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一年のアメリカ留学を終えて🇺🇸🇺🇸🇺🇸「解決策を出す」じゃなくて、「一緒に怒る」ということ。

"No you just gave me a solution, I want you to get angry with me"

プロローグ

はじめまして、アメリカで留学中にボーイフレンドをつくった、ただの少女、KTです(笑)この特徴的な自己紹介は、のちのちのストーリーに繋がっていますので、ご勘弁ください。私は日本で生まれ、日本で育った、純日本人で、自分の思いをはっきりと伝えることができないという理由で苦しむことが多くありました。

今回は、私がアメリカで一年を過ごして、アメリカかぶれから、日本へのヘイトから、帰国後にはじめて見つけた日本・アメリカの良さ悪さに感激して、絶望して。そんな一連の感情の波を経験した私が振り返る。

つい先日、映画『君たちはどう生きるか』が公開されたこともあったことより、自分の想いをまとめたいとの想いもあり、日本を出国してから約一年、はじめての執筆をさせていただきたく思います。

留学経験のある方や、アメリカに行った事がある方、ハーフの方々はもちろん、たまたまわたしの記事を見つけてくださった方まで、どのように思うのか、気が向けばコメントを残していただけたら嬉しいです。それでは、始まります。宜しくお願いします。 


言葉の違いで、性格が変わる。

という話をたまに聞きますが、私自身、日本語で話している時よりも、まだまだ伸び代がありだらけではありますが、英語で話していた時の方が物事のよしあしをハッキリ相手に伝える事ができるようになる事を実感しています。

これは、私が個人的に、アメリカ留学中感じた一つのカルチャーショックでもありましたが、LGBTQや、政治を始めた様々なトピックに対して、人の目を気にするより “自分がどのような意見を持っているか” を大切にする、そんな価値観が日本よりも重視されていることを実感じました。

※もちろん個人の性格によるという事実は、置いておいての話ですが。

様々なトピックを友人と話し合って行くたびに、少しずつ自分の考えや話し方もハッキリしていくのを実感するのと同時に、私自身が、特にこのハッキリした意見が必要だと感じたのは、恋愛/友人 関係を築いていく時でした。

フランクに会話を初めて、相手との距離を縮め、定期的に新しい友人をつくることが得意な事です!

そんな自己紹介をしてもいいような外交的な性格を持った私ですが、弱みとして、恋愛については疎く、八方美人に育った私は、皆んなに好かれたいという欲がとても強く、そのために、人を傷つけたくないとの重いから、恋愛対して白黒つけるのがとても苦手でした。

しかし、留学中、あまり日本人のいない都市に留学をさせていただいた私は、いわゆる“レアキャラ”に見える事も少なくなかったようで、アニメが好きな人や、日本の文化に興味のある人が、私を恋愛対象としてアプローチしてくる事が多くありました。

その中で、わたしも「興味がないです」と、直訳すれば辛辣に感じるようなハッキリとした断りの文を、口に出して白黒つけるトレーニングをする事が多くありました。そして、その価値観は日本に帰国してからも、変わった自分の姿として残り続けました。

このハッキリした思いが、日本語を話すとなると、上手く表せずに、尖った剣先を相手にむけてしまうような話し方になってしまう事があり、この言語の違いと私のアイデンティティーについての混乱が続きます。

他にも、他の人の言動は気にしない、自分が生き残るために何をするか、などのガツガツした資本主義に魅了され、その中で、自分自身に冷たくなっていくのも感じました。

アメリカのいいところばっかりに目を奪われる中、日本に帰国するという事実がぐさりと胸を切り裂くように感じ、気持ちが沈んでしまう中で、“この気持ちを理解してくれる人はいないのではないか” そんな想いから、帰国後にはかつての友人に会って話す気も全く起きず、大切だった日本の友人はいなくなってしまった、アメリカでつくった友情とはさようならを告げざるを得なかった、そんな心の空洞から、自分自身が日本にいる意味も見失い、さらにネガティブな感情の連鎖が続きます。

そのような心の浮き沈みに向き合う気にもならず、どうしたらアメリカにいち早く帰る事ができるのか、と焦ってしまい、最近で言えばりゅうちぇるが自殺をしたとのニュースに対して、『妻と子供を残して、無責任な‼︎』と批判する同じ日本人の、死を目の前にするほど悩んだはずに違いない本人への心無い声も心に刺さり、“日本が大嫌い”、空を見上げては、こんな島国から出たい、と涙があふれ出る、そんな日々を過ごしました。

