応援される存在であり続けたい。大人の島留学生による未利用魚加工事業【 No Fish No Life活動日誌 vol.5】
こんにちは!
未利用魚加工事業「No Fish No Life」のメンバーの乙川 翔太郎です。
自分たちは「使われないをなくす。〜自分たちで獲った資源への責任を持つ〜」というビジョンを掲げて未利用魚の加工事業に取り組んでおります。
このチームは2024年8月31日に結成され、そこから約1ヶ月経ちました。約1ヶ月活動することで、新たに見えてくるものがたくさんあったので、その報告をさせていただきます!
今週の活動内容報告
①魚種ごとのメニュー開発
今週の加工では、普段仕入れているイサキやカワハギに加えて、
名前にサメって書いてあるけど実はエイであるサカタサメも仕入れて加工をしてみました。
・イサキ
海士町ではイサキが多く取れるシーズンがあり、そのシーズンには大量のイサキが未利用魚になることが予測されます。イサキは栄養素を豊富に含んでいる他、脂質が少なく淡白な味わいがあり使われないことが勿体無いくらいのポテンシャルを秘めているため、どうしても商品化させたいと考えています。
前回、イサキを仕入れて加工したことがあるのですが、イサキには硬い骨が多く、圧力鍋を使った煮付けやフライでは食用にはできないほど骨が気になってしまいました。
今回は、前回の反省を踏まえて、小骨が気にならないように腹骨まで取った状態で、イサキ100%のフィレオフィッシュ作りにチャレンジしてみました!
実際に作ったイサキ100%のフィレオフィッシュの試作品は、骨は全く気にならず、味も「THE・フィレオフィッシュ」という味で素材の旨みが感じられおいしかったです。
商品開発成功!?かと思われましたが、揚げる時間が10分以上かかることや、腹骨まですいた状態にするのに時間がかかりすぎてしまうなどの課題感も同時に浮き彫りになりました。
うまくいかないことは多いですが、今回のフィレオフィッシュの試作品に関しては今後への期待感は持たせてくれたので、今後も諦めずにトライ&エラーを繰り返していければと思います。
将来的にはフィレオフィッシュバーガーのテイクアウトとかできたらいいですね!🍔
・サカタサメ
今回は新魚種であるサカタサメを仕入れて加工にチャレンジしてみました。
サカタサメを実際に捌いて加工してみると意外と捨てるところが多く、800gから取れた可食部は165gであり、過食割合はたったの20%程度でした…
改めてサカタサメが未利用魚になってしまう理由がわかった気がします。
しかし、実際に捌いて食べてみると味は絶品でコラーゲンを感じるくらい弾力がある歯応えで本当に美味しかったです。味が美味しいだけでなく血圧の調整や筋肉の機能に役立つマグネシウムやカリウムなどのミネラルも多く含まれることから市場からちゃんとした正しい情報を知っていただければ皆さんから求められるものになるのではないかと考えています。
・カワハギ
海士町の大敷さんがやられている定置網では小さいサイズのカワハギがかかることが多くあります。カワハギは簡単に皮引きすることができ、加工がしやすい魚種として知られているため、今後に向けてカワハギを使った商品開発を進めていきたいと考えています。
しかし、現状はこれといったメニューを作ることができず、どのようにカワハギを使っていくのかをまだ決められていません…
自分たちだけで考えていても突破口は見つからないので、色々な方にお話しを聞いてみると、海士町民の方はカワハギを味噌汁などに入れ、出汁を取るような使い方もされているとのことでした。
このように地元の方からも加工の仕方を教わりながら使用法を模索していければと思います!
