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フィルムで残した高校生活

フィルムカメラを使い始めたのは、高校二年生になる春から。

初めて写ルンですを買って、何も分からないままとりあえず撮った。確か、何を撮ったかもわからないような真っ黒な写真が何枚かあったなあ、

今見るとなにこれ!って写真もあるけど、初めてって感じがしてそれも良いなと思う。

初めてカメラ屋さんに行って現像をしてもらって、出来上がった写真を見た時の
ワクワク感、それは今も変わらないな。

修学旅行で友達と朝まで喋って日の出を見た。

本当に綺麗なものを写真で残すのってすごく難しいなって思う。だけど、この写真を見るとこの時の日の出の綺麗さとか、空気感を鮮明に思い出せる気がする。

デジタルみたいに綺麗に映ることはないけど、だからなんとなく余分な情報が入ってなくてギュッと凝縮されている感じがする。


ひとつのフィルムで撮れる写真は24枚。
私はそんなにフィルムにお金をかけてなかったから、三年間で撮った写真は本当に少ない。

だからこそ一枚一枚、本当にフィルムで残したいなって思う瞬間だけを選んで、緊張しながら撮ってた気がする。
なかなか全部思った通りには撮れないけど。

毎朝8時の乗り換えの駅、
天気がいい日には目の前に眩しい朝の光がはいってくるのが好きだった。

お弁当の時間は友達と窓際のポカポカの席で食べるのが好きだった。

それが日常の時は特になにも思わないようなことも、多分、もっと大人になったときに写真を見返して、良かったなあって思うんだろうな。



二年生も終わって三年生になる。
大好きな部活を引退して、受験生になる年。

三年生になると毎日の部活が週一回になる。部活のみんなと過ごす時間が少なくなるのが寂しくて、春休みにはみんなで旅行に行った。

この旅行ではフィルムを2本撮った。
笑顔が沢山詰まったフィルム。
 

高校生最後の春、

去年と同じ公園で、みんなでお花見をした。

そこからの日々は、多分勉強と部活で忙しかったのかな写真があんまり残ってない。

夏休みは午前中に補習に行って午後は部活に行く毎日で大変だったけど、楽しかったと思う。
あまり記憶はないけど、一回だけ、補習をサボって先輩と友達とアイスを食べながら勉強の話をいっぱいした。ちょこっと悪いことしたけど、楽しかった夏の思い出。


そして次のフィルムが返ってきたときにはもう、私たちの部活引退の日でもある最後のライブ。

人生の中でも、この部分はすごくキラキラだなぁって思う、きっとこの先も。

それくらい三年の夏、部活の三年間は私にとって、とっても楽しくて素敵な時間だった。

みんなでやる音楽も大好きになったし、撮りたいな、残したいなって思う楽しい瞬間が沢山あったから、写真を撮ることも大好きになった。

沢山練習して作り上げた音楽じゃなくて、好きなように弾いて歌うセッションのような時間も好きだったし、

よく分からない遊びしてるのを見て笑って、おしゃべりする時間も好きだったし、

普通に、一日が終わって音楽室に行けばみんながいて、それだけで多分何もしてなくても楽しかったんだなあと思う。

そういえば、きっと私だけじゃなくてみんなもだと思うけど夜のスタジオの空間も好きだったなあ。なのに写真が1枚もないの。忘れてしまいそうで、少し悲しい。

青春!ってものが詰まった時間を過ごした感じがするな。

夏が終わる。

担任の先生は、「学校祭で燃え尽きた後は灰色の受験生だよ」って言ってたな。聞いたときは恐ろしい〜って思ったけど、私は周りの友達に沢山助けられたから灰色の中にちょこっと色付いたよ。

勉強尽くしの同じような毎日の中で、

今日は天気がいいなあとか
今日は空が綺麗だなあとか、

そういう日常のちょこっと良いことに目が行くようになってたし、見つけては元気になってた気がする。
これも、写真を撮るようになってからだなぁ。

学校にいる時間が一番長かったから、
二階の教室の窓には木の影がすごく綺麗にうつることを初めて知ったし、

学校にこんなに綺麗な紅葉があることも初めて知った。

三年生で学校の素敵なところ沢山見つけれたから、古いし、田舎だし、勉強は大変だったけど、まぁ良いところだったなあとちょこっとだけ思えた。

慌ただしい毎日の中でも、こんなちょっとしたことに嬉しくなる気持ちはこれからも忘れないでいたいなあと思う。

大変だったはずの受験期にこんな素敵な写真が残ってるのも、そんな嬉しいことを共有できる友達が周りに居てくれたから。

記憶って、楽しかったことより辛かったことの方が残りやすい気がする。

今、受験期を思い返して辛かったで埋め尽くされてないのは、日常の中のちょっとした楽しかったの記憶がちゃんと残されてるからだなって写真を見てて思った。

だから、楽しい瞬間を撮っておきたいなって思う。楽しかったがかき消されちゃわないように。


あぁ、もう写真がなくてあっという間に卒業式になっちゃうな。

なんとか大変な受験も終えまして、
久しぶりにみんなとわちゃわちゃできると思ってた卒業式はコロナで短縮。
バタバタで写真が全然撮れなかったの、今でもちょっと悔しいなあ。

唯一のフィルム写真。

大好きな人たちです。

高校生活最後の写真がこの一枚しか無いけど、私的にはもう全部ギュって詰まってる感じがするからいいや。

大好きな人の笑顔の写真ってそれだけでなんか気持ちがほわっとする。

三年間少しのフィルムで写真を撮ってきて、振り返ってみて、

やっぱり、好きな人たちとの楽しい時間をフィルムで残していきたいなと思う。

見返した時に心がほわっと温かくなる、そんな写真が最近はすごく好きです。

これからもきっと、たまーにフィルムを買って、長い時間かけて一本撮り終わる感じの撮り方を私はしていくのかな。

どうだろう。分かんないけど、

どんな形であれ、これからも写真を見返した時に幸せなきもちになるような写真を撮っていきたいな。

撮りたいと思える瞬間がいっぱいの生活を送っていきたいな。

高校生活で写真を撮ってきてほんとに良かった!

最後に、
いろいろ書いたけど、やっぱり私は写真が好き!

インスタグラム にもフィルム写真載せてます↓
https://www.instagram.com/nm_73n_film

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