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パキスタン歴史的な軍事要塞

ロータス・フォートは、パキスタンのパンジャーブ州にある16世紀に造られた歴史的な軍事要塞です。アフガン・ペルシア建築様式によって建設されていて、歴史的にも建築的にも非常に重要な意味を持っています。

この要塞は驚くほど無傷で残っており、1997 年にユネスコ世界遺産に登録されました。ユネスコはこれを「中央アジアおよび南アジアのイスラム軍事建築の例外的な例」と呼びました。

ロータス・フォートは、16世紀に北インドのスール朝の皇帝シェール・シャーによって建設されました。彼は、今日のアフガニスタン、パキスタン、北インドを含む広大な帝国を統治していました。ロータス・フォートは、現在のアフガニスタンとパンジャーブ平原を結ぶ大幹道(グランド・トランク・ロード)上にあり、ペシャーワルからラホールへいたるルート防衛の要衝でした。

グランド・トランク・ロード

ロータス・フォートは、戦いによりインドから追放されたムガル帝国第2代皇帝であるフマーユーンのインド復帰を阻止する目的の他に、ロータス・フォートをパンジャーブ地方に建設することで中央アジアからの遊牧民族進入の備えとしました。

シェール・シャーの死後、ロータス・フォートは、パンジャーブ地方の支配を取り戻すために戻ってきたフマーユーンに割譲され、ムガル帝国、シク王国に引き継がれていきました。

ロータス・フォートは、アフガニスタン、ペルシャ、インドの影響が見事に融合した建築物です。周囲は4キロメートル以上伸びる巨大な防御壁で囲まれています。これらの壁は化粧石と石灰モルタルで作られ、高さは最大10メートルに達し、12の城門と68基の稜堡(星形要塞)があります。

稜堡(星形要塞)

城塞の西側に位置するカーブル門のそばには宮殿があります。ハヴェリ・マン・シングと呼ばれる宮殿は、マン・シングというムガル帝国軍の将軍により建設されました。

宮殿

カーブル門のそばにはシャーヒー・モスクがあります。祈りを捧げる人々のための部屋と小さな庭があり、シャーヒー・モスクは、ロータス・フォートの中でもっとも装飾が施された建物です。

シャーヒー・モスク

現在、ロータス・フォートは歴史的宝物として建っており、世界中から観光客、歴史愛好家、写真家が集まります。この要塞の保存状態の良い構造、複雑な彫刻、城壁からの素晴らしい眺めは、過去の雄大な世界に浸りたい人々に人気の目的地となっています。