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「なんで創らないの?」から始まる物語

「なんで創らないの?好きなら創るでしょ」

一年前、あるクリエイターに言われた言葉。
その一言がなければ、いまの僕はいませんでした。

僕はいま「小説家」を目指して、毎日のように執筆活動を続けています。

夜な夜な文章を綴っては、コンテストに応募する用の作品を作ったり、webへ小説を投稿してみたり、誰かからのご依頼に応えたりしています。

ですが、あの一言がなければ、動くことはなかったでしょう。

僕は子供の頃から「何かを創作できる人」に対し、尊敬と憧れを抱いていました。

特に、小説やマンガ、イラスト、アニメ、映画、ゲームといったエンタメ作品が大好きでした。
誰かになれる楽しみ。知らない世界を垣間見る楽しみ。冒険のワクワク。ミステリーのハラハラ。
夢中になり、没頭し、夜を明かすということも少なからずありました。

僕は今もそれらに囲まれて生きています。

しかし、30年とちょっとの時間を生きてきても、
自らの手で「作品」を生み出そうと動いたことはありませんでした。

そんな話を昨年、あるクリエイターさんに話したことがあります。

「作品を創れる人は凄いですよね」
と純粋な気持ちで伝えました。

その返答が冒頭です。

「なんで創らないの?好きなら創るでしょ」

僕が発した言葉に、僕自身はどんな返答を期待していたのか。
きっと「ソンナコトナイデスヨ」という言葉だったのでしょう。

さらに言葉は、さらに続きます。

「うーん。よくわかんないんだけど、それ、好きじゃないんじゃない?」
「自分の『好きなもの』を創れるのは、結局、自分だけでしょ」

自身の好きな気持ちを否定された気持ちで戸惑いました。
一方で、何かを生み出そうとしてこなかった自分の怠惰も恥じました。

「よし、小説……書いてみるか!」
僕の心の中で、小さな火が灯った瞬間でした。

そうはいえども、何をすべきかもわからない自分です。

よくわからないけれど、「note」という文章投稿サイトがあることは知っていたので、「まずはここで90日間だけ超短編小説(ショートショート)を書いてみよう」と考えたのです。

90日間書いてみて、そもそも続かなければ……何か賞に引っ掛からなければ……その時にはキッパリとやめようと思って書いていました。

すると、意外なほどあっけなく90日間連続でショートショートを書くことは続けられたのです。

さらに運の良いことに「ポプラ社様 × note様」のコンテストである「こんな学校あったらいいな」で佳作をいただくことができました。

このコンテストには、実は10作くらい応募して、ようやく1作だけ佳作に選んでいただいたという経緯があります。

たくさん応募したので「がんばったで賞」みたいなものかなと思いながらも、賞をいただいたことがあまりにも嬉しくて、たくさんの友人知人に伝えました。

このコンテストがなければ、僕は今もなお小説を書くことをしてはいなかったと思います。

「なんで創らないの?好きなら創るでしょ」

そう言われて、あれから一年が経ちました。
僕は毎日、小説を執筆することに挑戦をしています。

誰かの言葉が、誰かのハートに火を付ける。
身を持ってそれを体験したのです。

「なんで創らないの?」
そのたった一言でここまで来ました。
あなたの一言は、きっと誰かのエネルギーになります。

僕の挑戦が誰かの新しい挑戦になることを願って。

#エンジンがかかった瞬間

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