35歳だけど小説家を目指してみた。
小説家を目指していたら、漫画原作者になれました。
小説を書き始めて3年目、37歳となった2022年の初夏のことです。
「いきなりなんのこっちゃ?」なことを言い出しましたが、妄想でも想像でもなく、事実のお話。
僕は35歳で小説を書き始めました。
それから毎日毎日少しずつ執筆を行なってきました。
そうして、先日の2022/6/7にようやく小説家らしきもののスタートラインに立つことができたのです。
正確には冒頭の通り「漫画原作者」としてですが、自身は自他共に認める漫画好きであるので、これは大変な名誉です。
なんたって、電子書籍サイトで4,500冊を超える漫画を購入しているくらいに漫画大好きなのですから。
そんな自分がまさか自らのライトノベルを題材にしたコミカライズが決まるだなんて。
そんなんだから、発表された時は沢山の人に宣伝してまわってしまいました。
LINEで、Twitterで、 Instagramで、Facebookで、実際に会って。
こういう時にSNSというのは本当にありがたいです。
たくさんの方からお祝いの言葉をいただき、さながら有頂天になっています。今もなお有頂天にいます。
その有頂天の原因は、もちろん小説投稿サイトのコンテストに投稿し、優秀賞をいただいたことが起因します。
今まさに編集者や作画担当の方と楽しくやり取りをする日々を過ごしていますが、投稿した時には、まさか本当にこんな日々が現実に来るなんて……という具合。
驚き半分、やってやったぜ! という高揚感半分が僕を包んでいます。
しかし、それもそのはずです。
最初は応援なんてされることもなく、変なアイツがまた変なこと始めたよ、という冷笑をひしひしと感じる中でした。
冷笑なんてものならばまだ良いかもしれません。
冷笑どころか見向きもされずに無関心の知人たちに、少しくらい応援してくれても罰は当たらないんじゃないかな?なんて恨み節を言いたくなることもありました。
「頑張って!」なんて声をかけてくれたのは、ほんの片手で数えることのできる程度の人々しかいませんでした。
ですが、そのほんの少しの方々のおかげで、どれだけ救われたことか。
皆さんもぜひ挑戦を始めた人には、温かいエールを投げかけてあげてください。
きっとその人は孤独の渦の中にいるはずです。
それでも、誰かのたった一言でその渦に呑まれることなくもがくことができたりします。
どうかチャレンジャーには温かい目を向けてあげてください。
そんな僕が小説を書き始めたお話はこちらから。
「なんで創らないの? 好きなら創るでしょ」
この一言がきっかけとなって今に至ることになるなんて、僕にそう言った本人は、きっと想像だにしなかったことでしょう。
ですが、僕もむやみやたらに走り続けてきた訳ではありません。
実はきちんとプランを練って頑張ってきたのです。
本業はIT企業の経営戦略&新規事業開発ということで、戦略と戦術を練って実行するのが本職ですので。
なんて無理矢理こじつけでみましたが、実際に小説を書くにあたり、まず三ヵ年計画を立てました。
計画というよりも三年間の過ごし方のガイドラインのようなものですが。
その計画がこちら。
この計画に沿って、この3年間を過ごしてきたことは言うまでもありません。戦略と戦術が正しければ、あとは実行あるのみなのです。
1年目:がむしゃらに書く
35歳。
誰もが「何を今さら夢なんて追っちゃってるの? チャレンジなんて恥ずかしくないの?」と思われたことでしょう。
その視線や冷笑を跳ね返してやろうじゃないか。
天邪鬼かつ負けん気の強い自分は逆境に置かれると奮起するタイプです。
「とにかく結果を残してやるから、笑ったお前ら見てやがれよ」なんて心の中で思っていたりしました。
そうして「小説を書く」と決めたその日から、90日間まいにちショートショート(短編小説)を書くことに決めました。
場所はここnoteです。
結果としては、90日間の小説投稿は達成しました。
誰にも宣言することのない、自らの心の中の誓い。
自分自身との約束すら守れないようならば、潔く負けを認めて諦めよう。
そう決めていましたが、自分との約束はきちんと守ることができました。
そのおかげもあって、初期のお話も荒削りな話も自分にとってはかけがえのない物語であると自信をもって言えます。
さらに運の良いことに「ポプラ社様 × note様」のコンテストである「こんな学校あったらいいな」で佳作をいただくことができたことも、大きな自信となりました。
今の僕がいるのは、間違いなくnoteさんのおかげです。
2年目:自分の場所を見つける
がむしゃらに書いた1年目。
2年目は自分の場所を見つける旅へと出ることにしました。
「自分の場所」
つまり、自分が得意とするジャンル、自分を応援してくれる人々がいる場所の探索を始めることにしたのです。
