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#03 「あのこは貴族」山内マリコ


映画の評判が良く、どうせなら原作が読みたいと思い購入。

女性に焦点を当て、自分らしさとは何かを問いかけている作品だと思った。


「格差社会じゃない。階級社会。」
という言葉が一番衝撃を受けた。

私たちは生まれた時から階級が決まっていて、後天的につくられた格差の中で生きているわけではないと言うことなのだろう。

私自身も、学生時代にそう感じることが何度かあったし、スクールカーストも階級なのだろう。

学生を卒業し、社会人になってからも、私たちは属する階級の中で生きているのだろうか。


私自身は、田舎ではないが地方出身で、就職を機に都会に来たので、第二章の描写が嫌というほど身に染みた。

さすがにお金がなく大学を中退ということまではなかったが、所謂階級が高い人たちを羨ましがることなんて数えられないほどあった。

作品の中で、美紀は自分がお金持ちの階級にいないことに対し、「それってなんて自由なんだろう」と感じる場面があるが、

この作品の中で、大事な部分であるように思う。

結局、階級社会の中で生きている私たちが、他人を羨むことなく自身の人生に焦点を充てるには、劣等感なるものを捨てることだと思う。


この作品では、華子側はそう描かれていなかったものの、美紀側は劣等感を感じる部分が多く描かれていたと思う。

だけれども、それがこの世界で生きている人たち、ほとんどの人たちに当てはまる感情であると思う。

劣等感をいかに捨て、自身が自由であることに気が付き、自分らしさとはなにかを考える。

それこそが、この作品が問いかけていることなのではないだろうか。


他人を羨むのをやめ、自身の今の環境に感謝し、自分らしさを模索し見つけながら生活していきたい。

現状が不満だらけなら、行動して、変えていかないと。

一番初めに変えることができるのは、自分自身なのだから。


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