②「まだまだ抽象度が高い。もっとシャープに。」
上記のような商品開発をする一方で、これからの経営指針を決めるにあたって大事な点である「今後この事業を通して何がしたいのか?」「誰を幸せにしたいのか?」という問について海士町アンバサダーで長きにわたって経営に携わっている水谷さんに壁打ちをしていただきました。
前回、水谷さんからいただいた4つの問いに対して自分たちなりに考え、
答えを出しぶつけてみました。上記の回答に対して、
「本当は食べられる栄養がある魚が使われていないことのなにが問題だと思うのか?」
「魚が持つ価値・可能性って何なのか?」
「誰に取ってのどのような価値なのか?」
などのフィードバックをいただき、全体としてまだ抽象度が高くぼやっとしているという感想をいただきました。
事業を作る際に外せないこととして
・曖昧で抽象度が高い言葉に逃げず、より具体的でイメージができるくらいまでシャープにする。
・ありたい姿などはより具体的でシーンがイメージするレベルまで考える
ということを水谷さんから学び、「抽象度が高い状態で事業を作っていくと、作り手にとっての自己満足で終わってしまう可能性が高い」ということを教わりました。
今の自分たちはプロダクトである「未利用魚の活用」ばかりに目が向いてしまい、「消費者側の解決できない明確な負」について思考が進められていないことを実感しました。
今後は今回の学びをもとに、より具体性を上げ、誰もが直感的にわかるレベルで「誰にとって、どのような価値をどうやって提供したいのか」を明確にしていきます。
その上で事業の成功確率を高めるため、自分たちと同じような取り組みをしている企業が世界中でどれくらいあり、その企業たちはどのような点で躓いているのかを調べ尽くすことが大事であると教わったので、宿題としてさせていただきました。
水谷さん、お忙しい中たくさんの学びを本当にありがとうございました!
③「とにかく早くやれ。早く行動することが大切だ」
また、別の日には海士町アンバサダーでパーソルホールディングス、HEROZ、SANU、ソーラーパートナーズで人事責任者を歴任されてきた桑原さんと、自分たちで開発したメニューの試食会を兼ねて今後の経営方針などについての壁打ちをさせていただきました。
商品の味に関するアドバイスから、今後事業を拡大していくうえで知っておいた方がいいことまで、多角的なご意見をいただきました。中でも、「とにかく早く動き、とにかく早く気づき、とにかく早く変化や適応することが大切」というアドバイスは、今後の活動においてスピード感を持って行動することの重要性を改めて認識しました。
最近、いろいろな方とお話しさせていただく中で、自分たちの活動はたくさんの方に支えられて成り立っているということを身に染みて実感しております。応援してくださっている方、本当にありがとうございます!
④「今の現状の仕事をおろそかにしてないか?」
先日、上司の方とお話しする機会があり、それが改めて自分たちの活動を見直す機会になりました。自分たちNo Fish No Lifeのメンバーは普段、異なる部署で業務に取り組んでいます。
その業務の傍ら本活動も行なっているのですが、自分たちの活動を見守ってくださっている上司の方から「最近、今の現状の仕事をおろそかにしてないか?」というご指摘をいただき、未利用魚の活動も含めて、自分たちの全ての活動が中途半端になっていることに気が付くことができました。
自分たちの活動には「応援してくださる方」の存在は不可欠です。
そのような状況の中で「一度、すべてやる」という覚悟を決めたのにも関わらず、当初決めたことをやりきれず中途半端になっていることは絶対にあってはならないことです。こんな適当な行動をしていたらもう誰にも応援してもらえず、結局全ての活動が中途半端のまま終わってしまいます。
そうならないためにも、今後は「言い訳をせず全てのことに全力で、背中で姿勢を見せる」ということを意識します。
その上で日々の業務への取り組みの姿勢を変えることで「応援され続けれる存在」になるために、全ての業務に対して全力で取り組みます。
この機会を踏まえて自分たちが掲げている行動指針に
「応援される存在であり続ける」を加えることにしました!
このような大切なことを気づかせてくださりありがとうございました!
感想
今週は、壁打ちやミーティングを多くさせていただいたことで自分たちの甘さと未熟さを実感する1週間となりました。
現状の自分たちは、
周りの環境に甘えていること結局誰かが助けてくれるだろうと受け身の姿勢で活動していたこと
口だけで行動が伴っていないこと
など、覚悟の甘さ故に、妥協してしまっていることを痛感しました。
このようなまだまだ未熟な自分たちに対して、
的確なアドバイスをくださる方
頑張ってと応援してくださる方
もっとやれるぞと喝を入れてくださる方
など、たくさんの優しい方に囲まれながら活動ができていることが素直に嬉しく、このような方達の期待を裏切らないよう、今後はこの反省を踏まえより一層気を引き締めて活動していこうと思います。
改めて今後とも「No Fish No Life」をよろしくお願いします。
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