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ふくふく日記_240429~七尾旅人~

月曜日。昭和の日で祝日、大安。この日は絶対に記録しておきたい。そう思える素晴らしい出来事があった。

朝は少しゆっくりめに起き、まずはお気に入りの常滑焼の急須で緑茶を淹れて飲む。母親が取り寄せていて帰省するたびにくれる、うおがし銘茶の静岡産茶葉「にゅう。」という煎茶。これが、本当においしい。鼻に近づけるだけで、飲む前からいい香り。二番煎じまでしっかりお茶の爽やかな香りが楽しめるのもうれしい。

そして、朝ごはんのような昼ごはん。玄米ごはんに目玉焼き、納豆、キャベツを千切りにしてたっぷり入れたお味噌汁。友人からもらったデザートのような梅干し。食後にまた緑茶を淹れる。おいしい。ほわん、となる。

夕方、支度をしてお出かけ。青山にある能楽堂、銕仙会能楽研修所で開催される七尾旅人さんのワンマン弾き語りライブへ。これは「月見ル君想フ」という同じく南青山にあるライブハウスがプロデュースしているアコースティックライブイベント「緑光憩音(りょっこういくおん)」のプログラムのひとつ。まずは、能の本舞台という会場そのものが素敵だった。老松が描かれた鏡板の前には檜板が敷き詰められた本舞台、そこにこれから演奏に使われるギターやアンプなどがセットされている。開演までは、薄暗い場内に虫や鳥の声、水の流れる音が響き、初夏〜夏の夕暮れどきを思わせる演出が。待っている間に、もうすでに癒されるというおもてなしだ。そして、開演の19時少し前に早々と橋掛りから七尾旅人さん登場。トークもとてもおもしろくて、一曲目の演奏に入るまで何分かかったのだろう?笑 そして演奏が始まると、ただただ七尾旅人の世界に没入し、感動し、涙までするという清々しくも濃密な2時間が流れる。そこには、けっして嘘のない、七尾旅人の魂がこもった「言葉と音楽」が満ちていた。あぁ、この空間にもっといたい、もうここから動きたくないよ。そんな感覚になったライブは、初めてだ。

夜風に当たりながら夫と恵比寿まで歩く。そして「この時間なら並ばず入れるだろう」と向かったのは高知の屋台餃子で有名な店、えびすの安兵衛。すぐ入店できた。そこでビールで乾杯して気づく。あっ!七尾旅人も高知出身!意識せずに高知が生んだ宝を連続して堪能しているのだ私たちは!なんてまた感激したりして。お店では大好きなちくきゅう、酒盗、ポテサラ。さらに焼き餃子3枚と水餃子1枚をいただく。ホッピーも2杯ほど。

そうそう、アンコール曲も終わった最後の最後、舞台からはける前に七尾さんはマイクを通さず観客にこう言った。「今日は僕にとって宝物のような時間になりました。ありがとう」と。いやいやこちらこそだよ。おそらく今年イチは間違いないだろう。もしかしたら人生イチになるかもしれない。そんな、私にとって宝物のような一日をここに残しておこう。

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