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(保存版)つくば市「令和5年度市政運営の所信と主要施策の概要」

つくば市ホームページの「市長の部屋」コーナーにある「市政運営の所信と主要施策の概要」では、過去のものが消えてしまうためアーカイブの意味合い、掲載がPDFでスマホなどで読みやすいものではないことからテキストで転記しました。
なお以下の本文では追々、把握できる範囲で、令和5年時点でのつくば市ホームページで施策等が公開されている箇所へのリンクを追加していきます。

令和5年3月つくば市議会定例会の開会に当たり、令和5年度の市政運営に対する所信を申し上げます。

はじめに

ここ数年、新型コロナウイルス感染症への対応に翻弄される状況が続いてきましたが、今後は必要な感染防止対策を実施しながらも、これまで以上に地域の活力を積極的にまちづくりに反映していけるよう、市政運営に力を注いでいきます。

昨年は、つくば市が国のスーパーシティ型国家戦略特別区域として区域指定されました。そこで掲げた「つくばスーパーサイエンスシティ構想」では、科学技術によって人類に新しい選択肢を示すことで、人々の多様な幸せにつないでいくことを目指しています。そのため、つくばの英知を結集して、先進的な取組を進めていきます。
また、つくばの玄関口であるつくば駅周辺のリニューアルを行っており、昨年5月にはつくばセンタービルに、市も出資しているまちづくり会社により「働く人を支援する場(co-en)」が開設されました。令和5年度は、つくば駅周辺の公共施設等を集約した新たな市民活動拠点をオープンさせるとともに、BiViつくばに市民窓口センターを開設します。さらに地域の交流センターもリニューアルし、多世代が利用できるフリースペースや無料Wi-Fiの整備、相談業務なども開始し、市内全域に市民の交流や活動の場をつくることで、まちの魅力を高めていきます。
高エネ研南側未利用地については、一部の公的利用を含め一体的に整備できる民間事業者へ一括売却し、長い間の懸案事項であった総合運動公園問題を解決に導くことができました。今後も民間事業者と協議しながら、市民が利用しやすい広場や防災拠点の整備などを進めていきます。
市内の人口は増加し続け、ここ2年連続で政令指定都市等を除く一般市で転入超過数が全国1位となり、昨年6月には人口が25万人を突破しました。つくばエクスプレス沿線のみならず、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でテレワーク等も進み、移住先としてつくばが選ばれています。人口増に伴う必要なインフラの一つとして新しく6校の小中学校を整備するとともに、つくばの教育の柱である「問いから始める学び」の実践を全学校で進めています。
令和5年度は、こどもたちはもちろんのこと、障害者、高齢者など多様な人々が生き生きと幸せに暮らしていけるよう、これまで以上に市民に寄り添った施策を数多く進め、「誰一人取り残さない」包摂的で持続可能な「世界のあしたが見えるまち」を「ともに創る」市政に全力で取り組んでいきます。

令和5年度当初予算(案)の概要

それでは、令和5年度当初予算案の概要について御説明します。
令和5年度当初予算は、
一般会計   1,085億1,000万  円
特別会計     358億  606万7千円
水道事業会計    96億8,194万3千円
下水道事業会計  165億1,129万5千円 で
合計が、   1,705億  930万5千円 としました。

一般会計では、前年度当初予算と比較し、69億7,800万円、6.9%の増となっています。
一般会計は昨年度に引き続き1,000億円を上回り、過去最大規模の当初予算額となりました。
歳入のうち市税については、人口増加に伴う個人市民税や法人市民税、固定資産税の増加により6.8%の増を見込んでいます。
歳出については、児童生徒の急増に伴う学校建設をはじめ、公共施設の老朽化への3対応など中長期的な視点に立った予算措置を講じるとともに、ここ数年の新型コロナウイルス感染症の影響で内向きになっていた社会全体を変えるため、市民活動や地域の交流を後押しし、「静から動への転換」を図る施策を重点的に進めていきます。

令和5年度の主要施策

次に、令和5年度の主要施策について御説明します。

(1)徹底した行政改革

まず、「徹底した行政改革」としては、地域の意見や要望等を丁寧に汲み取り、より地域に根差した行政サービスを提供していきます。また、多様な市民が活動できる拠点整備を進めるとともに、市民の課題解決のために大胆な規制改革に取り組み、様々な分野で最先端サービスの実装を進めていきます。
具体的な取組としては、先ほど申し上げた、地域交流センターの機能拡充事業や、つくばセンタービルへの市民活動拠点・国際交流拠点のオープンのほか、つくば駅前への市民窓口センターの開設、スマートシティ推進事業など、市民にとって利便性を高めるとともに、持続可能な未来に向けた歩みを着実に進めていきます。

