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夕陽のむこうになにかがいるよ なにがいる? なにがいるかはわからんが あの赤い陽の中できっ…
歩く道はいつもぬかるんでいる 陽が燦々と照っていようが わたくしの足元は乾かない ひたすら…
ここには何もありません。 ただまっさらな田園風景です。 たとえばこれは寝台です。 夏になれ…
黄金の稲が光を跳ね返す 涼しげな風が稲を攫って さわさわと優しい音を立てる 赦されるならば …
優しさの中で生きているから 優しさの怖さしか知らない。 陽射しを背に受けている時 あたたか…
それはウイルス性疾患のように たやすく感染していくものである 誰かから彼女に 彼女から私に …
竹林の奥に光が射しこんでいる 緑が黄金に喰われている そのところに神がいらっしゃる 名もない神がそこにお立ちになってらっしゃる 農民の子どもに慈愛の眼差しを向けて 自然と遊ぶ子どもに微笑んでいらっしゃる
花筏で私を地獄に連れて行ってほしい 虚しいことを数えては 沈んでいく表情を 酒の肴なんかに…
春が来る前に死んだ人の影を見る。 玄関から伸びる光 縁側から溢れる光 山菜の食卓 柔らかな光…
あなたは埋葬するのでしょう 修羅と歯ぎしりと憐れむ影を うら悲しさに燃えるこころを 泥水を…
冬の跡 木々のざわめき 藤の花 木々の隙間を縫うような光は誇らしげ。 黄金に似たそれは緑葉を…
音が聞こえる、音が 人の生活する音、四方から。 戸棚を開ける。 包丁がまな板を叩く。 バスタ…
一人で歩む道をなんと言おう 靴底は冷え切って 街灯がポツリポツリとしかない道を選ぶ 草はし…
すべてのさいわいが わたくしの瞳に降り注ぎ せかいは玉虫色に輝く みにくくかしましい彼女も せかいになじむように輝いて わたくしのせかいを彩る きらびやかになる白紙のA3 星をちらすオードトワレ 玉虫色をはんしゃする鏡 鏡、鏡、鏡…… ああ! さびしい目だけが泣いている!