唯一の共感者。

凡そ生命を宿すもの、いや万物は常に孤独を抱えている。

一期一会とは期間の問題だ。街中ですれ違う人、学校生活を共同する者、社会的生産の為の雇用関係、大切な友人や恋人、家族。

その他諸々、全ては一期一会であり、マクロ-ミクロの違いでしかない。

故に人間はいつの日も寂しさを抱え、孤独の世界を生きている。ここには仮初の繋がりだけが存在し、芯なき点線を御守りに息をする。

季節の移ろいの美しさを味わう。新鮮さを伝えにやって来る。

夏の訪れは春との別れを意味する。先にある結末に目を閉じ、今を生きる。私達は出会いと別れの因果を抜け出すことはできない。

矛盾と葛藤が蔓延り、心が摩耗する。粗雑から洗練。自分の核に対峙する。

原点に立ち返る。本来の私はどうだったのか、と。

抑圧していた特異性が目を覚ます。誰にも受け入れられなかった君が浮かび上がる。

喜びを共有していたのは誰か。憎しみを悲しみを怒りを。常に隣に居続けてくれた者は誰か。

私のよすがは私にあり続ける。生まれてから、消えてなくなるその日まで。


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