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Day4・Day5: 未来の暮らしの仮説をみんなで育てよう



この記事は何?

こちらの記事は、北海道上川町役場とデザイン会社グッドパッチが行う、2050年の暮らしを手触り感のある形で上川町で暮らす方々と描き、そこから現在を思考するNo Limitsプロジェクトの公式アカウント記事です。

今回の投稿では、5月30日に実施した4回目のワークショップ内容(Day4)について共有します✨

詳しくはぜひこれまでのnote記事を読んでいただければ嬉しいですが、ここまでのプロセスでは、下記のステップを行ってきました💪

Day4・Day5は次のステップである「未来社会変化仮説」を対話をしながら育てていくステップです🚶
このステップでは、未来の暮らしの仮説について、みんなで対話をしながら広げていきます。

1. Day4・Day5の概要

Day4・Day5は普段はオンラインで参加しているメンバーも、上川町に集合し、オフラインで行いました。
会場は、上川町の交流&コワーキングスペースであるPORTOです。
PORTOは日々、放課後の小学生が集まっていたり、週末はマルシェが開かれたりと、上川町内・町外から年齢問わずさまざまな人がふらっと訪れ交流する場所です。


Day4の実施日はPORTOがお休みの日だったので、机を片付けて、床にカーペットを敷いて円になって実施しました。

Day4・Day5は、「未来社会変化仮説」を一人ずつ発表し、みんなで対話しながら思考を深め、広げる内容です。ここで、「未来社会変化仮説とは何か」をご説明します。


2.「未来社会変化仮説」とは?

Day3で「変化の兆し」についてご紹介しました。
詳しくは下記のnoteをご確認ください。

「未来社会変化仮説」とは、たくさん集めた「変化の兆し」を解釈し、どのような未来の暮らしがあるかを想像するステップです。
「変化の兆し」を土台にするため、集めた予兆が多いほど、ありうる未来の可能性は広がります。

今回のプロジェクトでは下記のフォーマットを用いて未来社会変化仮説を考えました。

このステップの注意点としては、未来社会変化仮説について「優劣をつけたり、取捨選択をしないこと」です。

ここでアイデアを捨ててしまうと、ありうる未来の中から、ありたい未来を紡ぎ出す作業において、メンバーの視野が狭まってしまい、未来自体も限られた範囲で考えることになります。ここでは恐れずに、いろんな未来の可能性を広げることが大切です😋


3. Day4・Day5の詳細内容


Day4・Day5では、考えてきた「未来社会変化仮説」をそれぞれ発表し、聞きながらみんなでポストイットにコメントを書いて話しながら理解を深めていきました。

それぞれ未来社会変化仮説のテーマも角度も全く違い、とても面白く感じました。また対話の中で注目するポイントや発想もそれぞれで、お互いの頭の中をのぞいているような、その違いを楽しむような時間でした✨


ここからは、未来社会変化仮説とコメントを、いくつか紹介していきたいと思います☀️


1つ目は、「医療現場でAIと人間が協働し、『手当て』と『対話』に重きを置いた看護が提供できるようになる」という仮説。
この仮説に対し、「人間側の時給が上がるのではないか」、「医療する側もされる側も人間的な生き方を取り戻せそう」、「看護してもらう人を選べるようになるのではないか」といった仮説があがりました。

おむつかえAIロボの「細江AI(ささえあい)」さんといったキャラクターの想像も生まれました。

また、「手当」について手触りを認識できるロボットの開発が進んでいることや、看取りを行うお寺があることも話題に上りました。

対話については、「対話が結局一番のエンタメなのではないか」といった意見があがり、それに対し、「一人でピラミッドに行って誰にも感想を伝えられない状態と、友達と喫煙室に行くのと、どっちが面白いんだろう」といった問いも生まれました🤔

また、「AIに素敵なことを言わせるセンス・スキルも求められるのではないか」、「〇〇さんがつくったAIといったように開発者が見えるのがよいのでは」といった仮説もあがりました。その方がAIの挙動の裏に人間味を感じられるからです。
将来的には、「生産者の顔が見える野菜」のように、「開発者の顔が見えるAI」が重宝がられるかもしれません。


訪問診療訪問看護の発達により病院で療養するという概念がなくなり、手術や大きな治療以外は基本的に日常の暮らしの一部として病気とともに生きることができる社会になる」という仮説です。

これに対しては、家が病室になることに対して、「トイレが家にあるのと同じように病室がある家がデフォルト」「119番を押すのではなく、家にナースコールがつく」「掃除がしやすいことが必要になりそう。家具が全部持ち上がって水で流せるとか」といった仮説があがりました。

