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夏と川辺と和服と将棋【#3】

    私の好きな将棋指しの中に「小池重明」と言う賭け将棋で生計を立てていた人が居ます。プロでは無いのですが、その強さから「新宿の殺し屋」の異名を持つ真剣師です。その破天荒な生き様と棋風は、今でも将棋好きの心を捉えて離しません。

    今日はそんな彼に纏わる逸話を3つ紹介したいと思います。

    逸話  その1

普段の生活の中で将棋の研究などは一切行わず、そもそも自宅に将棋盤を置いていなかった。

    テスト勉強なんてしてない、なんて言いながら家に帰って死ぬ程勉強して、ギリギリ平均点を取っていた私とは雲泥の差です。本物の本物たる所以は、この逸話に顕著にあらわれているのではないでしょうか。

    逸話  その2

読売新聞が主催する将棋大会において、優勝賞金100万円という話を聞きつけた借金取りが、「こんな大金が出る大会であれば優勝するのは小池以外にいない」と、会場の外に何人か待ち構えていた。予想通り優勝を収めて100万円を手にした小池であったが、借金取りに全額持っていかれてしまい、当人の手元には1円も残らなかったという。

    どんなに将棋が強くても心が繊細だったのか、彼は最後まで酒と女とギャンブルから離れられない人生でした。その実力と生活感のコントラストがとても悲しくて、美しく感じられます。

    逸話  その3

羽生善治が小学生の頃、偶然に小池の対局を目撃している。羽生はアマ名人戦の都下予選で、小池の対局の記録係を担当した。羽生はプロ入り後、小池について「生き様のように将棋自体は型破りそのもの。しかし、とにかく強かったという事を鮮明に憶えている」と語っている。

    時代の寵児、永世七冠の羽生先生でさえ彼の実力を認めています。藤井聡太先生も棋譜を見て勉強したとか。


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    彼に纏わる逸話は沢山残されていて、それこそ彼の実力に魅せられて面倒を見続けた文豪の団鬼六先生の本の中にも見る事が出来ます。

    真剣師「小池重明」

    彼の将棋は今でも色濃く残っていて、人々を魅了し続けています。

    そんな小池重明が愛した将棋で遊んでいる動画を、只今編集中です。

    お楽しみに。




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