(2)安心の子育て

次に、「安心の子育て」としては、子育て環境の整備や、教育環境の充実・学びの質の向上・こどもの居場所の創出等を進めることで、一人ひとりに寄り添った学びの機会を確立していきます。
具体的な取組としては、地域の子育て支援の充実や待機児童解消のため、子育て支援拠点や民間保育施設の新設等を進めます。また、こどもの安全を確保し健やかな育ちを支援するため、公立保育所のICT化による登・降園管理や3歳健康診査の視覚検査において新たな屈折検査機器を導入します。
こどもの学びの場の環境整備としては、特別教室へのエアコン設置を先行して完了している中学校に引き続き、小学校でも計画よりも1年前倒して進めるとともに、児童生徒の急増に対応するため、本年4月に開校する3校に続き、さらに3つの小中学校の建設を進めます。
また、学校現場の業務負担を軽減し教職員がこどもと向き合う時間をより増やすため、市独自で配置している学校サポーターを増員するとともに、児童生徒や保護者、教職員からの相談ニーズへの対応や、多様化する生活環境への働きかけなど充実した支援を行うため、高い専門性を備えるスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを大幅に増員します。
さらに、校内フリースクールを全中学校と小学校6校へ拡充するほか、民間フリースクール等への事業経費補助や利用者への支援を開始するなど、学校の教室外や学校外での児童生徒の居場所や学びの場を増やします。

(3)頼れる福祉

次に、「頼れる福祉」としては、高齢者の社会参加の促進や、障害のある人も自分らしく生活できる環境づくり、こどもの貧困対策などの充実により「誰一人取り残さない」包摂的な社会の実現を推進します。
具体的な取組としては、これまで新型コロナウイルス感染症の影響により外出機会が減っていた高齢者向けの新たな施策として、社会参加や生きがいづくりを促進するため、電動アシスト自転車購入費補助事業をはじめ、節目年齢を迎える方への記念写真贈呈や文化芸術鑑賞費用の一部助成を実施するほか、住み慣れた地域で人と人とのつながりを継続し地域からの孤立を防ぐための傾聴ボランティア事業、福祉有償運送事業の担い手育成など、多くの施策を展開します。
また、障害のある人や特別な配慮等が必要なこどもたちが安心して自立した生活を送るため、社会生活を総合的に支援するための障害福祉サービス給付事業や特別支援教育相談事業等を安定的かつ確実に実施し、地域の隅々まで福祉がいきわたる施策を行います。
さらに、つくばこどもの青い羽根基金を活用した居場所づくり支援事業や子どもの学習支援事業など、こどもの未来のための支援を拡大しながら進めます。

(4)便利なインフラ

次に、「便利なインフラ」としては、公共交通を更に便利にしていくための改善を進めるとともに、自転車のまちづくりを推進します。また、安全・安心で持続可能なインフラの整備及び維持管理を進めていきます。
具体的な取組としては、公共交通の利便性向上を図るため、つくバスの運行ダイヤの見直しを小学校の通学時間帯や鉄道駅への接続時刻を考慮して行うとともに、一部の路線において停留所の追加を行います。
また、公共交通へのニーズに対応するため、民間路線バスを活用した実証実験や、視覚障害者への支援としてナビゲーションアプリを用いた案内誘導の実証実験を行います。
サイクルコミュニティや自転車利用の機運醸成を図るため、旧筑波東中学校での自転車拠点の整備や各種イベントの開催、計画策定やバスラッピングなど、幅広く市民に働きかける事業を実施し、自転車のまちづくりを推進していきます。
安全・安心で快適な都市基盤の整備を図るため、道路、街路、橋梁及び河川の整備等を進めるほか、一般廃棄物の長期的な最終処分のあり方について、様々な角度から調査を行い検討していきます。
また、市民の生命・財産を守り、災害に強いまちづくりを推進するため、高機能消防指令センターのシステムを構成する機器や装置等の更新を進めていきます。

(5)活気ある地域

次に、「活気ある地域」としては、周辺市街地をはじめとした地域における市民の主体的な活動を支援するとともに、地域の安全・安心を高め、魅力を引き出す施設整備等を進めます。
 具体的な取組としては、昨年10月に施行された労働者協同組合法の制度周知や個別相談等を新たに実施するなど、引き続き地域や市民の主体的な活動を支援していきます。
みどりの地区には、市民も利用できる「(仮称)みどりの学校プール」を建設し、市民の健康づくりの場としていくほか、地域の防犯活動の拠点となる防犯ステーションを設置し、安全・安心のまちづくりを進めます。
旧筑波東中学校には、自転車拠点とともに、筑波山地域ジオパークの情報発信や教育普及等を行う中核拠点施設をオープンさせ、ジオパーク活動を推進するとともに、観光事業や地域産業との更なる連携を図っていきます。
また、つくばの産業を持続的に発展させるための取組として、企業誘致に向け不足する産業用地を創設するための調査業務を新たに実施するほか、スタートアップの創出に向け、つくばの教育・研究機関等の起業希望者を対象とした実践型研修プログラムを実施します。

