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眠るために生まれた、孵らず消えた行方


きみと会うより前の私は、生まれてないだけの青い虫なのです

弱いから、なんにも守れやしなくて
酔いはまだ、ほどくことができない

世界を変えると誓った
ただ誰しもが勘違った
私は既に変わっていた

強いもののために選んだら
弱い私を置いていくんだね
それでもいい、失う未来を
守ることをあきらめないで

傷口のようなニュースのタイトルを
片っ端から引き剥がして退屈凌ぎを
朽ちた桜はまだ蕾のままで
片隅に散りばめられていた

見えない翳りにとらわれて
いったいなにに追われてるの?
奔走し、振り返らずに
翻弄す、隣の窓は白い

本当に見えたものだけを信じるとするならば
煩雑に見たことのないものを犯罪者扱いして
削りくずのようになった爪でそれを殺しては
金輪際誰かを追い出すくらいなら
きみがそこから出なきゃいいから

春宵はさればこそみじかいのに
春眠はあけぼのを未知らぬふり

あの日、あの春には
もう二度と逢えない

儚くもきみの傍ら、こい願う、かたはれどきを過ごせる夢を

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