孤独に香りはあるのか
Sweet Novemberという映画のヒロイン、サラ・ディーバは、1か月だけ自分の恋人になってほしいと主人公ネルソンを口説くとき、「あなたからは女の人に愛されていない悲しい男の匂いがする」と言っていた。
Sweet Novemberはその年のゴールデンラズベリー賞、「最低リメイク及び続編賞」「最低男優賞」「最低女優賞」の三部門にノミネートされたアメリカの映画だ。見ている最中ずっとどこかがむずがゆかったのはどうやら私が恋愛映画というジャンルに抱いているアレルギーだけが理由じゃなさそうだった。
いやいや、ひどい映画を見てしまったな。あらすじもそうだけど。こんな女性本当にいたらいやだなあ。前半なんて、積極的な金髪美女っていうより、ストーカーじゃん。
けれどどうもサラディーバのセリフが忘れられない。
「女の人に愛されていない悲しい男のにおい」?
風邪菌のにおいがわかる友達がいたけれどそう言う感じで孤独にも香りがあるんだろうか。孤独な人をにおいでかぎ分けられるんだろうか。もしかしてそういうにおいがかぎ分けられる人が本当にいるんだろうか。
それは無機質で清潔な匂いなんだろうか。それとも乱雑で誇り臭いんだろうか。
以来、孤独の香りについてずっと考えている。
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