また、病院に求められることが変わることで、「ディズニーホスピタルなど、病院がエンタメ化するのでは」「病院+何かの価値がないとやっていけなくなる」という意見があがり、そうなると「病院リノベーション事業が右肩上がりに伸びるのではないか」という意見にも繋がりました。


「美味しいものを食べることや健康のために運動することに時間をかけたいけれど現状は難しい。今後はヘルスケア時間が優先される社会になる」という仮説。

これに対しては、「集団の中の一人として会社の役に立つという思考から、個の人生の輝きを目指す人が増えているのでは」という意見がでました。そこから発展して、現状の自分自身を愛するセルフラブの話につながりました❤️

また、命の長さ、濃淡への価値観も人それぞれであるという意見がでました。長くのんびりと生きたい人もいれば、短く激しい人生を送りたい人もいます。また、「技術発展によりプロセスが圧縮されると、逆に人生の『より道・よこ道・まわり道』を提供するサービスが提供されるのではないか」という意見もありました。


「日々のごはんをみんなで食べることサービスの発展『フェッレスピースニン(fællesspisning)』市民食堂」のように、ひとりでも家族でもどんなごはんも選べる社会。みんなで日常のごはんを食べることが価値になるのではないかという仮説です🍚

『フェッレスピースニン(fællesspisning)』について詳細を知りたい方はこちらへ

この仮説に対しては、「コミュニティからは逃げられない。一人で行くイメージがわかず、友達や同僚といった場合に、結局その人たちと一緒にいることになるのでは」、「バーチャルの世界でも流行りそう」といったコメントがありました。


食料自給率の低下や食糧不足、また健康を維持することだけ考えると必要な食物は実は五種類だけといったことを踏まえてさらに仮説が膨らみ…

食事が生きるために必要な成分の接種作業になり、科学的に抽出した成分を効率よく取り込む「ディストピア飯」になっていくのでは?という仮説です。

「朝ごはんをたべなくて、昼はカロリーメイトで、夜だけたくさん食べる生活をすでにしている」と、すでに効率よく取り込む食生活をしている人もいました。「食事を選ぶのが面倒なので、選ばなくてよくなるとストレスフリー」だと、選ぶことの面倒さを解決するものとして、ディストピア飯をとらえるコメントも。

また、「普段の食には全く興味がなく、旅行や人と食べるときだけ大事にしている」「一人で食べるときでも”〇〇さんにお土産でもらったパン”とかだとコミュニケーションになる」など、食におけるコミュニケーションの話にもつながりました。

「酒の当てとしてごはんを食べている」というコメントに対し、「お酒が美味しく飲める完全食」とか「二日酔いをおさえる完全食」など、完全食に栄養だけではない「さらなる価値」を見出す会話にも発展しました🍺


多様性や価値観をどう認め合うのか、社会形成とは何なのか等、町のありかたに思いを馳せた結果、現実的に持続可能な都市形成を「密度の経済」から考え、持続可能な「まち」としてコンパクト・シティ(K@MIK@W)を発想されました。
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』や、『WALL・E ウォーリー』で描かれる町の姿にも刺激を受け、何が理想なんだろうかと考えたそうです。

これに対し、「ハムスターの小屋のように、施設や家がパイプで繋がっていたら楽しそうといった」意見がありました。冬場も雪で転ぶこともなくなるかもしれません🐹

また、「コンパクトだと、すごく便利だけど、今の上川町に感じるような魅力を感じないかもしれない。便利じゃないことも、いま楽しんでいるように感じる」といったコメントや「コンパクトシティは行政側の都合かもしれない」というコメントがありました。

話題にあがった『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』ですが、Day4に参加した7人中、観賞した2名が「観た方がよい」と推しており、ぜひ観てみたいなと思っています。


Day4・Day5の内容は以上にさせていただこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨

📣最後にご案内

1つ目の投稿がこちらです!

プロジェクトで目指すものや、「No Limits」というプロジェクト名に込めた思い、メンバー紹介をしています。
また終盤で、上川町とGoodpatchの紹介もしていますので、よかったら読んでみてください📕


2つ目の投稿がこちらです🌞

1回目のWS内容と、SFとは?SFプロトとは?について紹介しています。

3つ目の投稿がこちらです🐻

4つ目の投稿がこちらです🐈

また、少しでも興味を持っていただければ、気軽にご連絡いただければと思っています✨!
「全部は関われなくても、ちょっとだけ関わりたいな」、「どういうことかいまいちわからないけど、興味がある気がするな」という方はぜひ、お気軽にX(Twitter)のDMよりご連絡ください✉️!!


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