周産期の気分障害と不安障害：血漿プロテオミクスによるバイオマーカー探索

原著論文 産科学|論文インプレス
周産期の気分障害と不安障害：血漿プロテオミクスによるバイオマーカー探索
アイナヴ・アコルト, PhD
ジェームス・ミロチャ, MS
ドンシェン・ジャン（Dongsheng Zhang） PhD
サラ・J・キルパトリック（MD、PhD
Towia Libermann, PhD
S. Ananth Karumanchi, MD 公開: 2023年1月14日DOI:https://doi.org/10.1016/j.ajog.2023.01.012
PlumX メトリクス

背景
周産期の気分障害および不安障害は、妊娠中および産後1年までの間に発生するさまざまな精神衛生障害を包含し、女性の約20％が罹患している。うつ病の既往や子癇前症などの妊娠合併症など、従来の危険因子が知られている。しかし、それらの予測的有用性は、周産期の気分障害や不安障害の臨床的な意思決定や予防戦略に情報を提供するには、特異性や感度が十分ではありません。早期発見と治療への紹介のために、より良い診断と予後のモデルが必要である。
研究の目的
本研究は、妊婦の新しい第3期血漿タンパク質バイオマーカーパネルを用いて、産後3ヶ月以内に周産期気分障害および不安障害の素因となるリスクが高い人を特定できるかどうかを確認することを目的としたものである。
研究デザイン
52人の女性（周産期気分障害および不安障害のリスクを有するn=34および対照n=18）を対象に、2時点（妊娠3ヶ月および出産後3ヶ月）でメンタルヘルス・スクリーニングを実施しました。周産期気分障害および不安障害のリスク上昇は、両時点で、うつ病（Edinburgh Postnatal Depression Scale ≥12）、不安（Overall Anxiety Severity and Impairment Scale ≥7）、心的外傷後ストレス障害（Impact of Events Scale >26）の有効なカットオフ値より高い個体をスクリーニングして確認された。第3期に採取した血漿試料を、アプタマーを用いたSomaLogic SomaScanプロテオミクスアッセイ技術でスクリーニングし、1305種のタンパク質分析物の発現における周産期の気分障害および不安障害に関連した変化を評価した。周産期気分・不安障害を持つすべての被験者、および周産期気分・不安障害を持ち子癇前症を持たない被験者で有意に発現が増加または減少した周産期気分・不安障害特異的タンパク質間の病態生理学的関係を強調するために、Ingenuity Pathway Analysisが実施された。
結果
53の有意な周産期気分・不安障害関連タンパク質のパネルから、ユニークな20のタンパク質シグネチャーが、主成分分析で周産期気分・不安障害症例を対照群と区別した（P<0.05）。このタンパク質シグネチャーには、軸索誘導、アストロサイトの分化、GABA作動性ニューロンの維持を制御するニューロンシグナル伝達経路に収束するNCAM1、NRCAM、NTRK3が含まれていた。興味深いことに、解析を子癇前症のない被験者に限定すると、30個のタンパク質シグネチャーが、主成分分析で重複することなく、周産期の気分障害および不安障害の症例をすべての対照群と区別した（P<0.001）。非前隔膜症周産期気分不安障害群では、CXCL11、CXCL6、MIC-B、B2MGといった、白血球の遊走、炎症、免疫機能を制御するタンパク質の発現増加が観察された。
結論
周産期の気分障害および不安障害の参加者は、様々な神経細胞シグナル伝達および炎症性経路を制御するユニークで明確な血漿タンパク質シグネチャーを有していた。周産期の気分障害や不安障害の早期発見のために、これらの分子のいくつかを従来の危険因子と組み合わせて使用できるかどうかを判断するために、より大きなサンプルサイズでの追加の検証研究が必要である。
キーワード
CXCL11
CXCL6
診断
MIC-BとB2MG
NCAM1
NRCAM
NTRK3
周産期気分障害・不安障害
血漿蛋白質
産後うつ
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出版履歴
オンライン公開 2023年1月14日
受理されました。2023年1月11日
改訂版受理 2023年1月5日
受理：2023年1月5日 2022年11月18日
出版段階
インプレスジャーナル プレプルーフ
脚注
T.L.とS.A.K.はこの研究に等しく貢献した。

著者は利益相反を報告しない。

本研究は，Cedars-Sinai Center for Research in Women's Health and Sex Differences（CREWHS），2020 CREWHS Research Award（E.A., S.J.K., S.A.K. に），2021 Postpartum Support International の Susan A. Hickman Memorial Research Award（EEA）から支援を受けている。また、本研究は、国立衛生研究所National Center for Advancing Translational Scienceおよびカリフォルニア大学ロサンゼルス校Clinical and Translational Science Instituteの助成金番号UL1TR001881により支援されたものである。また、この研究を支援してくださったCedars-Sinai産科婦人科とLos Angeles Helping Hand Miriam Jacobs Chair in Maternal Fetal Medicineに感謝する。

この記事を引用する。周産期の気分障害および不安障害：血漿プロテオミクスを用いたバイオマーカーの発見。Am J Obstet Gynecol 2023:XX.x.ex-x.ex.

識別
DOI: https://doi.org/10.1016/j.ajog.2023.01.012

著作権
© 2023 Elsevier Inc.により発行されました。
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