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オリジナルミュージカル

「アゲイン!」

さて、今日は今作に関しての
思ってることをつらつらと綴っていこうと思う。

いつものごとく脳内の整理を兼ねているので
支離滅裂はご容赦頂きたい。

企画について

発端は2019年2月に遡る。

この座組みがスタートのきっかけ

今では三越劇場などでプロデュースを
仕掛けているAlexand Stage企画の
12人の怒れるひとたち
で、僕らは出会った。

https://jyuuni-stage2019.amebaownd.com

稽古期間は2週間少し。

会話劇の金字塔と呼ばれる

を男女混成に脚色した作品だ。

舞台は2時間
全12人のキャストが出ずっぱなしという
他に類を見ない作品だ。
キャストは全て陪審員○○号と数字で呼ばれ
会話の中で各々が自己紹介するものの
全て本当かどうかはわからない。
殺人を犯してしまったと思われる
1人の少年に対しそれぞれの価値観や意見を対立させ一つの結論へと向かうお話だ。

詳しくはwikiを載せさせて頂きたいのでそちらから
ご覧頂きたい。

話を戻そう。

この作品において
とても濃密な稽古期間を過ごした僕らは
「いつか、同じメンバーでまた違う作品をやりたいね」
と言い、それぞれの帰路に立った。

当時は俳優としてしか活動していなかった為
いつ、誰が、どこで企画するのかも未定なままの
宙ぶらりんな約束。

時は立ち2020年人類はコロナに見舞われる。

No day but today in actは
2019年10月に発足した。
初公演は

ピンスポット 

この公演に
陽平と晴香に出演してもらい
僕の演出家としての人生はスタートとなった。

こちらはチケットにもなったポストカード
小森谷(最右)の左に陽平
下段センターに晴香

公演は小さい規模ながらも満員のお客様にご覧頂きとても良い時間を過ごした。

その後、ノーデイは公演を少しずつだが重ねて
今年3年目を迎える。

やっと冒頭に戻れるぞ…

さて、いつかと話したはいいものの
12人のメンバーはそれなりに忙しく過ごす人間が多く、公演にお誘いするもスケジュールが合わず集まれずとなっていたわけだ。

「いつか」と言うのは「行けたら行く」ばりに
信用度の低い言葉なので今回思い切って
今ではプロデュースなども手掛ける晴香に声をかけたのは去年(2021年)の8月だろうか。

ストレートプレイや古典など企画を進めていた僕は新たにミュージカルに取り組みたいと思っていた。

「晴香、来年一緒にミュージカルやらない?12人のメンバーに声かけてさ」

(さらっと言ったつもりだが
中々勇気を出してみたのだよ。)

ここが最も尊敬すべき晴香の良いところなのだが
「えっ!いいよ!面白そう!」
2つ返事だった。

持ちかける→承諾があまりにも早すぎて
できたら良いなの僕の気持ちは一気に
「出来る!」
に切り替わった。

演出をした事のないミュージカルと言う未知の領域。でも、幼い時から憧れているミュージカルに関わる事。海外渡航で見た20本近くのミュージカル作品。
そして、漕ぎ出したわけですよ。

脚本は紆余曲折したが
オリジナルで行こうと決めた。

ありものよりも僕らにしかできない作品を、と。

脚本は陽平に頼むことにした。
12人以降
ライブ配信、映画脚本家、としても活動している独特のセンスを持つ若きチカラ。

何より僕の船出に快く力を貸してくれた陽平に感謝を込めて。

話を振ると陽平も
「いいですね。書きたいです。」
とノリ気になってくれた時の嬉しさは言うまでもない。

企画を打ち出したものの 

手探りから始まるミュージカル。
ダンスとかも好きだけど
僕の希望は
「全員で力を合わせて向かえるもの」
それから
「パッケージでなく心の芝居で作れるもの」

僕にとってミュージカルは
圧倒的に導線(ミザンス)が組まれている事が多い印象だ。だが今回はそうではない役者の意志と考えで動ける作品へのチャレンジがしたかった。

ゴスペル団や音楽団なども構想ではあったが
いずれもイメージがぴたりとこない。
キャスティングに関しても楽器を使える事やゴスペルが歌えかつ芝居経験豊富なんて役者は僕の守備範囲では限りなく少なく難しい。
とても悩んだ。

悩んだ時に思い出す言葉は
「人生において全て過去に準備は整っている」
誰が言ったのかは知らないが自分を振り返ってみた。


振り返るとそこには合唱があった。

日本の学校の伝統文化 
合唱コンクール、入学式、卒業式も合唱だ。

「これだ…!」と思った。

大学時代、声楽を勉強していた晴香も賛同してくれ、無事に進路は決まった。

そこからは原案を考える日々 
「学生ものはもうチャレンジした」
「ファンタジーにはしたくない」

うーん。難しい。

あれ?
そういえば昔、市民オペラの演出補佐として勉強させてもらったな…

「市民合唱団」なら色々な年齢層も出る…!

と、アゲインの原型ができたわけだ。

そこからは早かった。

主役は主婦がいい。

男性と女性しかいない世の中は
子供を産むと言う都合上、女性が子育てを強いられる事が多い(偏見かもしれないが。)男はいつまでも夢見てられるよねなんてことを言われた事もある僕は何も言い返せなかった。

でも家族を支えてるのは間違いなく主婦だ。
そんな、主婦が奮闘しながら自分のやりたい事を追いかけるなんて素敵じゃないかと。

折角だから親子関係や人間関係、夢との折り合いのつかなさも入れたいなと。

そんなこんなで出来上がったのがこの作品です。

あらすじはこちら

夫の他界から10年、海野マチコは忙しくも退屈な日々を送っていた。目先のことに流され、自分が本当にしたかったこともよくわからない。何よりも大切にしてきたはずの一人娘ハルコは一人暮らししたいと言う。そんな時、日課にしていたラジオ番組で高校時代の親友ユキの華々しい活躍を知り、10年前頓挫してしまった合唱団の再結成を決意する。かつてのメンバーや、超初心者、怪しい新顔まで集めて大胆な再スタート…そこまでして頑張るのは、一体何のためだっけ…?

脚本も完成し
キャストも揃った。

毎日に疲れる主婦
1人の道を選んだ親友
その2人をみつめる女性
母親に辟易する子供
その親友たち…
欲求に邁進する男の子軍団
娘とはなれてしまった孤独な老人
演歌好きな陽気なおばあちゃん
好きだけどうまくできない音痴の男
初心を忘れた会社員に
傲慢な新人
やる事を見失った青年
子育ての苦労を今まさにしている母親たち
将来を悩むアルバイト…

何かを抱えた人達が
一つの合唱と言う答えにどう向き合っていくのか。

稽古が今から楽しみで仕方ない。

どうか、コロナや事故、怪我、天災に見舞われず

千穐楽を迎えられますように。

「アゲイン!」

始まります!!
どうか、ご支援、ご観劇
宜しくお願い致します。

No day but today in act
主宰 小森谷朋基




















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