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喋らないものは美しい

以前、おばさんとは、聞いてもいないような、要らないことを言う人のことだと書いたけれど、逆に、余計なことを言わないものが美しいと思う。

その理由は、自分で勝手に都合よくその対象を解釈できる余地があるからだ。

たとえば、動物(ペット)。

我が家の犬は当然ながら人間の言葉を話さない。

だから犬本人が、怒っていたとしても、だるいなあと思っていたとしても、眠いなーと思っていたとしても、黙って真顔で座ってれば、人間は「かわいいねー(なでなで)」という感じで可愛がってくれる。

しかし、もしそこで犬が喋れたとして、「うるせー黙れ、触るな!俺は眠いんだよ、ほっといてくれ。」なんて言おうものなら、人間側は「なんだこいつ、かわいくねーな。」と思うだろう。

ペットが可愛がられる理由の一つは何も言わないからだと思う。

黙っていて、余計なことを言わないから。

ミステリアスで物静かな人が魅力的に見えるのも同様の現象だと思う。

どっちも、余計なもの、自分の見たいところとは違う側面を見なくていい。

自然も何も言わない。

公害で汚染されても、海がプラスティックで溢れても、森林が減っても、何も言わず、静かにそこにあるだけ。

私が日常を送る中で(プラスティックを使い捨てたりエアコンをガンガンにつけたり)自然破壊に加担しつつも、自然がわたしを責めないゆえに罪悪感など一切感じず日々を過ごし、一方で、自然の美しさを愛でて、このままの美しい自然世界が続くことを望む。

都合のいいところだけ切り取とって、都合のいいように妄想する。


都合よく見たいものを見て、見たくないものを見ないのがわたし(たち)にとって、気持ちいい、心地いいのだと思う。
残酷ながら。


最後まで読んでいただきありがとうございます。 また見にきてくれると嬉しいです!