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パキスタン映画産業ロリウッド

ロリウッドとは、ハリウッド、ボリウッド(ボンベイ中心の映画産業)のようにもじったパキスタンの映画産業をあらわす言葉です。ロリウッドは、ラホール中心の映画産業を指し、ウルドゥー語とパンジャーブ語の両方の映画制作の拠点として機能しています。

ロリウッドは、1960年代と1970年代に黄金時代を迎えました。この時代には、業界のアイデンティティを形成した伝説的な俳優、監督、ミュージシャンが登場しました。メラナームジョーカー(Mera Naam Joker)やアルマーン(Armaan)などの映画は、パキスタンの文化と社会の本質を捉えていると同時に、関連する社会問題にも取り組んでいます。

Mera Naam Joker 1970
Armaan 1966

ロリウッド映画の内容は多岐に渡り、ロマンスから貧困や格差など、社会問題をテーマにした深い作品も多くあります。また、ボリウッドと同様、歌って踊るシーンが映画中に数多く挿入されています。

音楽は常にロリウッド映画に不可欠な部分です。ヌール・ジェハンやメフディ・ハッサンなどの伝説的なプレイバック・シンガーは、パキスタンの音楽と映画に消えない足跡を残しています。プレイバック・シンガーとは、俳優や女優が歌う歌を事前に録音する歌手のことです。

ヌール・ジェハン
フディ・ハッサン

1990年代から 2000年代初頭にかけてのコンテンツの質の低下など衰退の時期もありましたが、近年、ロリウッドの復活に再び関心が集まっています。 クダケリエ(Khuda Kay Liye)やボール(Bol)などの映画は批評家の高い評価を得ており、ロリウッドの復活に貢献しています。

Khuda Kay Liye
Bol

パキスタンの映画界ロリウッドは、設立以来大きく進化してきました。1960 年代の黄金時代から現代の課題に至るまで、ロリウッドはその回復力と順応性を証明してきました。 伝統と革新を融合させたロリウッドは、国内外の観客の共感を呼ぶ魅力的なストーリーを語り続け、パキスタンの文化的タペストリーの中で永続的な地位を確立しています。