【講演レポート】Glicoが「求める人財の採用」のために取り組む採用マーケティングを解説!
本日は2022年7月28日(木)に、江崎グリコ株式会さまと実施したウェビナーをレポートでご紹介します。
登壇者のご紹介
江崎グリコ株式会社 グループ人事部 採用グループ
藤川 裕真 氏
株式会社No Company 代表取締役
秋山 真 氏
採用を取り巻く概況の変化
秋山:ここ2、3年はコロナの影響もありましたが、採用活動において変化は感じますか?
藤川:今の学生はInstagramやYouTube、TikTokなど多くのSNSを駆使しますよね。「ググって調べなさい」と言われていた時代は、大手ナビサイトが強かった印象でした。
秋山:学生は企業の採用サイトだけでなく、SNSや口コミサイトでどう語られているかまで見ていますし、色々なメディアから情報取得をすることで企業を知ろうとしてくれていますよね。
藤川:最近ではLINEのオープンチャット上でも面接時の内容などが即座に共有されていくので、情報を取得するまでのスピード感が上がっていることも大きな変化かもしれません。
秋山:オープンチャットの情報だけで、企業の印象が作られてしまうのはもったいないので、企業側もサイトやSNS上できちんと情報を発信していく必要があると考えています。ただ、どのSNSでどんな情報を、どんな人に届けていきたいかの設計まで行うことは大切です。
藤川:SNSごとに利用層やツールの特性が違うからこそ、同じ情報でも受ける印象が異なってくる場合があるので、それぞれのSNSにあわせた発信の仕方は重要ですよね。
秋山:学生が求める情報にも変化はありましたか?
藤川:「稼ぎたい!」や「昇進したい!」といった考えだけではなく、自分の仕事が誰かの役に立っているか? など社会課題への感度が高い学生が増えた印象を受けます。企業側も、この会社でどう成長できるかだけを見せるのでなく、この仕事がどう社会や世界と繋がっているのかも見せる必要性があると感じます。
採用ブランディングの実施に至った経緯
藤川:当社は食品を通じて国民を健康にするという想いのもと生まれた企業で、グリコーゲンをキャラメルに混ぜ込むことで国民に広く栄養補給してほしいという想いから始まっています。しかし、このような創業の歴史や健康への想いはあまり知られていなかったため、100周年を迎えたこのタイミングもあり、原点回帰の気持ちで改めてしっかり発信していこうと考えていました。
秋山:他の企業でも、1つの製品のイメージが先行してしまい、本当に伝えたいことや、意外な一面が伝わりにくいという課題をよく聞きます。
藤川:Glicoも、取り扱っている製品のイメージは持っていただけているのですが、働く場所としての企業イメージはなかなか持っていただけていないという課題がありました。
求める人財像を設定
藤川:まず、求める人財像を再整理しました。大学までにどんな経験をして、大学ではどんなサークルに入って、就活ではどんな思考で動いているんだろうというペルソナの設計を行い具体化させました。
秋山:求める人財像を設定すると「本当にこんなスーパーマンはいるのか?」という困惑が生まれることもあると思うのですが、設定後もギャップがなくしっかりと使えるものにできた工夫はありますか?
藤川:求める人財像は職種ごとにも若干変わるので難しかったのですが、これらは変わるものという前提で進めました。必要な要素ができたら増やし、職種ごとにも+αしていく想定です。またフェーズごとにも変更点は生じますので、最低限、必ず必要な共通項を設定しました。
秋山:人事部内のみで設定したのではなく、経営層や各事業部門とも連携したのでしょうか?
藤川:経営層からは明確に欲しい人財のイメージを聞いていて、これは今でも定期的にディスカッションを続けています。各事業部にもどんな人財がほしいか? どんな人が活躍しているか? などインタビューを行い、共通項を見出しました。他にも、ペルソナとなる学生がどんな投稿や記事に共感をしたり、いいねを押したりしているのかを知るべくSNSを含めた調査を実施しました。
秋山:SNS上の調査はまさにNo Companyが強みとする部分ではあるのですが、SNSに着目したきっかけは何だったのでしょうか?
藤川:Z世代を含めた候補者の価値観をしっかりと把握したかったという点は大きいです。どういった価値観や想いを持っているのかを知らないと、アプローチも難しいと考えていました。Glicoのパーパスや強みなどと、調査で出てきた共感ポイントをかけ合わせながら、伝えることの整理を行い、コンセプトコピーの制作や採用HPのリニューアルなどに活かしました。
秋山:ターゲット設計の段階ではありますが、現時点ですでに感じている変化や影響などはありますか?
藤川:採用チームで話す際に、ESや面接等で学生のどこを見たらいいかが明確になったため、話す内容に変化がありました。あの人のこういった経験はGlicoが求めるペルソナに近いかもなど。また、内定フェーズで見ると、今までは食品系を受けている学生さんが多かったのですが、コンサル系の企業などが競合として出てくるようになりました。
秋山:母集団に多様性が出始めているのはいいですね。
今後の課題や展望
秋山:現在感じている課題や、次に取り組もうと思っていることはありますか?
藤川:我々採用チームは、経営層と現場とを繋ぐハブになることが役目だと考えているので、お互いの意見を汲み取りながら、ベストな解を導き出していきたいです。そのためには、もっと他部門を巻き込む必要があると考えています。例えばリクルーター制度などを設け、採用チームだけでなくそれぞれの部門が採用〜育成まで関与していくなど、採用チームがハブになることで、全社採用を推進していきたいと思っています。
質疑応答
ーー採用HPをリニューアルする上で気をつけた点はありますか?
藤川:言いたいことを言うだけの一方通行なコミュニケーションはやめようと決めていました。学生たちが何を求めて来てくれるのかを把握した上で、提供できるものを確実に掲載することを考えました。他には、更新頻度を高くすることです。今までは年に数回だったのですが、社員インタビューやプロジェクトヒストリーなどの記事を月に1度のペースで更新できるようにしていきたいと思っています。
秋山:No Companyでも自社イベントの際には、数百人規模で学生にアンケート調査を実施していますが、情報収集の際に最も見られている媒体は採用サイトという回答が多いです。採用サイトの情報を更新頻度高く運用できると、学生に刺さりやすくなるかもしれません。
ーー施策がうまくいかなかった場合の撤退ラインなどは設けているのでしょうか?
藤川:現時点ではKPIやゴールを設けていません。採用HPのリニューアルにおいては、発信数やView数をKPIに入れてしまうと、数字に目が向きすぎてブレが生じる懸念があったからです。ただしコンセプトと受け皿となるHPができたので、これからの発信のフェーズにはKPIを設け、PDCAを回していきます。
お知らせ
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