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建築に於ける「変化」

今僕らの宇宙は三つの次元(長さ・幅・高さ)の物理空間に、「時間」というもう一次元要素を加えた四次元世界だと言われている
少なくとも我々が住んでいるこの世界がそうである以上、建築家が創る建築空間も時間的な要素を考えるべきである

時間的要素の吹き込みとは、
例えば、ここから見える今日の雲と明日の雲は絶対に違う
庭に植えている落葉樹は夏は多い茂っているが冬は枯れ落ちているだろう
同様に、風、空、月、光、、、、、様々な事象は全て時間経過とともに表情を変えることに気づく

不動産用語には経年劣化という言葉があるが、建築ではそれは劣化ではなく「経年変化」と呼ぶ

京都や奈良にある経年変化した「渋い茶色」の日本の古建築だって、建設当初はピカピカだったことをみんな忘れている

時間が経過するにつれ、色は剥がれ、そこに風雨による汚れやボウズ達の手垢が付着して、結果、今の味わいあるワビ・サビ的表情になったのだ
だから簡単に言えば、僕たち現代人は、風雨による汚れや手垢に、寺院の信仰心を感じていることになる

この世に産まれ出た赤ちゃんのツルツルのモチ肌は、年を経ていくつかの出来事に出会うにつれて顔にシワや深みが出てくるように、本物の建築にも時間とともに必ずそれが表情に出るようになる

こう考えると、新築だけがありがたがられている不動産建築などは本物と呼べないことがわかってもらえると思う

みんなは産まれた時はチヤホヤしてた自分の子供が、成長した途端に嫌になることがあるのだろうか?  

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