忍者、事務職はじめました Vol.11
社長さんをタクシーに乗せ、帰宅させた我々は、店で飲み直すこととなりました。
社長さんは明日、出勤できるのだろうか?と心配はしていましたが、皆さんとの楽しい時間を優先しました。
「ハヤクジさんって、お酒に強いですね」
「いや、皆さんもお強いと思いますよ」
「まぁ、私達はほら、営業だから、接待で飲む機会が多いのよ」
「シックがウォーリーだけどね」
「カマイさんは、一度倒れてますからねぇ、飲み過ぎないでくださいよ」
「ドントウォーリー、ビーハッピー、ウカミ」
飲み会というのは不思議です。
誰かが何も質問をしていないのに、どんどん話題が変わりながら会話が進んでいきます。
そして、皆さんがとても楽しそうで、笑顔がイキイキしています。
「皆さん、歓迎会というものは、毎日やってはいけないという決まりがあるのですか?」
心の声が外に出てしまったようです。
「え?ハヤクジさん、何言ってるの?」
「え、何か?」
「いや、ハヤクジさん、今、歓迎会を毎日やっちゃダメなルールがあるのかって?」
「え?そんなこと言ってました?」
やはり、とぼけて誤魔化すことは無理でした。
「いやぁ、なんか今日は楽しいなと思ったので、つい口に出てしまいました」
「うん、そうよね。私も今日は、久しぶりに楽しいわ」
「まぁでも、普段頑張っているから、こういう時に楽しいと思えるんじゃないですか?」
「なに、ウカミくん、先輩に説教かしら?」
「いえ、そういうわけじゃなくて、でも、何かそう思ったんですよ。勘弁してくださいよぉ、オンミツさん」
本当に、この人達と一緒に働けることが楽しいんだと思いました。
あの公園で社長さんと出会わなければ、こんなことにはならなかったわけで。
奇跡に乾杯!
の乾杯のところで、本当に乾杯をしてしまい、また皆さんを驚かせてしまいました。
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