過体重と肥満における腸内細菌叢：脂肪組織とのクロストーク

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出版：2023年12月08日
過体重と肥満における腸内細菌叢：脂肪組織とのクロストーク

https://www.nature.com/articles/s41575-023-00867-z?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

パトリス・D・カニ & マティアス・ヴァン・フル
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology (2023)この記事を引用する

8 Altmetric

指標詳細

要旨
過体重および肥満は、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回った場合に生じる過剰な脂肪蓄積を特徴とする。エネルギー消費を制御するもっともらしい方法の1つは、白色脂肪組織（WAT）および／または褐色脂肪組織（BAT）における発熱経路を調節することである。宿主の代謝やエネルギーバランスに影響を与える様々な環境因子の中で、腸内細菌叢は現在重要な役割を果たしていると考えられている。腸内細菌を欠くマウス（つまり無菌マウス）や腸内細菌叢を減少させたマウス（つまり抗生物質を使用したマウス）では脂肪組織の発達が少ないことを示した先駆的な研究に続き、多くの研究が腸内細菌間に存在する複雑な相互作用を研究してきた、 腸内細菌、その膜成分（リポ多糖）、およびその代謝産物（短鎖脂肪酸、エンドカンナビノイド、胆汁酸、アリール炭化水素受容体リガンド、トリプトファン誘導体）の間に存在する複雑な相互作用と、WATの褐色化および／または黒色化、およびBAT活性の変化に対するそれらの寄与について、数多くの研究が行われてきた。本総説では、WATとBATの一般的な生理学について述べる。続いて、腸内細菌や様々な微生物叢由来の代謝産物、それらの受容体やシグナル伝達経路が、脂肪組織の発達やその代謝能力をどのように制御しているのかを紹介する。最後に、具体的な主要事例を紹介しながら、ベンチサイドからベッドサイドへの移行における重要な課題について述べる。

キーポイント
世界人口の約40％が過体重または肥満の影響を受けている。脂肪組織における発熱経路の調節と腸内細菌叢の変化に焦点を当てた新しい治療法が研究されている。

脂肪組織は白色、褐色、ベージュ色に分類され、体内のエネルギー貯蔵、熱発生、代謝においてそれぞれ異なる役割を担っている。

環境因子はエネルギー代謝に大きく影響し、食事、運動、睡眠がその主な要因である。

腸内細菌は腸と脂肪組織間の双方向コミュニケーションに関与し、エネルギー代謝、栄養吸収、食欲、脂肪組織機能に影響を及ぼす。

脂肪組織は、代謝の健康状態やその他の要因によって異なる、独自の微生物叢を保持している。

腸内細菌叢研究を動物モデルからヒトに応用することは、方法論的、生物学的な課題に直面している。

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肥満と体重管理における腸内細菌叢：敵か味方か？
2023年1月17日号
マティアス・ヴァン・フル＆パトリス・D・カニ

微生物による生体エネルギー恒常性の制御
論文 2019年01月07日
パトリス・D・カニ、マティアス・ヴァン・フル、...アマンディーヌ・エベラール

腸内細菌叢は、食事性多価不飽和脂肪酸を代謝することにより、肥満に対する宿主抵抗性を付与する
論文 オープンアクセス 2019年09月05日
宮本 純樹, 五十嵐 美樹, ... 木村 郁夫

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論文

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謝辞
P.D.C.はFRS-FNRS（科学研究基金）の名誉研究ディレクターであり、FNRSの助成金を受けている（Projet de Recherche PDR-convention： FNRS T.0030.21、CDR-convention： J.0027.22、FRF-WELBIO： WELBIO-CR-2022A-02、EOS：プログラム番号 40007505) およびARC (action de recherche concertée: ARC19/24-096)、La Caixa (NeuroGut)。

著者情報
著者および所属
代謝・栄養研究グループ（MNUT）、ルーバン薬物研究所（LDRI）、UCLouvain、Université catholique de Louvain、ブリュッセル、ベルギー

パトリス・D・カニ＆マティアス・ヴァン・フル

ワロン生命科学・バイオテクノロジー・エクセレンス（WELBIO）、WEL研究所WELBIO部門、ワーブル、ベルギー

パトリス・D・カニ & マティアス・ヴァン・フル

実験・臨床研究所（IREC）、UCLouvain、ルーバン大学、ブリュッセル、ベルギー

パトリス・D・カニ

貢献
著者は本論文のすべての側面に等しく貢献した。

筆者
Patrice D. Caniまで。

倫理宣言
競合利益
P.D.C.は、さまざまな疾患の治療における特定の細菌および成分の使用に関する特許出願の発明者である。P.D.C.はThe Akkermansia Company SAおよびEnterosysの共同設立者である。M.V.H.は、競合する利害関係はないと宣言している。

査読
査読情報
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology誌は、Philip Calder氏、Remy Burcelin氏、および本著作の査読に貢献したもう1名の匿名の査読者に感謝する。

その他の情報
出版社からの注記 Springer Natureは、出版された地図の管轄権の主張および所属機関に関して中立を保っています。

関連リンク
世界肥満連盟：https://www.worldobesityday.org/resources/entry/world-obesity-atlas-2023

権利と許可
シュプリンガー・ネイチャーまたはそのライセンサー（学会またはその他のパートナーなど）は、著者またはその他の権利者との出版契約に基づき、本論文の独占的権利を有する。本論文の受理された原稿版の著者によるセルフ・アーカイブは、かかる出版契約の条件および適用法のみに従う。

転載と許可

この記事について
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この記事の引用
Cani、P.D.、Van Hul、M.過体重と肥満における腸内細菌叢：脂肪組織とのクロストーク。Nat Rev Gastroenterol Hepatol (2023). https://doi.org/10.1038/s41575-023-00867-z

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受理
2023年10月27日

発行
2023年12月08日

DOI
https://doi.org/10.1038/s41575-023-00867-z

主題
消化器病学
メタボリックシンドローム
Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology (Nat Rev Gastroenterol Hepatol) ISSN 1759-5053 (online) ISSN 1759-5045 (print)

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