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#自由詩

夕陽のむこう

夕陽のむこうになにかがいるよ なにがいる? なにがいるかはわからんが あの赤い陽の中できっ…

名無し子
2年前

うつくしくなりたかった

歩く道はいつもぬかるんでいる 陽が燦々と照っていようが わたくしの足元は乾かない ひたすら…

名無し子
2年前

太陽の寝台

ここには何もありません。 ただまっさらな田園風景です。 たとえばこれは寝台です。 夏になれ…

名無し子
3年前
2

田圃にて

黄金の稲が光を跳ね返す 涼しげな風が稲を攫って さわさわと優しい音を立てる 赦されるならば …

名無し子
3年前
2

優しさ

優しさの中で生きているから 優しさの怖さしか知らない。 陽射しを背に受けている時 あたたか…

名無し子
3年前
3

疾患

それはウイルス性疾患のように たやすく感染していくものである 誰かから彼女に 彼女から私に …

名無し子
3年前
3

無題

竹林の奥に光が射しこんでいる 緑が黄金に喰われている そのところに神がいらっしゃる 名もない神がそこにお立ちになってらっしゃる 農民の子どもに慈愛の眼差しを向けて 自然と遊ぶ子どもに微笑んでいらっしゃる

花筏

花筏で私を地獄に連れて行ってほしい 虚しいことを数えては 沈んでいく表情を 酒の肴なんかに…

名無し子
3年前
3

春が来る前に死んだ人の影を見る。 玄関から伸びる光 縁側から溢れる光 山菜の食卓 柔らかな光…

名無し子
3年前
4

埋葬

あなたは埋葬するのでしょう 修羅と歯ぎしりと憐れむ影を うら悲しさに燃えるこころを 泥水を…

名無し子
3年前
3

山の隙間

冬の跡 木々のざわめき 藤の花 木々の隙間を縫うような光は誇らしげ。 黄金に似たそれは緑葉を…

名無し子
3年前
2

集合住宅

音が聞こえる、音が 人の生活する音、四方から。 戸棚を開ける。 包丁がまな板を叩く。 バスタ…

名無し子
4年前
1

無題

一人で歩む道をなんと言おう 靴底は冷え切って 街灯がポツリポツリとしかない道を選ぶ 草はし…

名無し子
4年前
1

万華鏡

すべてのさいわいが わたくしの瞳に降り注ぎ せかいは玉虫色に輝く みにくくかしましい彼女も せかいになじむように輝いて わたくしのせかいを彩る きらびやかになる白紙のA3 星をちらすオードトワレ 玉虫色をはんしゃする鏡 鏡、鏡、鏡…… ああ! さびしい目だけが泣いている!