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パキスタン芸術の街ムルターン

ムルターンは、パキスタンのパンジャーブ州にあります。パキスタンで6番目に人口が多い都市で、地理的にはだいたいパキスタンの中心部にあります。「聖者の街」または「マンゴーの街」とも呼ばれ、何世紀にもわたって芸術作品の中心地として栄えてきました。

スーフィー寺院
マンゴーも有名です

ムルターンは、南アジアの中でも最古の都市のひとつで、考古学調査から、モヘンジョ・ダロあるいはハラッパーなどと同時期に興った都市のひとつであると考えられています。

ムルターンといえば、青い陶器が有名です。ムルターン焼きは、鮮やかな青と白の色合いと複雑な手描きのデザインが特徴的で、その歴史は、スーフィー聖人によって紹介された14世紀にまで遡ります。タイル、ボウル、花瓶などの青い陶器は、熟練職人により丁寧に手作りされています。伝統的なコバルトブルーの美しさは、国内外で特別な地位を築いています。

ムルターン焼き

ムルターンのもうひとつ有名な芸術は、ラクダの皮を使ったキャメル製品です。熟練職人がラクダの皮に複雑なデザインを彫り、ペイントし、息を呑むような芸術作品を生み出します。壁掛け、ランプシェード、財布などのキャメル製品には、地元の民間伝承、歴史的出来事、イスラム美術を描いた精巧なデザインが描かれています。

キャメルランプ

ムルターンは、繊維産業も盛んです。ベッドカバー、クッションカバー、伝統的な衣服など、カラフルで精巧な刺繍が施された織物で知られています。 鮮やかな色、複雑な糸細工、鏡の装飾の使用は、地元の文化と美学を反映しています。

ムルターン刺繍細工

ムルターンでは、鮮やかな青い陶器、複雑なキャメル製品、精巧な刺繍や織物は、熟練職人によって何世代にもわたって継承されてきました。ムルターンの芸術は、この街の豊かな歴史と文化遺産の証です。それは、この古代都市に痕跡を残したさまざまな王朝や文明からの影響の融合を表しています。