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牛乳キャップってなに?

◯です。以前書いていたブログの記事のリライトです。(2020/05/26)

今回は牛乳キャップについてお話していきます。

牛乳キャップを収集しているというけれど、そもそもなに?という人向けに、牛乳キャップというモノがそもそも何なのかを解説していこうと思います。

この記事を読むことで、少しでもすごい、価値があるんじゃないかと思う人がいてくれたらとても嬉しいです。


牛乳キャップってなに?

牛乳キャップとは、瓶牛乳に付属する紙のフタのことです。

牛乳以外にも、コーヒーオレであったりフルーツオレ、飲むヨーグルトや、瓶詰のバター飴といった、多くの瓶製品のフタとしても活用されています。

この牛乳キャップ、結構開封するのが難しい。例えば上の小岩井フルーツのような構造は、爪でカリカリと持ち上げるように開けると、フタがボロボロになってしまったり。

表面だけ削ってしまったりと、綺麗に開けるのはなかなか難しいんです。

でも、このようなフタ開けを使えばきれいに開封できたりします。

ドリプし

しかし、この他に耳のついた牛乳キャップもあります。この耳を引っ張ることで、器具いらずで簡単に開封することができます。ただこの耳付きのキャップは、都道府県別で使用の可否が決まっているそうです。

最近は、紙製の牛乳キャップは減少傾向にあります。ただ、消滅したわけではなく、一部では使用されています。

いま牛乳キャップはどうなっているのかというと、プラスチック化が進んでいます。このフタなら見たことあるという人も多いのではないでしょうか。

紙フタと比べ、保存ができるというのが最大のメリットです。紙フタは一度開封してしまうと保存がききません。衛生面においてもプラスチックのほうが上手です。

ただ、紙フタのデザイン性や、ノスタルジーが失われてしまうのは、ぼく個人としてはとても寂しいです。


牛乳キャップの歴史

紙の牛乳キャップが使用され始めたのは、1928年のことです。それまで様々な形の瓶牛乳が販売されていたのですが、牛乳の腐敗事件などが発生したことから、「牛乳営業取締規則」の改正が行われます。

その規則で定められたのが、無色透明の広口びんに紙製のフタを使用すること。これが牛乳キャップの原点であるとされています。

その後、テトラパックという三角形のパックや、現在広く使われている牛乳パックと共に、牛乳びんは使用されていきます。

学校給食は、今や牛乳パックの牛乳が主流ですが、昔は牛乳びんが主流でした。そのため、牛乳キャップは少年たちにとって身近なものであり、メンコなどの遊びの道具に使用されていました。

中には、勝ったほうが相手の牛乳キャップをもらう、なんて戦乱の学校もあったみたいです。

ぼくは牛乳パック世代なので、とてもうらやましい限りです、、、

現在、上記のとおり紙製の牛乳キャップは減少してきています。

たまに旅館や銭湯で見かけたり、牧場の直売所や高速道路のサービスエリアなんかで出会えたりします。

宅配牛乳なんかでも見かけるかもしれません。

なにはともあれ、少し寂しいなあ。


34.1mmに広がる情報の表示

牛乳キャップの基本サイズは34.1mm。中にはそれより小さかったり大きかったりするものもありますが、なじみ深いのはこのサイズです。

そこに記載されているのはただ企業ごとのデザインではありません。

このフタを見るだけで、牛乳や企業に関する様々な情報を知ることができるのです。

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これは、アイキャッチ画像にも使用した塚田牛乳の牛乳キャップです。牛乳キャップは、基本このように記載でぎっしりです。本来、これらの表記は必ずしてないといけないのですが、たまに表記がしっかり記載されてないフタもあったりします。

本当はしないといけないんです。しっかりと。

さて、まずは一番目立つといってもよい商品名です。

ここが、結構企業や牧場によって違っていて、個性あふれています。

塚田牛乳の場合は青色ですが、牛乳キャップには赤や黄色、緑など様々な色があります。中にはロゴやキャラクター、フォントが違っていたりと、バラエティ豊かです。

そして牛乳キャップの真ん中に位置する白い円の中の数字。これが消費期限・品質保持期限を示します。

このように、数字が記載されている場合は、日付を示します。なので、この牛乳は、購入して次に訪れるこの表記の数字の日付までが品質保持期限となります。

この消費期限なのか、品質保持期限なのかの線引きは、低温殺菌の場合が消費期限、超高温瞬間殺菌の場合が品質保持期限であることが多いそうです。

ちなみに、牛乳の殺菌の手法は、現在は120~130℃、2秒間での超高温瞬間殺菌が主流です。塚田牛乳の場合、表記を見ると超高温瞬間殺菌であることがわかります。

低温殺菌は、昔ながらの殺菌の手法で、超高温瞬間殺菌よりも低温で、じっくりと時間をかけて殺菌していく手法です。

そして下側の牛乳の文字。これは種類別表示といいます。牛乳にも種類があり、大きく牛乳・加工乳・乳飲料の3つに分類されます。そのほかにも、発酵乳など別の分類がされるケースもあったりします。

公正のマークは、いろんな商品で目にすることも多いかと思います。これは、そのまま公正マークと呼ばれるマークで、全国飲用牛乳公正取引協議会の会員の証であり、飲用乳の表示に関する公正競争規約にのっとって表示がされている飲用乳につけられています。

最後に、外周。ここには、成分表示や生産場所の記載がされています。ちなみにぼくはここを見返すことで、この牛乳はどこからきたのかを再確認したりしています。

どうでしょうか。牛乳キャップからは、こんなにわかることがあるんです。

ただ、ここで紹介した記載はあくまでも平成式。昔の牛乳キャップは記載が違ったりします。

表示によって、牛乳の生産技術や生産地を知ることができるほか、牛乳の歴史なんかもこの円盤から知ることができるのです。

資料的価値だってすごいんだ。


さいごに

牛乳キャップについて、基礎的なことをまとめてみました。

現在、牛乳キャップはコレクターをはじめとして、いろんな人に愛されています。

ただ、それは世界のごくごく一部であって、現状ではただのフタであり、ゴミといった価値観が一般的であることは事実です。

しかし、価値を見出す人はしっかりと価値を見出しています。ネットのオークションなんかを覗いてみると、数千円を超えたりするものだって存在しています。

ぼくは、牛乳キャップには、資料的価値として、思い出の価値としての価値観を抱いています。

記載方法からわかるとおり、牛乳キャップには牛乳の歴史を知ることができる資料としての役割があります。

思い出なんかも、記載の生産地を見ることで、あそこで手に入れたんだっけとか、思い出を掘り起こすことができます。

そのほかにも、デザインであったり形であったり魅力的な箇所はたくさんあります。

価値観は人それぞれ。

だけれども、この記事がきっかけで、少しでもこの牛乳キャップという物体に興味を抱いてくれたらとてもうれしいです。

長々となってしまいましたが今日はこれまで。

参考文献・サイト

参考文献

和田安郎 2002 『Milk capー牛乳ビンのふたの本』 きんとうん出版

参考サイト

一般社団法人 日本キャップ協会:キャップ紹介(2020/05/25)

一般社団法人 日本乳業協会:牛乳容器の移り変わり(2020/05/25)


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