第44回 税の本質を考える(問題編)
「資本論-ヘーゲル-MMTを三位一体で語る」の、第44回。
今回は、このシリーズでワタクシが世界に提示したい社会モデルの基本形にあたるところを書きます。
前回(「総体としての準備金」概念の誕生へ。reserves から reserve への話①)の続きを考えていたのですが、そのためにもモデルがあった方がわかりやすい。
今回のエントリは今後何度も引用することになるはずです。
Imagine.
A world with a surplus but zero 'added value'.
想像してください。
剰余はあるけれど「付加価値」ゼロの世界を。
そういうところに、新しい政府がやってきた。
剰余はあるけれど「付加価値」はない世界
次のマンガで考えてみてください。
むしろこの情報だけで「付加価値」がある世界を想像する方がむつかしいのではないだろうか。
何を言っているのかわからない?
それが正常です。
付加価値というのは、企業の粗利、つまり「売上」から「原価」を引いたもの。
わざわざそういうものを考えなくても、ゆたかな社会を考えることができるはずです。
彼らは「蓄積がない未開人」であるとも限らず、文明を持っている。つまり蓄積を持っているということがあり得ます。
蓄積とは何かといえば、たとえば大変な暴風雨がやってきて人々が生産活動を全くできなくなったとしたも社会として存続できる時間の長さのことだと言えます。
しかし一方で、仮に暴風雨に襲われたときに存続できる計算上の時間はとても長いけれど、ちっともゆたかではない世界を考えることもできます。
それはみんなが将来の「存続可能時間」を長くするために、今日の楽しみを我慢して、そのために人生の大半を投入しているような世界です。
彼らは違います。
一週間後
さて、一週間後の状態は、必ず次のようになっています。
誰がいくつの通貨を持っているかはわかりませんが、合計が630だということだけがわかっています。
政府は目的を達成している!
そもそも彼らが通貨を受け取ったのは納税義務があったからでした。
政府は望み通り、この社会に消防機能を組み込むことに成功しました。
政府が自らの目的を完全に達成していることを確認できました。
次に、政府は徴税をする必要があります。
なぜ?
そうしないと、消防をする人が現れなくなる可能性があるから。たまたま今消防をしてくれているAさんだって、もともと特に消防がやりたかったのではなく、みんなのためにやっているだけ。
納税(徴税)を考える
一週間後、政府は消防士に630の税を納めるよう命じます。
消防士は徴税係も兼ねることになるわけです。
さあ問題。
彼はどうしますか?
残る二人は、持っている通貨をどうしますか?
イマジン!
解答編でお会いしましょう。
たぶん皆さんの想像を超えたものじゃないかなー
それがMMTが考えている、税の本質だと思いますよ。
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