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超ショートショート

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超ショートショートとは、短くて不思議な物語。 「誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座」という本を読んで 「僕にも作れそう…!」そう、思いnoteで投稿することに決めました…
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2024年2月の記事一覧

パティシエの優先座席【ショートショート】#40

パティシエの優先座席【ショートショート】#40

この街の各交通機関には「パティシエ優先座席」が設けられている。

この街の市民の10人に3人はパティシエで
店舗数は美容院や歯科医院よりも多い。

これは地元出身の国会議員である
甘杉議員の働きかけによるものだ。

スイーツのトレンドは週単位で変わる。
それほどに、この街の市民はスイーツに目がない。
また最近ではスイーツの売り上げの一部が活用され
「パティシエ専用パスポート」制度が導入された。

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消臭する雨【ショートショート】#39

消臭する雨【ショートショート】#39

霧のような細かい雨が特徴の消臭雨は、
浴びることでタバコや汗などの嫌な匂いをかき消してくれる。
そんな日は傘を持たずに出歩く人や運動後のランナーたちが
川沿いの芝生エリアに寝転び日光浴をするかのように雨を浴びている。

たまにアロマやフローラルの香りのする雨を降らせることもあり
住宅街では洗濯物を出しっぱなしになっている。

ただし、良い香りも消えてしまうために
花壇の花の香りは、随分と前に忘れて

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マグロ自転車【ショートショート】#38

マグロ自転車【ショートショート】#38

出勤のため最寄り駅へ向かうのためバス停へ歩いていると
1台の真っ赤な自転車が猛スピードで僕の真横スレスレを通り過ぎて行った。

「危ないなぁ…」と思いながら自転車を目で追いかけていると
その自転車は赤に変わったばかりの信号にも臆することなく走り過ぎる。
さらに停車していたバスに乗りこもうとする
乗客とバスの隙間をも駆けて行った。

ちょうど乗りこもうとしていたご婦人は「ぎゃあ〜」と
仰向けにのけぞ

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夜逃げホテル【ショートショート】#37

夜逃げホテル【ショートショート】#37

「もう夜逃げするしかないな…」
男はそう心に決めると、早速準備に取りかかろうと
目の前についた物を掴もうとしたが
すぐに動きを止めた。

「せやけど、夜逃げって…どないな準備したらええんや?」
ポケットに入れていたスマホを探りながら部屋の隅に腰を下ろしす。
「まずいっぺん調べてみるか…夜逃げスペース準備と」
検索結果をスクロールしていると、ある謳い文句に目が止まった。

<<今すぐ夜逃げしたいあな

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レッド企業【ショートショート】#36

レッド企業【ショートショート】#36

仕事を終え、入り口の自動ドアが開くと
ビジネス街を彷徨っていた寒風に飲み込まれた
「うぅ…さぶ、今日は特に冷えるな」
市内は珍しく雪が降っていた。

「今日、雪降るなんて言うてへんかったぞ。
 チッ、はよ帰ろ」

足早に駅へ向かう途中、
駅前で男女数人が道ゆく人々にしきりに何かを配っている。

「試供品のホットスプレー配布しております!
 ワンプッシュ、身体に吹きかけるだけで、
 あったまりますよ

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命で買いもの【超ショートショート】#35

命で買いもの【超ショートショート】#35

深夜の時間帯にだけ開くスーパーマーケットがある。
このお店にはありとあらゆるモノが売っているが、
全てお金では買うことができない。

ここでは自分の寿命…つまり命の時間と引き換えに
モノを手に入れることができる。

例えば、もやしなら30円ではなく30秒、
アルコール飲料350ml缶なら300秒分の命の時間を切り売りし
購入するといったシステムだ。

もちろん自分の寿命がいつ尽きてしまうのかは当人

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