パキスタン名物、羊の蹄カレー
ウルドゥー語で”脚”を意味する「パヤ」は、伝統的なパキスタン料理で、牛、山羊、バッファロー等の蹄(ひづめ)部分を煮込んだカレーです。寒い冬に食べられることが多く、家族や親戚一同の集まり、お祭の際に提供されたり、お客様をもてなすために出される特別なご馳走です。
肉のうまみが詰まったさらっとしたスープのパヤは、骨付きのひづめ肉を手でつかみ、ゼラチン状になった骨の髄液をズルっと吸い上げ、骨の周りに付いている腱や膜まで食べるワイルドな料理です。コラーゲンたっぷりです。
パヤの付け合わせとして、新鮮なコリアンダー、青唐辛子、ショウガのみじん切り、レモンが添えられることが多く、パヤにはじけるような新鮮さと爽やかな風味が加わります。
料理の下ごしらえは、ひづめを徹底的に洗浄することから始まります。ひづめに小麦粉をまき、細かい毛やゴミをからめて取り除いていき、最後に水洗いして綺麗にします。
パヤのレシピはパキスタンの地域毎に異なりますが、基本的には、タマネギとニンニクを炒めてスープベースを作り、下ごしらえした骨付き肉を香辛料とともにじっくりと煮込みます。
伝統的にはストーブの弱火で一晩じっくり調理されますが、家庭料理では圧力鍋が使われることがほとんどです。このゆっくりとした調理プロセスにより、味がしっかりと溶け込み、肉がホロホロに柔らかくなり、濃厚なスープが出来上がります。
パヤは、パキスタンのさまざまな地域で、地元の味や調理法の影響を受けて、独自のバリエーションで調理されています。ラホールではナンと一緒に提供されることが多いですが、カラチではご飯と一緒に提供されることが多いです。地域によって独特のアイデンティティーが生まれます。
パヤは暖かさとエネルギーを与えるため、特に寒い冬の間、栄養源になるとも考えられています。パヤはパキスタンの伝統料理であり、パキスタンの多様で豊かな味を代表しており、地域ごとにバリエーションがあり、パキスタンの料理の多様性を表しています。