な人、その気力すら失った人たちはどうしろというのか。“自己責任”と切り捨てるのだろうか。“そこに住んでるのが悪い”とでも言うつもりだろうか。
「大雨特別警報」「特別大雨警報」「大雨警戒情報」「大雨警報」「大雨注意報」
違いがサッパリ分からないお役所言葉。専門用語。
「最大級の警戒を」と言われても、どうしろというのか。
「最大級の警戒」なんて、ずっと続けられるものでもないだろうに。
大雨が降ってもう何日も経ったのに未だに“激甚災害”に指定するかどうか調査するとか言ってる政府。


誰がどう見たって“災害”だろうよ。


コロナでも思ったけれど、動くのが遅すぎる上にフットワークも悪すぎである。
作業着を着て“視察”にやって来るお偉いさん方。
その汚れひとつない作業着は何のために着てるんだい?
“やってる感”を出すためならもう帰れ、来るな。邪魔だ。
本当に“被災者の心に寄り添う”というのなら、一晩くらい一緒に避難所で生活してみやがれ。
そしてこういう時に便乗してくる炎上系ユーチューバー。
再生回数0回とチャンネル凍結とかなって泣けばいい。
本心じゃないくせにこういう時だけマジなフリして本気で訴えてる動画を上げて熱弁するユーチューバ―。
なにかの角に小指をぶつけて悶えれた上にカメラを壊して泣けばいい。


週末からボランティア募集が始まるが、
生憎の雨の予報で難しいだろう。
そもそももう人の善意に頼るだけじゃ難しいんじゃないだろうか。
地震の際、ボランティアに行ったのだけど
週を追うごとにドンドン人は減っていくし、
終わった後にパンやお茶がもらえたのにドンドンしょぼくなっていくし、
段々待遇が悪くなって危険な現場にも行かされるしで散々だった。
そして汚れた服で家に帰ると家族にイヤあな顔をされた。


善意だけじゃもう無理だよ。


今後も色んな災害が起きるだろうこの国で、
災害が起きる前提で生きて行かないといけないこの国で、
ボランティア頼りじゃもうしんどいよ。
熊本地震の時、仕事が休みの日に福岡から来た人達と一緒になった事があるけど、
やっぱりしんどそうだった。
普段クタクタになるまで働いてるのに、交通費自腹して来る。
その余裕がこの国にどれだけあるだろうか。
非正規雇用でギリギリの生活を強いられてる人が増え、高齢化も進み体力がなくなってきてるこの国に、どれだけ余力があるだろうか。
何よりつらかったのが、ボランティアに行った先の人達に「ありがとうございます」と言われる事だった。
絶対しんどい思いをしてるはずなのに、それを言わせてしまうのが心苦しかった。本心からそう思ってるとしても。
そう言われて「いい事したな」と思うのも何か違う気がした。


だからいっそ、ボランティアにお金を出せばいいんじゃないだろうか。


海外では有償のボランティアがあるというし、
「いえいえ、お金出ますからー」という言い訳もできる。
ていうか、お金が欲しい。
「ボランティアのくせに何言ってんだ!」と言われそうだが、
交通費だって安くはない。作業もかなり大変だ。
無償では割に合わない。いっそお金くれよという気分に何度もなった事がある。
日給5,000円でいいからくれたら嬉しい。
また来ようという気にもなる。
災害の際、ニートや引きこもりがこういうボランティアに来てくれるし、
溜めて来た力を発揮してよく働いてくれる。
そこにお金が発生すれば、ニートや引きこもりを脱するための資金になるかもしれないし、
やっぱり働く事の喜びはやりがいよりもお金である。
ていうか、働く事の喜びなんて、給料日が来ることくらいしかないんだから。


・・・な~んて偉そうに長々語ってきたけれど
本当は分かってる。
政治家やお役人やコメンテーターに一生懸命考えたり思ったり頑張ったりしてる人もいるって事も。
大雨の中作業着を濡らして壊れた道路や橋を確認し、どういう計画を立てるか必死で考えてる人がいる。
TV用じゃなくて、本当に被災地を回って汗をかいている人もいる。
被災地に来て炊き出しをしたりボランティアに参加してる人もいる。
気象予報士達は、それぞれの言葉で何とか何かを伝えようとしてるのが伝わって来る。
だからこそ、その苦労や頑張りが報われる社会であってほしい。
そうした善意だけに、頼らない社会であって欲しい。
ボランティアにお金を出すでもいいし、災害復旧・復興専門の会社ができるでもいい。
こうした災害がこれからも起きるだろう世の中で、
善意だけに頼らない社会であって欲しいと思う。

あなたが読みたいと思ってた文章、書きます。