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レーベル代表より新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。
2018年は本当にありがとうございました。
2019年もよろしくお願いします。
当たりまみれの鶴岡八幡宮のおみくじで「凶」を引き当てた幸運の持ち主。中野です。「凶」の文面は全然悪くなく、むしろ非常に素敵な内容でした。引っ越しだけはやめておけとありましたが、まだするつもりはないので大丈夫。生まれて初めて「凶」が出たのでテンション上がりました。
noteを始めることにしました。少しずつ書いていきます。

思えばドワっと駆け抜けた2018年。当たり前の様に大変な事がたくさんありましたね。

年の初めにbonobosとの2マンがあって、バンド初となるWWWでの公演。「Pavlov City」のリリースからだいぶ経ってから、Spotifyが盛り上がったり、synchronicityややついフェスなどの都市型フェスに呼ばれたり。環ROYさんとの共演なんかも、本当に刺激的だった。

前作から間を空けずに作った「On Your Mind」はとてつもない忙しさの中、葛西敏彦さんと風間萌さんのいるATLIOで収録。内容の濃い5曲入りを完成させて、プレリリースパーティーを2度目の渋谷wwwでbohemianvoodooとMimeを呼んで敢行。

実はそんなあれやこれやをやりながら、僕は長年勤めた会社を辞めてフリーになった。初めて仕事と距離を置いて、音楽や子供と向き合う時間を手に入れて、本当に自分がやりたいこと、やるべきことなんかをきっちりと考える時間を得た。そしてMaypril Records代表という肩書きをもらった。さてどうしよう。

2019年はレーベル代表として行動を起こそうと、6万字近いテキストと、プレゼン資料をメンバーに見せて、熱意を伝えた。やってみなくては何もわからない。不安とワクワクが入り交じる毎日。さまざまな人に会い、本を読んで、自分なりの考えを文章にし、発展させ形成する時間は真に楽しく、エキサイティングだった。そこにきて平成最後の年末年始、みんなが、一年と平成を総括してる。平成とはなんぞや。

昭和生まれ、平成育ち、挫折だらけで成功も栄光も全く経験できなかった僕は、新しい年号を前に音楽と世間について、現状はいかなるものか、毎日毎日理解しようと努めた。これまで歩いてこれたのは、まぎれもなく音楽のおかげだった。音楽が残って行くことだけが、苦しい日々の唯一の希望だった。でも最近、僕は心がもげた。それは、このまま音楽をやりつづけても、本当に見たい景色は見れないんじゃないかという思い。何か絶望感に近いものがあった。忙しい仕事から距離を置いて、改めて社会を見た時、キョトンと落ちこみました。分断、断絶と孤立、世代間の溝は深まるばかり。僕の周りには最高な人ばかりだから、あまり気にせずやってこれたけど、ひどく落ち込んだ。

格差だらけなのはお金や学歴だけじゃない。
なんかつまらない世の中になっているな。と。
夢も希望もないな。と。
波風立てられることを嫌うならまだしも、遠隔で攻撃し合うような殺伐とした、つまらない世の中だなと。
なんかしょうもないなって。こんなんだっけ?と。

この国でいくら歌っても、作っても、何もかもが無駄になってしまうんじゃないかと、珍しく深く落ち込んでしまった。意味あったのかなとか、無駄だったのかなとか、初めて考えた。どうしてこんなにも無邪気に活動できていたのか、自分で自分に驚いてしまった。なんて素晴らしいバンドなんだろうと涙が出た。とはいえ、娘も妻も僕を支えて応援してくれている。いい作品もできた。メンバーも健康。お客さんも少しずつ増えてる。新しい曲の萌芽もある。状態はこの上なく素晴らしいから、落ち込んではいられない。文句を言っていても仕方ない。自分が再び興奮して、楽しくなるにはどうしたらいいんだろうと考えるようになった。自分が一番楽しめることをしない限り、誰も幸せにはできない。何よりもう歌えない。「とんかつ」に頼るだけではままならない。空気を読んだり、顔色を伺ったりそんなことばかりしていると、自分がどんどんおかしくなっていってしまうことにも、改めて気づいて、一番「好きなこと」について考えてた。

僕が一番好きなのは、歌うこと。ただ、それを楽しむにはいくつか必要なことがあって、
それは

前向きに人と関わり、作戦を立ててみんなで何かを作ること。
色んな人の才能やパワーを循環することなわけです。

それは別に、バンドのような少人数のチームとも限らず、お金を持った制作チームや会社にも限らず、思いがあればだれでもどこからでも参加できる、イカしたコミュニティみたいなものに興味があるんだと気付きました。気づけばバンドもそういう結束のコミュニティだったなと。対等で、大人で、極めて前向きな。すごく楽しくて、自分を成長させてくれた場所。

