うつくしくなりたかった

歩く道はいつもぬかるんでいる
陽が燦々と照っていようが
わたくしの足元は乾かない
ひたすらにはねた泥が足を汚した
 (うつくしくなりたかった)

抱く心はいつもしおれている
やさしい人になにを言われようが
わたくしの心には届かない
ひたすらに刺さる棘が心を病ませた
 (うつくしくなりたかった)

開く目はいつも濁っている
美しい光景を目にしようが
わたくしの瞳を輝かせられない
ひたすらに刺激する光が涙を出させた
 (うつくしくなりたかった)

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