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ドラマトーク#2 2021秋のドラマ的近況

10月期の民放各局の連続ドラマが始まって約1カ月。
ラインナップも出揃い、序盤の数回が過ぎた現時点での視聴状況と所感をいくつか。

最注目は『最愛』『アバランチ』『SUPER RICH』

個人的に今のところの今期の断トツ1位は『最愛』(TBS系・金曜22時)。
初回から本当に引き込まれるストーリー展開と世界観で、原作なしオリジナルのミステリー物でここまで設定や構成が手の込んだ脚本・演出で来るとは、正直驚いた。
まあ、オリジナルなだけに、この勢いで本当にラストまで行ってくれるのかという一抹の不安がないこともないが、ものすごく期待して毎週楽しみに録画もいち早くチェックしている。

『アバランチ』(関テレ/フジ系・月曜22時)と『SUPER RICH』(フジ系・木曜22時)も、どちらも完全オリジナル作品。
前者はハードボイルド風味のミステリー要素もある勧善懲悪物で、作風を含め主演の綾野剛はまさに適役。
後者は一見ラブコメなのかな?と思ったら、公式サイトいわく女性の波乱万丈半生がテーマらしいが、主演が個性派・江口のりこというパンチの効いた配役で、2作品ともクオリティの高い構成やスピード感のあるストーリー展開で楽しめている。

ちなみに、この3作品のもう一つの共通点は、それぞれに仮面ライダー出身俳優が出ていること。
『最愛』に高橋文哉(仮面ライダーゼロワン/2019)、『アバランチ』に福士蒼汰(仮面ライダーフォーゼ/2011)、『SUPER RICH』に赤楚衛二(仮面ライダークローズ/2017)。

福士蒼汰はフォーゼから10年経って、これまでの出演作も多く知名度も高いが、高橋や赤楚はまだそれほど一般には浸透していなかったのが、もしかすると今回のドラマでかなり知られることになるかも。
ただ、私のように子供がリアルタイムで観ていたライダーという理由ですでに身近に感じているママ視聴者も絶対に一定数いるはず。
(2人とも、実はここ最近ドラマ出演が立て続いて露出がふえているのだが…
本題から逸れてしまうので、ライダー出身俳優の話題はまた別の機会に。)

地味ながら良作の予感『和田家の男たち』『二月の勝者』

地味、と言うと語弊があるかもしれないが、深夜枠の『和田家の男たち』(テレ朝系・金曜23時)は良い。
親子孫三世代のホームドラマということだが、三者三様のキャラクターのクスッと笑える日常に加え、亡き母の死にまつわるミステリー要素、相葉雅紀演じる孫の作る家庭料理の数々が美味しそう…など、意外に見どころが盛り沢山。
ウィットで、決して内容はのんびりのほほんとばかりしていないのに、全体的にはどこかほんわかした雰囲気のドラマで、観ていて癒される。
家族役の段田安則佐々木蔵之介と相葉の3人の雰囲気が絶妙に似通っていて、うまいキャスティングだなとも思った。

『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日テレ系・土曜21時)は、主演の柳楽優弥井上真央もだが、特に脇を固めるレギュラー陣や、1話ごとにゲスト出演する受験生の両親役のキャスティングが良い。
派手さはなくともナチュラルかつ小慣れた演技をする実力派の役者が揃えられている。
さらに受験生役の子役たちも、そこまで有名で目立つ子はいないぶん、リアリティーさがあって良いし、かつ演技の上手な子がちゃんと揃っていて、ストーリーに入り込める。
主人公の謎めいたキャラクターも気になりつつ、本当に中学受験てこうなのかな? いやいや、これはドラマだよな、などと思いながらついつい観てしまう作品。

ラブコメの『ハンオシ』と『恋です!』

どちらもコミックスが原作の『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系・火曜22時)略して『ハンオシ』と、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日テレ系・水曜22時)。
同じラブコメというジャンルだが、設定も展開も毛色の違う2作品。

『恋です!』は序盤で既に付き合い始め、毎回初々しいカップルならではのさわやかなキュンなシーンがあって、いつの間にか、すっかり若い二人を見守るような気持ちで観ている。
『ハンオシ』のほうは、お互い全く恋愛対象に見ていないところから物語が始まるので、序盤こそ糖度は低めだったが、『恋です!』カップルよりも年齢がちょっと上の設定なだけに、中盤以降の、より濃厚なキュンシーンに期待、といった感じ。

恋愛ドラマの良し悪しの究極は、やはり視聴者をいかにキュンキュンさせるかだと思う。
それにはストーリー展開や相手役の男性ももちろん重要な要素だが、一番はヒロインへの共感や支持の気持ちが生まれないと、キュンキュンの前に白けてしまう。

その点『恋です!』は、ヒロインのキャラ設定も共感しやすく、演じる杉咲花の好感度や恋愛物との親和性も高いので、文句なしに見守って応援したいと思える。
一方『ハンオシ』は、主演の清野菜名にあまり恋愛物のイメージがない。
ちょっと干物女的でもある今回のヒロインのキャラクターとはマッチするが、恋愛イメージから遠い清野とストーリー序盤の甘さの足りない感じを、今後どこまで高みへと持っていけるかがカギとなりそう。

録画して、後でイッキ観するドラマ

基本、貯め込まずに放送ごとに1話ずつ消化していくタイプなのだが、今期の『真犯人フラグ』(日テレ系・日曜22:30)は、初回の途中まで観たものの、
これは最終回まで録りだめてから一気に観よう。
と思い、録画を観ないで貯めこむという、私としてはイレギュラーな対応をしている。
なぜなら、続きが気になりすぎて、次回の放送までそわそわしてしまいそうだったから。
同枠で以前やっていた『あなたの番です』のときがそうだった。
同じ製作陣で、あな番同様、異例の2クール半年にわたって放送されるとのことなので、年度末まで観ないで置いておくことにする。

観ているドラマ一覧

ここまで出てきた以外に観ているドラマ。
▪︎『ラジエーションハウスⅡ〜放射線科の診断レポート』(フジ系・月曜21時)
▪︎『らせんの迷宮〜DNA科学捜査〜』(テレ東系・金曜20時)
▪︎『消えた初恋』(テレ朝系・土曜23:30)
▪︎『日本沈没-希望のひと-』(TBS系・日曜21時)

今期は、今のところ途中で観るのをやめた作品は一つもなくきている。

あとは、10月期ドラマではないが、NHK大河ドラマ『青天を衝け』(日曜20時)と朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(月~金朝8時)も観ている。

全体的に今期は、主演や作品そのものに派手さのあるものは少なく、ストーリーは壮大であっても骨太な作風だったりと、落ち着いた雰囲気で質の良い作品が多く揃った印象となった。

各作品にまつわる細かいあれこれは、また改めて書いていきたい。

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