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子どもたちのためにできることを探る    子どもの夢応援ネットワーク ともにいきるシンポPart4

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子どもの夢応援ネットワークが主催する「ともにいきるシンポPart4 外国につながる若者の支援を実践・実績から学ぶ」が3月14日、開かれました。箕面市立多文化交流センター・コムカフェを発信拠点に、東京や神奈川、浜松などとオンラインで結ぶハイブリッド型のシンポジウムでした。ウェビナー会議の仕組みを活用するシンポジウムは、ネットワークとしても初めての試み。ただでさえ、忘れられがちな外国ルーツの子どもや若者の支援に取り組む支援者や支援団体は、コロナ禍のために、さらに難しい現実に直面しています。現場で子どもたちや若者の支援に取り組んでいる具体的な話が紹介され、簡単には解決策も見出せそうにない難しい難題に向き合いつつも、あきらめずに前向きさを失わないパネリストたちのひたむきな姿に、刺激を受けた一日になりました。                 【中尾卓司】

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ともにいきるシンポPart4 報告1
堀永乃(ほり・ひさの)さん
一般社団法人グローバル人財サポート浜松代表

「人は地域の財産」を基本理念に、静岡県浜松市を拠点に、外国人を含むさまざまな立場の人が自己実現できる社会を目指して活動しています。

在住外国人の就労定着促進や若者の社会活動を支援しています。

南米系外国人は、2008年のリーマンショック後に困難に直面しました。「日本社会は冷たい。新しい活路を見つけたい」と外国人の介護人材の育成を始めました。
まちなかに出て、介護の研修を展開すると、外国人と日本人の双方向のコミュニケーションが生まれ、外国人も、世の中に認められることで自信をもつようになります。
外国人材と介護事業所をつなぐことにも取り組んでいます。定住外国人の人材を採用することに気づかない介護事業所に、採用を促すことにも意味があります。

ブラジル人学校の生徒向けにキャリア教育にも力を注いでいます。
子どもたちに、自己肯定感を持つことでもっと頑張ろうという気持ちを持ってほしい。保護者の「労働力の調整弁でいい」という考え方を変えることも課題だと受け止めています。難しい課題かもしれないが、一方的にならないように気を配りながら、長い時間を掛けて取り組みたいと考えています。

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ともにいきるシンポPart4 報告2
田中宝紀(たなか・いき)さん
NPO法人青少年自立援助センター

「海外にルーツを持つ子ども・若者」とは、「国籍にかかわらず、両親またはどちらか一方が外国出身者」を指します。外国籍とは限らず、「ハーフ」「ダブル」「ミックスルーツ」と呼ばれる日本国籍の人も、無国籍の人もいます。
「外国のルーツを持つ子ども」「外国につながりを持つ子ども」など呼称が多い。そのこと自体が海外ルーツの子どもたちの不安定な状況を示しています。

手探りしながら、子どもたちの学習支援や、若者の支援、自立就労の支援を展開しています。子どもたち、若者たちが大変な状況に直面している事実を情報発信することで、応援してくれる人を増やすことにも力を注いでいます。

進学率が低く、非正規雇用の就職率が高いことが分かってきています。この問題について、セーフティーネットは十分でありません。地域若者サポートステーションと連携しながら、この課題に取り込んでいます。日本語学習をサポートしてから、就労支援につなげる流れを模索しています。

海外ルーツの支援者と若者の支援者が得意な分野を補い合うことが必要です。
海外ルーツの子どもたち・若者たちの課題に対し、得意分野のエキスパートが「多文化対応」できるように連携を重ねたいと願っています。

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ともにいきるシンポPart4 報告3
高橋清樹(たかはし・せいじゅ)さん
認定 NPO法人 多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)事務局長

外国につながる子ども・若者には、四つの壁があります。
・基礎学力定着の壁
・高校進学の壁
・高校での学習支援の壁
・社会参加自立の壁

生きづらさを感じる子どもたち・若者に対するセーフティーネットが重要です。
家庭や本人から、信頼感を得られるかどうかが、支援のポイントになります。
居場所・学習支援、高校連携、相談支援事業、ネットワーキングと段階的な活動を展開しています。民間と行政がつながって連携する枠組みが、支援がちゃんと機能するために必要だと感じます。

外国につながる若者が活躍する社会に向けた条件として、以下の4点があると考えます。
・社会の捉え方を変える
・適切な支援がグローバル人材育成につながる
・多文化ソーシャルワーク的包括支援
・社会の受け皿づくり

外国につながる若者たちは、以下のような切実な思いを抱いています。
「さまざまな困難にぶち当たり、必死に乗り越えようとしてきた」
「母国と日本をつなぐ役割を担いたい」
「日本で自分らしく生きて、働く平等のチャンスをください」

大学、専門学校、企業それぞれの段階で、外国につながる若者たちが活躍できるモデルや実績が生まれる仕組みづくりに期待したいと願っています。

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#子どもの夢応援ネットワーク #多文化共生 #コムカフェ #外国ルーツ #コロナ禍 #グローバル人材