静かな雨で考えること
静かな雨が降っている。地面に激しく打ちつけるようなものではなく、雪のように柔らかい、植物の葉に優しく触れるようなものだ。僕は、アスファルトの変色でその存在にやっと気がつくことができた。
夏の雨には、恐怖のようなものを感じていた。雷もセットなので何とも暴力的というか、高圧的というか。涼しくなるのはありがたかったのだが、素直に感謝をできない存在であった。
今日の雨は親しみが持てる。猫の額ほどしかないベランダで育てている植物も喜んでいる気がする。いわゆるゲリラ豪雨ではなく、降るべくして降っている雨だからか優しく感じるのだろう。
人だってそうだ。静かに過ごそうと思っていたのに、急に面倒なスケジュールを入れられれば不機嫌になる。逆に予定通りに物事が進めば、心穏やかに過ごせるものだ。
毎日、忙しない。でも、たまに予定通りに事が進む。もはやこの状況が想定外で、僕はどう過ごすかを考えてしまっている。