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安心・安全にこだわる

効果がある前提

安心・安全にこだわっているらしい。もちろん効果も。
それでも人に話していると、安心・安全にという言葉をいつも使っているらしい。

私がこだわるきっかけ

今の仕事に変わるころ、競技のために筋トレやストレッチを頑張ってました。
ある日ある指導者が1人でストレッチしている私に「頑張ってるじゃないか」と声を掛け、頼んでいないのにペアストレッチを始めたんです。
ちょうど開脚前屈の最中で、その頃はまだ前屈してペタッと床に上半身が付かないけれど、肘を床につけるところまで前屈出来るようになっていました。

このストレッチの場合、ペアストレッチはおおむね後方から背中を押して、膝が前に倒れないようにサポートします。

後方から押したらあと少しで上半身が床に付きそうだけど、お腹が床に付くわけではありません。ようやくここまで柔らかくなってきたところでした。

頼んでないのにサポートに入り、背中を押し始めたので、えっと思いつつ少しサポートに合わせて前屈。これ以上は無理だと思ったので「もう無理です。」と伝えたのですが、柔らかいじゃないかと言いつつサポートを止めてくれません。仕方なく息を吐いて「もう無理です。」と言ったときに、グッと床に身体が近づいたと同時に(バキバキッ)という音と激痛。

バキバキって音がしたなと言いつつ、その指導者は手を放してその場を立ち去って行きました。

その様子を見ていたジムスタッフも遠巻きに「あーーっあっ、大丈夫ですか」と声はかけるもののそのまま放置。

あまりの痛さに動けず痛すぎて涙も出ません。

悔しかったし悲しかった。
なぜ誰も助けてくれないんだろう、なぜ声もかけてくれないんだろう。

私がインストラクター養成コースでケガの応急処置などを学んだ時、多分スタッフもあの指導者もこんなこと知ってるはずなのに、責任を逃れるために私を放置されたことを思い私は決断しました。

ケガをした人を放置しない

自分の担当でなくてもケガをした人を見かけたら、放置せずに声を掛ける、その時に最低出来ることは対応しようという学びになりました。

前提はケガをしない安全性

安全性を考慮して段階的な指導を心がけ、安心して指導を受けていただけるようにする。

自分のケガをきっかけに安全性について考えるようになりました。
ストレッチにしても筋トレにしても、走るや歩くというシンプルな運動でも、私が指導を担当するのであれば安全性を考慮すること。

どんなに安全性を考慮してもグループ指導の場合やパーソナル担当の方のセルフトレーニング時は安全性が確保できないことがあります。

それはその方が人によく見られたい、自分は出来るという思って、姿勢や動き方に意識が向かなかったり、自分の体力以上に頑張ってしまう時。
自分の体力以上とは今の体力に合わない強度の運動、難易度の運動を選んでしまい、過度に無理をしてしまうような場合です。

私は長くスタジオレッスンを担当してきました。

競技選手もやっている時は、中級や上級が多かったのですが、安全性を考慮したプログラムに安心して任せられるからと、強度や難度が初心者~初級がに変わっていきました。

実際初級レベルのレッスンには、初心者から初級者、シニアにリハビリ目的の方が入ってくれていました。

リハビリ目的の方から「上級レッスンでケガして休んでいたけれど、アナタのクラスなら安心してリハビリ出来るから」と嬉しいお言葉をいただきました。

あるシニア参加者からは、こんな言葉を掛けられました。
「私今月で80歳になるから上手く出来ないけどよろしくね」

その時私が返した言葉はこんな感じでした。
「もちろんご自分の出来る範囲で大丈夫ですよ。」
そして安心していただけるように、コッソリとある情報をお伝えしました。
「大きな声でどなたかがとは言えませんけれど、この中に80代真ん中の方がいらっしゃいます。」

脳梗塞で半マヒのある方もセルフリハビリにご参加いただいていました。
出来る範囲で動かせばよいことを、毎回何度も声を掛けているので、無理をする人がいないことを見て、安心してご参加いただけていました。

今日初めてですと少し緊張された方も、帰りには笑顔で帰って行かれます。

安全性を無視すると

安全性を前提とした指導を行っている私が、代行を立てた時に不都合が発生する時があります。
ヨガの代行を普段交流のない方に依頼したことがありました。
毎週のように参加してくださった方が腰を痛めたとい事例が発生してしまいました。

私の指導では、無理しすぎないよう声掛けを行いながら、その日のちょうど良いポイントを選んでポーズを行っていただいています。
ところが代行を依頼した方は「まだ大丈夫、もう少しこのように」という指導をしたそうです。

ケガをされた参加者はもう少しという言葉に、頑張り過ぎましたと反省されていました。えーっ違う違う!

無理を強いたのは指導する側です。もしそのケガが、それでももっとやりたいと思って参加者側が無理をしたのであれば、参加者側にも責任があると思います。
そして指導する側は、そんな場合でも無理をしていると感じたら、無理しなくても効果があることなどを伝える義務があります。

他にも○○のクラスで膝を傷めて○○のクラスでは動けないから、膝に不安のないこのレッスンなら大丈夫だと思ったけれど参加いいですか?と言われて嬉しさと残念さを感じたこともあります。
なぜ楽しさばかり追うのだろう。安心して参加いただける安全性が根底にあっての楽しさじゃない?

安全性を考えている指導者は他にもたくさんいると思います。
ただ人さえ集まればという感覚で、安全性を後回しにしている指導者はなぜそれを選択するのだろう。

私自身は安心してご参加いただける、安全性と効果を実感していだける、そんな指導が結果として効果を実感していただけると思っています。

今一番心配なのは

安全性と安心を提供出来ないサービスが増えていること。

今オンラインレッスンが増えていますね。
そしてYouTube動画なども盛んです。
私も行っていますがライブ配信もいろんなSNSで始まっています。

ネットを調べればいろんなトレーニング方法やストレッチを検索することが出来ます。
情報は豪雨並み、津波のように溢れています。

その中から選んで観て調べて、やり方も注意点も知っている人は沢山います。

ところがそのやり方をちゃんと出来ている人、理解して動いている人は少ないです。
有名人の動画なんて観てやっているだけで、自分も同じように出来ている気がします。
これはリアルでもあることですが、やっていてキツイ、しんどい、汗かいてるを、出来ていると勘違いしている人も少なくありません。

知り合いで昨年の自粛期間中に痩せようと動画を見て頑張っていたら、脚を傷めてしまい痛くて運動を中止してしまった人がいました。
原因はいくつかありましたが、お話させていただいて納得されていました。
その方はいろんな情報に明るい人で、何かあればすぐにネット検索する人です。それでもやり方に問題があって脚を傷めてしまいました。

私が今一番心配なのは、安全性が保障されていないこと。
注意点は伝えているから後はアナタの責任です。
もっとひどいのは指導のプロではない人の動画。楽しいだけです。

私もライブ配信や動画を上げる時は、注意点は必ず伝えるようにしています。それでも観ている人がちゃんと出来ているのかを確認できないのが実はストレスです。

だって安全性や安心を大切に指導してきたのに、直接観れないのでフォローが出来ないんですよね。

今オンラインサロンを考えているのは、リアルタイムにオンラインで相手を観てフォローできる環境が整うからです。
もちろんリアルな指導現場よりも質は落ちると思います。それでも一方通行よりも相互通行の環境を整えられるのはいいですよね。

今一番気になっていることを解消すべく、オンラインサロンを立ち上げるよう準備しています。

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