月に風船│短歌8首
金魚すくい
きみの横顔 すくう手に
私もすくってほしいけど
きみの部屋の水槽へユラユラ降り立つ
海月になってパラシュート
かき氷
キンキンに冷えて震える
紫色に火傷しそうだ
君の指が波のようにふでをとる
団扇と麦茶を横に置いたよ
月夜映りて
稲穂も揺れて
危うい狂気も優しく目覚めて
背中越し
耳をあて花火の音と君の鼓動を
重ねてみたくて
三日月の流す涙をぬぐいたく
屋上から飛ばした風船
秋の風
鈴の音色をカクテルし
瞼に浮かぶ月を飲み干す
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