クソみたいな世の中のことなんて気にせず、そのコミュニティの中で作りたいものを思い切り作って世に出せたらいいなぁと。届けられたらいいなと。アーティストも業界人もファンも、垣根のない一つのチームみたいなコミュニティが作れたらいいなと。大手のレーベルやレコード会社から声がかかるまで、待つのもね。大人になってしまった僕にはどうも現実的ではなくて。参加してくださる方々と協力しあって、ワクワクするものを形にしていきたいなぁなんて考えたら、少しずつ元気になった。そんなコミュニティをMaypril Recordsで作れないかなぁなんて、考えだしたら、アイデアがとめどなく溢れた。

そんな頭で、新年は何かしらのアクションを中野個人的に立ち上げたいなって思います。様々な人に巻き込まれて欲しいなぁと。思ってます。色んなワクワクする話を対等にしたい。そんな気持ちが膨らんでます。

みんな、この社会の中で、昼も夜もなく戦って、家族を養ったり、働きまくったり、夢をもってやってるのはわかるけど、みんなどれだけ我慢しまくって生きてるんだろうなぁって思う。どれだけの人が胸を張って幸せに生きてるんだろうなぁって思う。いつかを待って、足並み揃えてはみ出さないように壮大な順番待ちをして生きてる。こんなもんだなぁなんて思いながら生きてる。だから、目立つ奴がいると寄ってたかってボコボコにする。ネットが始まったころの遊びをまだ繰り返してる。今やもう発展性のない、つまらない遊び。おさがりのおもちゃで遊んでるみたい。僕はもう少し面白い遊びをたくさん知ってる。

音楽も仕事も、生きること自体、もっと楽しいはずじゃね?と思わずにいれない。もっと熱狂して、もっと興奮して生きたいなという気持ちが治らない。だから、まずは自分から動き出そうと思います。もうひと味、毎日を楽しくする何かを、僕らは提供しあえないかなぁ、共有しあえないかなぁと。思うわけです。ずっと仕事に追われて、まともに考える時間がなかったといえばそれまでだけど、生きるってことは、もっと夢のあることのはず。考えて行動することで、もう少し真髄に触れたいよなと。歌っている瞬間をもっと輝かせて、友達の歌を聴いている時ももっと楽しみたい。

言葉でいくら話しても全貌は伝わらない気がする。
だから行動に移すしかない。
形になって来る頃に、そばにいてくれる人にはきっとイメージできるはず。

関係ない人ほど色んなことを言うでしょう。
無関心な人がほとんどでしょう。
彼らに説明したり、振り向かすエネルギーを、バンドが大好きな人や、楽しみにしてくれてる人と幸せを共有することに使いたいと心底思う。

僕らは必死で作ることだけに特化してきてしまったから、マスに訴える為の努力やバズらせる為の戦略みたいなことはずっと二の次三の次で、自分達をどれだけの人が支持してくれているのか、実は全く理解してない。なんだか、申し訳無い気持ちになった。きっともっと大きな場所で、沢山の人と共有されるべき音楽なんだと、僕ら以外の人の中にはイメージがあるような気もした。でもそれぞれみんな忙しい。優秀な人ほど、大きな案件で戦ってる。そんな人達とも、それぞれできうる範囲で、力を出し合って、何か大きな夢が見れないものかしらと、ずっと考えてた。

自分からアクションを起こすことは怖いけど、それでしか得られないことが、この世には沢山ある。僕は誰一人傷つけたり悲しませたりしたくない。価値を高めあって一緒に新しい試みに漕ぎ出せる仲間が欲しい。参加してくれる人たちと日々を豊かにしあいたい。アイデアとユーモアにあふれたやりとりをしたい。そんな気持ち。そしてもう少し、このどうしようもない社会に楽しく豊かな場所を作りたい。そんなことを考えていたら、元気になった。メンバーにも話して、理解してもらった。

だから

そんなアクションをしますね。
もちろん、歌い手としても頑張ります。
よかったら巻き込まれてね。

2019年が皆さまにとって、豊かで実りのある。
余白をたたえた日々でありますように。

Emerald / Maypril Records代表 中野陽介

温かなサポートは他のノートのサポート始め、外で書く際のコーヒー代などに当てさせていただきます。