しかし、「得意ジャンル」と言うほどのものは正直言えば未だに見つかっていません。
ですが、書き続ける中で、自らの「強み」や「弱み」を実感することができた1年間でした。
自分の強み、それは「漫画が好きで、めちゃくちゃ読む」ということ。
漫画のような良い意味で「ケレン味のある作風」だと言われるようになったのも、なるほど確かにという具合でした。
自分の弱み、それは「長編を作るのが物凄くヘタクソである」ということ。
何を差し置いてもこれが真実であると痛感したこともあり、とかく上手い人の文章を読み、とにかく脚本の作り方や文章の作り方という本を片っ端から読み込みました。
そういうわけで、2年目もまいにち書いてスキルアップを目指しつつ、インプットも怠らず、さらには応援してくれる人や切磋琢磨できる仲間を増やそうと動いていました。
まいにち書くことを怠らないためにも「作業配信プラットフォーム」である「00:00 Studio」を使って、1年間日々欠かすことなくまいにち配信もしていました。
また、小説投稿サイトやコンテストなどにも積極的に応募・投稿することで、自身と相性の良いサイトやコンテストを見つけることにも精を出しました。
この頃から応援してくれる人や切磋琢磨できる友人が増えました。
一緒に歩いてくれる人がいるというのは、本当にありがたい限りです。
そんな中で辿り着いたのが「ステキブンゲイ」という小説投稿サイトです。
なるほど、小説家の中村航先生が主催されているサイトなのか。
なんと、中村先生が小説講座もされているではないか。
というわけで、小説講座にも潜り込み、小説や物語のイロハについての理解を深めていきました。
3年目:勝つために書く
そうこうして、2年目も終わりいよいよ3年目となります。
「この年に結果を残せなければ辞めよう」
そう決めていた年です。
そういう訳もあり、自分が勝負して「勝算の立つコンテスト」に狙いをすましての戦いを始めました。
ちなみに、コンテスト情報は蜂賀三月さんの運営されている「Web Novel Labo」がとてもわかりやすくまとまっているので、小説家を目指す方・コンテストに応募しようとされる方はオススメのサイトです。
毎日のように「Web Novel Labo」を覗いては、自分が得意そうなコンテストを見つけては応募することを続けた結果、3年目に入った頃より成果が出始めました。
「めちゃコミック 男性向け漫画原作賞」で「優秀作品」に選出されました。
「第二回ステキブンゲイ大賞」では「読者賞」を受賞しました。
「第1回 ちくま800字文学賞」は「三次選考」まで残りました。
そうして、先日の「ラノベストリート 第一回マンガ原作大賞」にて、優秀賞を受賞し、コミカライズが決定、という流れに繋がります。
「35歳だけど小説家を目指してみた」自分は、37歳になり小説家を目指していたところ、「漫画原作者」になることができました。
「漫画原作者になる」という夢の一つが叶いました。
しかし、夢が叶うと欲張りになるのが人間の業の深さかもしれません。
僕にはまだ叶えられていない積年の夢が一つと、新たな夢がもう一つ生まれました。
僕の次なる新たな夢は、大好きな「ASIAN KUNG-FU GENERATION」さんに主題歌を奏でてもらうためのアニメ化、です。
なんとも荒唐無稽な夢物語のようなお話ですが、ここまで来たからには、この夢だって叶えたい……!!
強欲な自分は切に願い、夢を叶えるために前身あるのみです。
さて、もう一つの引き続きの夢は「小説家になること」です。
自らの小説も紙の本として書籍化され世に出したいという気持ちに変わりはありません。
僕は3年前までは、「IT企業に勤める経営企画職」でしかありませんでした。
ただ会社でがむしゃらに働く社会人でした。今も結構がむしゃらに働いてはいますが。
しかし、そこから3年経った今。
「経営企画 兼 漫画原作者」という肩書きに変わりました。
さらにいつの日にか「経営企画 兼 小説家・漫画原作者」となれることを夢見て、僕はまた歩き出します。
夢を掴むためには一歩を踏み出さなければいけない。
嘲笑の対象になることだってある。
それでも夢を掴むためには諦めない。
僕は誰かの冷笑には怯えません。
僕は、僕のやりたいことをやります。
たった一度きりの人生なのだから。
できる挑戦ならばやってみなければもったいないから。
挑戦を楽しむ権利が、僕らにはあるのだから。
僕の小さな一歩が、誰かの偉大なる一歩に繋がることを願って。
加えて、コミカライズされる「異世界密着24時!?」が皆様に愛される作品になりますように……もし良ければ、アジカンの主題歌が付きますように……
なんていろんなことを願いたくなる今日この頃です。
#想像していなかった未来 #やってみた大賞
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