今が、この時が愛すべき記憶になるだろう。
5月のよく晴れた日
夏木立のような日…のこと。
息子が家にお友達を連れてくるときがある。追いかけごっこ、サファリごっこ、お医者さんごっこ、大丈夫かしら?という奇声をあげながら遊んでいる。
どうやら、テンションが上がりすぎてしまうらしくお友達から「うるさい」言われたりしている。どうも自宅だとリラックスして素が出てしまうよう。
その日は、校区の端と端で離れている場所に住んでいるお友達が親御さんの送迎で初めて家に遊びに来てくれる予定だったから、ママは朝から丁寧に掃除をしていた。
玄関の掃除や植木のお世話を終わり、ふと、図書館で借りてきた本が返却期限を過ぎてしまったのを思い出して、地域の古い図書館へ向かう。
コツコツ…コツ。
ぺたんこだけれど、ストラップサンダルを履いてきたので歩くたびに音が鳴ってしまう、そーっと歩こう。
本の匂いをマスク越しに感じた時、急にマックのポテト🍟が食べたくなった!ん〜〜、非常に食べたいっ!本とポテトに何の関係もないのに不思議だなと、これまたご近所のマックのドライブスルーへ。
お昼どきだからか、平日なのに混んでいて5.6台の車が並んでいた、ナゲット15ピース390円の誘惑を断ち切りポテトのみ注文する。受け取り口に向かい、ふと前の車の様子が目に入ってきた。
運転席に座っているお父さんが、後部座席に向かって何度も振り返ってはソフトクリームを子供に舐めさせている。他にも注文したのだろう、
受け取り窓口を気にしている。あ〜、まだソフトクリームを自分で持って食べたらベッタベタにする年齢のお子さんなんだな。息子もそんな時があったな…
そのお父さんとむかしの自分が重なって見えた。あの時期は大変だったな、ソフトクリームを食べるだけで、一苦労だったな、今は一人で食べているな。
大変だった、もう2度と出来ないと振り返るけれど写真の中のわたしは幸せそうなんだよね、こだわりがあって買い物にも工夫がいって、それでも行けない日もあったけれど、
あの日々を、きっと、おばあさんになった私は愛すべき記憶として大切に思い出すだろうと思った。そして、今、息子が小学校4年生で、
お友達と遊ぶのに、お友達のママからLINEがきてやり取りをして予定を立てて、遊んでいるのを耳で見守ったり、息子が雄叫びをあげたら注意に行くのも、
宜しくと、お友達のママさんからシャトレーゼのゼリーの詰め合わせをいただいて、あら?お返しはどうしよ?と悩むのも。
お友達のママさんが、「息子くんと遊ぶのを楽しみにしていて、お家に行きたい!何回も言ってきていたんです。」大きな声を出したり、ヤンチャだったりあるかもしれない。どうぞ、宜しくと仲良くしてくれて、ありがとう。と言ってきてくれたことも。
その子は学級委員になるようなしっかり者である。えっ?どーいうこと?いやいや、こちらこそ学校でも優しくしてもらって、いつもありがとうと返したことも。
お互いが「ありがとう」と言って子供たちが楽しそうな様子に嬉しい気持ちを共有出来たことも。
もしかしたら、わたしは普通になることに厳しすぎたかもしれない。
息子が友達が遊びに来るというのに、一緒の通学団の女の子とお喋りして帰って来ず…宿題を終わらせてからと言っているのにまた約束を守れない、守れたためしがなく、
取り組んでも、算数の問題が分からないと怒り、かといってママとやりたくないと頬をふくらませて、やはり教えて、やっぱ抱っこしてからやる。と言ったかと思ったらコロコロの薄い付録漫画を隠し持ち読んでいて、
「あ〜〜宿題が先でしょ!」注意しやめるが、目を離した隙にまた読んでおりちっとも宿題が進まず、夫が帰って来て今日も宿題を終わらすのに大変だったとぼやく。
それが、その大変だとぼやいてることが、その全てがたまらなく愛おしい記憶になるんだろう。自分に厳しすぎたことも、息子がのんびりさんなことも。ぜんぶ。
わたしは、今、幸せなんだね。
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