咲いたユートピア【短歌8首】
目に滲む
血の奥の碧に深く浮かぶ
君の寂しさしじまの雲よ
手の甲のでこぼこ
君の動脈そっとなぞって
眠りに落ちる月夜
恋じゃなきゃ
いったいなんなんだったの
今もなお惹かれているのは
なんなんだろう
汚した嘘のがらくたの
その奥の純信の花を
素直に咲かせて
君の詩にある
ススキの絵 鯨の魂
どこか他人じゃないようで
彼岸花
夕日浴びた君の髪
揺れて光って二人の赤い糸
マッチをするよに身をけずり
熱を帯びる君のうた私の心に
風と水
何年かけて築けるかあの谷間に
咲いたユートピアかな
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