忍者、事務職はじめました Vol.8
社長さんが出張から帰ってきたその日、私は久々に出勤しました。
「ハヤクジさん、おはようございます」
「あ、社長さん、あ、シャ社長、チョウさん」
「先ほど、ウカミさんから聞きました。まだ体調が悪いのですか?」
「あ、いいえ大丈夫です。体調というか、メンタル的な部分といいますか」
「それは大変です!入社早々、頑張りすぎてしまったからではありませんか?」
「そういうことではないのですが、今日は仕事を頑張ります!」
「では、今日もお願いします」
そして私は、社長のシャ・チョウさんと2人っきりになりました。
「あの、いいでしょうか?」
「はい?どうしましたか?」
「はい、あの、事務職の仕事について、実は私なりに思うところがありまして、聞いていただきたいといいますか」
「是非、聞きたいですね」
「ありがとうございます」
私は、事務職の仕事は、単純に入力作業をしたり、コピーを取ったり、そんな単純な仕事ではないと考えています。
事業を経営していく際に必要とされる庶務や雑務、それが事務職の仕事です。
庶務や雑務であるため、単純作業が多く、誰にでもできる仕事だと思われることが多いです。
しかし、その全ての作業には意味があり、それが事業経営に欠かせない作業なのです。
また、現場をサポートしたりアシストしたりするポジションでもあります。
現場の職員が事務職にとっての顧客と考えることもできます。
つまり、従業員満足度を向上させることが、最重要ミッションとなります。
忍者である私は、このミッションを達成するために仕事をしています。
「私は、事務職の仕事を、こう考えていますが、いかがでしょうか?」
「ハヤクジさん、素晴らしいです!私の考えていることと、本当に似ています」
「それは嬉しいです。やっぱり、この会社に入って良かったです」
「ところでハヤクジさん、出張でもらった領収証がたくさんありますので、入力作業をお願いします」
この日、私は、単純な入力作業に追われることとなりました。
それから私は、主に単純な入力作業をしながら、少しずつ新しいことも覚えていきました。
また、今まで職場で使っていたデータも、少しずつ改良を加えて、今までよりも効率的に作業ができるようにしました。
事務職は、作業の効率化を誰よりも目指さなくてはいけません。
その分、コスト削減に繋がるからです。
事務職がコスト削減をし、営業職が売上を伸ばすことで、利益率の向上に繋がります。
世の事務職の方は、この辺を意識するだけで、もっといい仕事ができるのではないかと、私は考えています。
現代には、物は溢れていますが、時間の足りていない人が多いからです。
そうこうしている間に、フリータイムアローン株式会社へ入社してから、3ヶ月が経過しました。
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