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PERFECT DAYS

○です。

今年も始まって数日が経過しましたね。
50映画・50読書・月1美術館を目標に今年はやっていこうと思っています。
その数アウトプットもぼちぼちこなしていこうかと。
昨年後半はなかなかアウトプットできず。
仕事やプライベートの忙しさは言い訳にしか聞こえないけれど、心の余裕があるときに吐き出すことで、自分のこれからに生きるアウトプットにしていきたいのです。

こうした気持ちになったのも、去年の暮れの最後の出会い。
PERFECT DAYSという映画がきっかけです。

ヴィム・ヴェンダース監督の作品で、2023年12月から上映されています。
役所広司扮するトイレ清掃員の平山の一日を描く作品です。

箒掃除の音で目覚め、布団をたたみ歯を磨き、家を出る。
今日はいい天気なのかもしれない。コーヒーを買って仕事に出向く。
なんだか憎めない後輩と仕事をしつつ、お昼はいつもの場所で。
仕事が終わったら銭湯に行き、馴染みの店で一杯。
家に帰ると本を読み、男の一日が沈むように終わってゆく。

こんな何気無いルーティンを、この映画では着飾らず描いていきます。

時にイレギュラーも起こります。
姪っ子が家に転がり込んできたり、後輩に金をたかられたり。
イライラすることだってもちろんあるのです。

それも含めて、平山という男の一日なのです。

平山は変わらない自分のペースを保ちつつ、変わりゆく世の中で生きています。
段々と変化する日常。ただすぐに変化した日常は平山の日常になる。
その繰り返しです。

作中のセリフに「こんどはこんど、いまはいま」という言葉があるのですが、この言葉こそ輪廻を物語ると思ってます。

こんな日常に惹かれていった僕ですが、どんどん変わる日常の中でも平山には大切な感性があることを作品を通して感じていました。

家を出る時に空を眺めて笑顔になる。
朝かけるカセットテープを気分で選ぶ。
昼休みに木漏れ日の写真を撮る。

平山は移りゆく日常の中でも、自分の感性が見失わないのでした。

この姿を見続けていると、自分は果たして日常に感動を感じているのか?という疑問が自然と湧き出てきたのです。

通勤路の木漏れ日。川の流れ。飛行機の音。

当たり前がこんなにも残酷なことなのかと思いました。

美術館や芸術は、自分を非日常へ連れていってくれる点が大好きです。
ただ、その裏側の日常への愛はどこへいってしまったのでしょうか?

この日常の大切さを再確認できたのが、この作品でした。

こうして僕は今年アウトプットをたくさんすることで感性を再確認したいと思ったわけです。
どんなことが好きなのか?を自分でまた探そうと。
そもそも非日常が本当に好きなのかどうかも。

まさに僕自身のPERFECT DAYSを探すため、モノクロになった当たり前の日常に再び色をつけていこうと思ったのでした。

この作品が去年最後の鑑賞でよかった。
とてもとても大切にしたい映画作品の一つです。

今年もよろしくね。


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