【詩】ぴったりと重なった運命の輪に挟まれて

朝が来て窓を開ける
入ってくる空気は新しいけれど
いつもどこかから嫌な匂いがする

幸福な二人の
ぴったりと重なった運命の輪に挟まれて
音もなく誰かが死んだらしい

何も知らなければ
世界はずっと美しいままだった?
山も鳥も花も月も星も森も風も海も

この胸の苦しさを
絶対に言い当てられたくなんかないんです
強くなれる気がするものだけがほしい

今日も夜が来て幕が下りる
安心して眠れる場所を照らすのは
いつでも小さな光だった


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