(6)誇れるまち

次に、「誇れるまち」としては、持続可能な脱炭素社会の実現に向けた取組を加速させるとともに、つくばの豊かな自然をいかした観光施設の整備・改修等を行うことで、つくばの魅力をさらに高めていきます。
具体的には、公共施設への太陽光発電設備の設置推進に向けた調査を実施するなど、ゼロカーボンシティの実現に向けて様々な取組を進めます。
つくばの豊かな自然を守り未来へ引き継ぐため、生物多様性戦略の策定に取り組むとともに、自然をいかした体験型観光を推進するため、豊里ゆかりの森の園内周遊コース等の整備や筑波ふれあいの里のキャンプ場を改修します。
また、つくばならではの緑豊かできれいな景観を持続可能な形で維持・保全していくために、市民と協働で樹木調査ができるシステム等を新たに導入するほか、つくばエクスプレス沿線で新たな公園の整備を進めるとともに、公園台帳のデータ化による 施設の一元管理や樹木医の診断による公園内の樹木管理を実施します。
つくばセンタービルでは、分散していたつくば駅周辺の公共施設等の集約と老朽化した設備の更新等の改修工事を実施し、駅前にふさわしい場所としてリニューアルすることでまちの魅力を高めていきます。

以上、令和5年度の市政運営の所信の一端と主要施策の概要を申し上げました。

むすびに

私が市長に就任してから今年で7回目の予算編成になりますが、当初から山積していた課題に一つ一つ取り組み、さらには新型コロナウイルス感染症の拡大という近年例のない状況に対しても、一定の道筋を示すことができてきたと考えています。そして、あくまで結果としてですが、2年連続で一般市の転入超過数が全国1位になった事実は、イメージだけではなく定量としてつくばの現在の価値を表している一つの指標だと捉えています。
この道筋を作っている根幹は対話にあります。職員との対話、議員との対話、市民との対話を積み重ねることによって、正解のない課題に対して考え得る最善の選択肢を、長期的な視点も踏まえて構築することを目指してきました。
職員とは現在、組織開発の取組の中で、部や課でのミッションを再認識し、心理的安全性を高めるコミュニケーションのあり方を対話しています。3,700人から成る大きな組織なので、まだすべての部署での実施には至っていませんが、「市役所に入って長い年月が経つが、これまでこのようなことを対話する機会はなかった」、「これまでは我慢するしかないと考えていたが、対話によって組織を変えることができると初めて感じた」といった発言を聞いていますし、実際に職員の主体的な動きや提案も増えてきていると感じます。本来優秀で誠実な職員たちが、その力を十分発揮できるような組織にしていけるよう、これからも努めていきます。
議員の皆さまからは、会派代表質問・一般質問・各委員会での御提案や問題提起はもちろん、つくば中心市街地まちづくり調査特別委員会、高エネ研南側未利用地に関する調査特別委員会、ジオパーク推進特別委員会等を通じて、多くの対話の機会をいただきました。市の重要施策に対して、執行部だけでは気付くことができていない視点も含め、建設的な御提言をいただけることは、市民のための事業を推進するにあたって非常に価値のあることであり、今後も変わらぬ御指導を賜りたいと思います。
市民とも、新型コロナウイルス感染症の影響で難しい局面もありましたが、タウンミーティングをはじめ様々な機会を通じて、できるだけ直接の対話を心掛けてきました。多くの案件について把握しているつもりでも、直接対話をすることによって気付いていなかった課題を知ることもありますし、これまでなかった新しい課題が地域に発生していることも学びます。私は、市民は単なるサービスの消費者ではなく、ともにまちを創る主体だと思っています。周辺市街地の取組では各地域の協議会の皆さんが活発な活動を行っていますし、今般の洞峰公園の動きに対しては市民から「今まで署名等をしたことはなかったけれど、初めて声を上げることの重要性に気付いた」といった言葉を聞きました。市としても、市民との対話を続け、市民が自ら動き、まちづくりに主体的に関われる環境を整えていきたいと考えます。

地方自治体の首長には一般的に大きな権限があります。短期的な成果だけを求めるのであれば対話を省略し、強行的な手法を採ることで得られることもあるかもしれませんが、大きな世界の潮流を捉えながら、まちの発展をゆるぎなく強く持続的なものとしていくためには、対話による分厚い市民社会を構築するしかないと考えています。つくばには、まだまだ解決すべき課題が多くあり、一つ解決してもまた更に新たな課題が生まれ続けていくでしょう。令和5年度も、丁寧な対話を積み重ねながら、皆さまと「世界のあしたが見えるまち」を「ともに創る」歩みを一歩ずつ進めていく決意です。どうぞよろしくお願いいたします。

令和5年2月14日 つくば市長 五十嵐立青


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