人に話せば、共感ではなく、『そんなの逃げだ』との矛先が降ってくるのが怖く、誰にも話せない状況が続き、自分で自分の想いを封じ込めました。

話しても意味がないとの絶望からの諦めと、日本への無関心の中で、わたしの体を動かしていたのは、再びアメリカへ帰りたいとの欲でした。同時に、日々ひたすら働き、心を空にするのがラクだ。と、今まで感じた事のなかった、自分の夢を達成することへの無関心と、仕事で疲れて、眠り、起きて、また働くというロボットのような生活が、

楽。

そんな感覚を覚えました。ここで、やっとわたしがなぜ今回、自己紹介を『アメリカで留学中にボーイフレンドをつくったただの少女です。』にした理由につながる本当のエピソードが始まります。

それは、つい先日のことでした。将来の進路を考えるとき、選択肢がある。それは、幸せでわくわくする事ですが、わたしは同時にとてもストレスを感じます。

帰国後は特に、将来のことを考え、前述した絶望感にさらにずっしりとした重みを体全体に感じていました。その一方で、彼氏とは “楽しい時間を過ごしたい” 派のわたしは、個人的な悩みであっても、どちらかと言えば面白おかしく頻繁に話していました。

今は、日本とアメリカをテクノロジーで繋ぐ世界の発展により支えられた私たちの遠距離恋愛ですが、電話をするときはゲラゲラ笑って楽しむ中の一部で、ある日このような会話をしました。

彼「この間プレゼンがあったんだけど、グループワークが大嫌いなんだよね」

私「何があったの?笑」

彼は、面白ろおかしく彼のチームが何もしてくれないことを話し始めて私は、最悪だぁと思いながらも、何か私にできるアドバイスはないかなぁと一瞬考えて、笑ってこう言いました。

私「ほらでもさ、彼らが何にもしなかったのは最悪だけど、チームワークだから、皆んなで期限を決めて、もっと連絡を取り合うとかできたんじゃない?笑」

それに対して彼は言います。

"Nooo you just gave me a solution, I want you to get angry with me"
(「解決策を出す」じゃなくて、一緒に怒って欲しいんだよ)

あ。

その瞬間、自分の中でストンと何かが落ちる “感覚” がありました。ああ、彼が欲しいのは、それだったのか。そう思うのと同時に、

そう、わたしも “それ”  が欲しかった。

実力をつけるために、経験を積む。
経験を積むために、行動をする。
行動を止めるのは、考えることと、感情。
そんな思考回路から、
考える事と感情は自分にとっての邪魔者。
気づけば、いつの日からか、そう思ってた。

でも気づけば、自分が一番欲していたものは、自分が自分で封じ込めているものだと気づいた瞬間でした。

一緒になって、怒る。
一緒になって、悲しむ。
一緒になって、喜ぶ。

彼氏、彼女。ともだち。家族。わたしが、ニンゲンとして、目の前の人にできることって、これかもしれない。
自分の想いを封じ込めることは、できないんだ。自分自身を正直に、受け止めよう。そして、前に進もう。しっかり向き合って、受け止めて、前に前に、進もう。

まるで何も見えない、船も光もなんにもない。
真っ暗な海のど真ん中に、ぽつりと一人たっているような私は、同じようにどこかで一人、思い悩み、立ち止まっているあの子と、そして自分自身に向かって言いました。

「大丈夫。できる。今、やれること」 

おわり

エピローグ

読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。アメリカ留学中には、想うことは沢山あったものの、日々の衝撃的な変化をその時々で文章にできるほどの理解が追いつかず、冒頭で述べさせていただきました通り、約1年後の執筆となりました。

留学というのは、おもしろいもので、人生でこんなに日本を嫌いになった事も、アメリカを好きになったり、嫌いになったりした事もなかった為、そのような経験からして、かけがえのない人生の軸となるような経験をさせていただくことができました。

自分のいる環境、人間関係、家族、将来、アイデンティティー、健康。それぞれの悩みがある中、ありのままの自分を受け入れることは、自分の経験からしても、とても簡単ではありません、今でも悩む事が多くあります。

引用させていただきました、りゅうちぇるさんの急逝には心よりご冥福をお祈りいたします。

このノートを見つけて読んで下さった皆さんに、実際に同じ悩みではないとしても、だれも話す人がいなくて、苦しんでいるのはわたしひとりじゃないんだ、と思っていただければ、本望です。

KT



◆◆◆

【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】

▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)



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